ジェイファーマ(520A)のIPO情報と初値予想

 ジェイファーマ(520A)東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ジェイファーマのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『SLCトランスポーターをターゲットとした医薬品開発』となっています。

会社名ジェイファーマ(520A)
所在地東京都港区浜松町一丁目10番11号
設立日2005年12月26日
従業員数16人
業種医薬品

【企業サイト】
ジェイファーマ公式サイト
https://www.j-pharma.com/

事業解説
 がん細胞の成長・増殖に不可欠な大型中性アミノ酸の取り込みを担っているとされているL型アミノ酸トランスポーター1(LAT1)の研究に注力し、その活性を抑制するLAT1阻害剤の開発を進めています。現在、臨床開発を進めている化合物は、ナンブランラト(JPH203)とJPH034の2剤で、胆道がんならびに大腸がんを対象とした開発を進めています。ナンブランラトは、胆道がん2次療法のグローバル第3相臨床試験を開始。
ジェイファーマの事業説明
(画像:ジェイファーマHP

沿革 

ジェイファーマのトップメッセージ

代表取締役社長 吉武 益広

 当社は、1993年より当社創業者である遠藤仁(現杏林大学名誉教授)が杏林大学において開始した細胞膜輸送タンパク質(トランスポーター)に関するゲノム創薬研究の成果を基盤として設立されました。

(引用:ジェイファーマHP
2005年12月
細胞膜のトランスポーターに特化した医薬品開発を行う会社としてジェイファーマ㈱を東京都港区虎ノ門一丁目に設立
2006年10月
医薬基盤研究所 医薬品・医療機器実用化研究支援事業「高リン血症治療薬の開発」採択
2006年10月
東京都新宿区新宿二丁目に本社を移転
2007年10月
文部科学省分子イメージング研究プログラム「がん細胞特異膜タンパク質を標的とした新規分子プローブの開発」採択
2018年11月
ナンブランラトの国内における第2相臨床試験を開始
2022年12月
ナンブランラトの国内における第2相臨床試験を終了
2023年10月
中枢移行性LAT1阻害剤(開発コード:JPH034)の多発性硬化症に対する開発が、米国National Multiple Sclerosis Society (NMSS) のFast Forward商業化研究助成プログラムに採択され補助金を受領
2023年10月
米国での医薬品開発のための人材採用を目的としてJ-Pharma USAを設立(2025年7月に清算結了)
2025年12月
ナンブランラトのグローバル第3相臨床試験(胆道がん2次療法を対象)を開始

財務データ 

 これまでに事業収益(売上)の計上はありません

 現状の進捗として、胆道がんを対象にしたナンブランラトのグローバル第3相臨床試験を開始するとともに、胆道がん一次療法における免疫チェックポイント阻害剤との併用療法を評価する医師主導臨床試験をスポンサーとして準備・開始する予定となっています。

 また、JPH034は、主に中枢神経系の自己免疫疾患の一つである再発を伴わない2次性進行型多発性硬化症を対象疾患として開発を進めており、日本医療研究開発機構の創薬ベンチャー公募に採択され、最大20億円の支援を受けています。同補助金を活用し、米国FDAに対してIND提出す海外での第1相臨床試験の準備を開始しています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2021/32022/32023/32024/32025/3
売上高00000
経常益△931△1,077△1,087△1,640△1,527
最終益△932△1,081△1,098△1,652△1,499
純資産1,4759941,4089502,378
総資産1,7181,1661,7521,2072,857
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2025.3)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している医薬品68社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が628.2%となっており、比較的良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 2,857 百万円売上高 0 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
研究開発
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 0(μ:-24318.3 Me:5.7
総資本営業利益率 = -55.9(μ:-14.6 Me:3.5
自己資本利益率 = -63(μ:-48.4 Me:3.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 628.2(μ:946.8 Me:431.2
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 0.7(μ:57.1 Me:48
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 83.2(μ:68.4 Me:73.3
成長性指標
売上高成長率 = 0(μ:7.8 Me:6.5

※カッコ内の数値は医薬品(68社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は15,773千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)60.5%その他34.2%経営陣5.3%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
JICベンチャー・グロース・ファンド1号LPS12.82%90日/1.5倍
Eight Roads Ventures Japan II L.P.12.30%90日/1.5倍
Newton Biocapital I Pricaf privee SA7.77%90日/1.5倍
大原薬品工業㈱5.55%180日
スペラファーマ㈱3.96%180日
UntroD野村クロスオーバーインパクトファンドLPS3.80%継続保有
MSIVCグローバルアカデミックシーズLPS3.34%90日/1.5倍
F-Prime Capital Partners Life Sciences Fund VI LP3.07%90日/1.5倍
OUVC1号LPS2.93%90日/1.5倍
藤本裕2.79%180日
上記以外41.67%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 15,773千株(2026年2月19日現在)

?

