レントの初値は公開価格を32%上回る、今後の株価展望は?

  • 2025/6/30
  •  
レント上場

★ 祝 東証スタンダード市場上場 ★
レント
初値:5,730 円

 きょう東証スタンダード市場に新規上場したレント<372A>は、公開価格と同じ4,330円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、9時55分頃に公開価格を1,400円(+32.3%)上回る5,730円で初値をつけました。

 初値を付けた直後から換金売りに押され、後場に入って一時初値近辺まで持ち直すも、引けに掛けて再び売られ、最終的に終値5,340円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は193万株でした。

レント( 372A )

▌株価情報(2025/06/30 15:30)

現在値(終値)初値比公開価格比
5,340
-6.8
-390
+23.3
+1,010
始値高値安値出来高
5,7305,9505,180193 万株
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sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたレントですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、レントの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で10~50%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高いほど投資家の『期待』は既に高い状態のため、高値警戒感から上場後は値下がりする可能性が高くなります。

 レントの初値は公開価格比で+32.3%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で10~50%未満だった256銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+9.3%、中央値(Me)で-10.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は39.8%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
256
(2012年以降)
39.8
(102件 / 256件)
+9.3
(Me:-10.8 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7065 ユーピーアール2019/6/12+401.3
4447 ピー・ビーシステ2019/9/12+377.5
3457 ハウスドゥ2015/3/25+343.0
4475 HENNGE2019/10/8+302.3
5254 Arent2023/3/28+299.9

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌サービス業(その他)の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 レントと同じサービス業(その他)の銘柄(2012年以降上場の110銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+9.9%、中央値(Me)で-20.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は34.5%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは19年6月上場のユーピーアール(7065)+401.3%、最も下落したのは22年11月上場のウェルプレイド・ライゼスト(9565)-82.1%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
110
(2012年以降)
34.5
(38件 / 110件)
+9.9
(Me:-20.8 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7065 ユーピーアール2019/6/12+401.3
6544 ジャパンエレベー2017/3/17+396.2
7094 NexTone2020/3/30+371.1
6029 アトラ2014/12/16+252.1
9560 プログリット2022/9/29+251.4

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、やや苦しい展開が予想されます。

 なお、初値(5,730円)は当サイトの予想(4,400円)を上回り、想定より買い需要が強い結果となりました。また、AIの予測値は5,610円でした。予想以上に初値が高騰したことで、初値寄り付き後は売り優勢の展開となり、終値も初値を大きく割り込む形で終えたことで、短期的には売られやすい地合いになりそうです。

 今期(25.5)の業績予想は、前期比で売上高は+11.8%の48,840百万円、最終損益は+8%の2,240百万円となっています。事業としては国内企業の設備投資需要に大きく左右され、ここ数年はコロナ以降の景気回復を追い風に、順調に業績を拡大してきています。今後も国内で急速な景気の冷え込みが起きなければ、一定程度の業績拡大は続きそうです。また、初値水準で配当利回りが3%超と比較的高く、株価の下支え要因にもなりそうです

▌初値騰落率の目安

初値騰落率 +32.3 %

+1.6+29.6+45.3+33.4
(公開価格比)(公開価格比)サービス業中型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER8倍と業種平均15.0倍(サービス業/スタンダード)と比べてやや割安な水準です。また、配当利回りは3.1%です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、4,000~5,000円前後で推移していくものと予想します。







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