オリオンビールの初値は公開価格を119%上回る、今後の株価展望は?
- 2025/9/25
★ 祝 東証プライム市場上場 ★
オリオンビール
初値:1,863 円
きょう東証プライム市場に新規上場したオリオンビール<409a>は、公開価格と同じ850円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、13時50分頃に公開価格を1,013円(+119.2%)上回る1,863円で初値をつけました。
初値を付けた直後は買いが集まり、一時2,262円まで買われるも、直後に大きく売られ、その後は初値をやや上回る水準で推移し、最終的に終値1,950円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は3,483万株でした。
オリオンビール( 409A )
▌株価情報(2025/09/25 15:30)
現在値(終値) | 初値比 | 公開価格比 | |||
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始値 | 高値 | 安値 | 出来高 |
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1,863 | 2,262 | 1,853 | 3,483 万株 |
View今後の株価展望
類似IPOのセカンダリー状況
▌初値高騰の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で100~200%未満の銘柄対象)
初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が公開価格割れや予想以上に低い場合には、投資家の『期待』は薄い一方で、安値安心感から上場後は上昇していく可能性が高まります。
オリオンビールの初値は公開価格比で+119.2%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で100~200%未満だった226銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は-9.6%、中央値(Me)で-37.4%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は25.7%と、セカンダリーではかなり厳しい現実となっています。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
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3692 FFRI | 2014/9/30 | +752.6 % |
2931 ユーグレナ | 2012/12/20 | +696.6 % |
6541 グレイステクノロ | 2016/12/21 | +501.8 % |
4880 セルソース | 2019/10/28 | +297.0 % |
4051 GMOフィナンシャ | 2020/7/15 | +285.2 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
▌食品業の1年後の株価状況
業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。
オリオンビールと同じ食品業の銘柄(2012年以降上場の16銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+65.9%、中央値(Me)で+14.5%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は62.5%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。1年後に最も上昇したのは12年12月上場のユーグレナ(2931)で+696.6%、最も下落したのは14年12月上場のフルッタフルッタ(2586)で-75.8%です。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
---|---|---|
2931 ユーグレナ | 2012/12/20 | +696.6 % |
2884 ヨシムラ・フード | 2016/3/4 | +164.9 % |
2932 STIフードホー | 2020/9/25 | +112.2 % |
2585 ライフドリンクカ | 2021/12/21 | +103.0 % |
1384 ホクリヨウ | 2015/2/20 | +77.7 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
今後の株価予想
過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、比較的良好なパフォーマンスが期待できます。
なお、初値(1,863円)は当サイトの予想(1,200円)を大幅に上回り、予想以上に人気化しました。また、AIの予測値は1,263円でした。初値寄り付直後にはかなりの買いが集まり、その後は売られたものの初値を上回る水準を維持したことから、短期的には初値を挟んだ展開が続きそうです。
今期(26.3)の業績予想は、前期比で売上高は+4.3%の301億円、最終損益は-54.7%の33億円となっています。オリオン・ザ・ドラフトを中心に積極的な拡販で売上増を見込んでおり、利益も緩やかに増加していくが予想されます。また、配当性向50%を掲げていることから、利益が順調に拡大していけば、来期以降、増配も十分期待できます。終値でPERは24倍、配当利回りは2.1%で、さほど割高感はありません。
▌初値騰落率の目安
初値騰落率 ◆ | +119.2 % |
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+41.2 % | +48.6 % | +26.4 % | +15.2 % |
(公開価格比) | (公開価格比) | 食品 | 中大型以上 |
▌売上高/最終損益の推移
現在の株価水準は、初値でPER23倍と業種平均19.1倍(食料品/プライム)と比べてほぼ同水準です。また、配当利回りは2.1%です。
以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、3,000~4,000円前後で推移していくものと予想します。
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