5.334.260.5
835.3 千株– 千株5,387.5 千株9,549.9 千株
※新株予約権による潜在株式(1,183千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 今回のIPOでは募集株式の全てが公募株式で、主に新規発行になります。初値形成にはかなりポジティブといえます。

 上場する株式の時価総額は164億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の17.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は34.3億円で、IPOとしては中型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。3,240,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。3,240,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。486,200 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。200 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。486,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。3,726,200 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
164 億円29.8 億円18.2100
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

4.428.350.217.0
※新株予約権による潜在株式(1,183千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではSBI証券が主幹事となっており、割当株数の36%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
SBI証券(主幹事)-%-株
大和証券-%-株
東海東京証券-%-株
東洋証券-%-株
松井証券-%-株
マネックス証券-%-株
楽天証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
SBIネオトレード証券SBI-株
CONNECT大和-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

36%
個人-本
抽選
裁量
18%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日2月19日(木)
抽選申込期間3月6日(金)~3月12日(木)
当選発表日3月13日(金)
購入申込期間3月16日(月)~3月19日(木)
上場日3月25日(水)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
222223224225226227228
31323334353637
3839310311312313314
315316317318319320321
322323324325326327328

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 ここ数年、バイオベンチャーのIPOは公開価格割れとなることもしばしばで、注目度は低いです。現状、最も進んでいるパイプラインでナンブランラトのグローバル第3相臨床試験なので、数年は補助金等を除いた純粋な売上が計上される見通しはなく、しばらくは赤字継続になりそうです。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中型案件で、株主にはVCが多く入っており、ロックアップは入っているものの、需給は緩いです。想定価格が低めなのはプラス材料ですが、募集株式も多いため、初値上昇は厳しい印象です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。

期待度評価点
 4.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は医薬品(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は医薬品(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は医薬品(グロース)の単純PER(25.12末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は医薬品(グロース)の単純PBR(25.12末時点)。
34.3 億円-63.03.2
医薬品6.53.95.2
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格920円と同じ920円と予想します。なお、AI予測値は1,400円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
920円(2/19予想)
±0円 / ±0.0%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。920円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(2/19計算)

AI予測1,400円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

±0.0+52.2+32.2+34.2
(想定価格比)(想定価格比)医薬品中型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年7月に上場したHeartseed(219A)の初値騰落率は+33.4%でした。

 今回のIPOと同じ医薬品関連関連に分類されるIPOは2007年以降45件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は66.7%、初値騰落率の平均は+32.2%(中央値+10.0%)となっています。

 また、今回と同じ中型のIPOは2017年以降176件で、勝率は76.7%、初値騰落率の平均は+34.2%(中央値+20.3%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
ハートシード+33.4%23.0-30.9%-28.0%
PRISMBio+8.7%20.0-79.6%-45.9%
Chordia+66.7%16.00.0%5.0%
VIS+100.1%10.3203.4%-9.1%
ノイル-6.1%30.0519.8%-9.0%

▌医薬品関連のIPO実績
(バイオベンチャー企業など)

医薬品勝率平均騰落率
45
(2007年以降)
66.7
(30件 / 45件)
+32.2
(Me:+10.0 %)

(2026/2/19 現在)

医薬品関連の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
219A ハートシード2024/7/30+33.4
206A PRISMBio2024/7/2+8.7
197A タウンズ2024/6/20-6.5
190A Chordia2024/6/14+66.7
130A VIS2024/2/8+100.1

医薬品のIPO騰落率分布

▌中型のIPO実績
(中型:供給額20~50億円未満のIPO)

中型勝率平均騰落率
176
(2017年以降)
76.7
(135件 / 176件)
+34.2
(Me:+20.3 %)

(2026/2/19 現在)

中型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
500A TOブックス2026/2/13-8.1
479A PRONI2025/12/24+7.1
478A フツパー2025/12/24+31.8
475A ギミック2025/12/19-5.2
5537 AlbaLink2025/12/15+42.3

中型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















アーカイブ
ページ上部へ戻る