ファイントゥデイホールディングス(420A)のIPO情報と初値予想【上場中止】
- 2025/10/6
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ファイントゥデイホールディングス(420A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、ファイントゥデイホールディングスのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
なお、同社は2024年11月に上場承認を受けた後に上場中止となっており、今回はその再挑戦案件になります。前回の上場承認時からIPO要件はかなり変更されており、今回は資金調達のために株式の公募発行分があり、想定価格も低めに設定されました。
一方で、親会社である投資ファンド(中国・香港系)の売出し株数は減り、その分だけ発行済み株式数における公開株の割合は小さくなっています。結果として、前回は東証プライムへの上場予定だったのが、今回は東証スタンダードに変更されています(プライム市場の上場維持基準は、流通株式比率35%以上)。
▌IPO要件の変更
| (前回) | (今回) | ||
| 想定価格 (円) | 2,150 | 1,470 | |
| 募集株式 (千株) | 41,075 | 33,055 | |
| 内訳 | 公募株 | 0 | 12,925 |
| 売出株(OA含む) | 41,075 | 20,130 | |
| 時価総額 (億円) (発行済株式 千株) | 2,194 (102,050) | 1,690 (114,975) | |
▌上場時公開株の割合変更
| (前回) | (今回) |
35% | 25% |
| ▉ 公開株(公募+売出) ▉ 親会社(投資ファンド) | |
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『パーソナルケア(ヘアケア、フェイスケア、ボディケア等)製品の生産、販売、マーケティング』となっています。
| 会社名 | ファイントゥデイホールディングス(420A) |
|---|---|
| 所在地 | 東京都港区港南二丁目16番3号品川グランドセントラ |
| 設立日 | 2021年1月19日 |
| 従業員数 | 2,307人 |
| 業種 | 化学 |
【企業サイト】
https://www.finetoday.com/jp/

沿革

代表取締役 CEO 小森 哲郎
私たちファイントゥデイは、「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」というパーパスをすべての企業活動の起点とする経営を進めています。そして、100年先も私たちの子ども・孫の世代にも敬愛される企業であることを目指しています。
財務データ
2024年12月期の事業売上は1,074億円で、構成比はカテゴリー別に、ヘアケア51.2%、スキンケア23.1%、ボディケア23.4%、その他2.3%となっています。
前期(24.12)は日本地域で、+tmrの本格展開やエージーデオ24メンの新製品販売等が好調に推移した一方で、前期計上した負ののれん発生益が剥落し、前期比で売上は7%増、最終は10億円で着地しました。
今期(25.12)は中国・香港でのKUYURA、SUPER MiLDのリニューアルや東南アジアでのfinoの新規導入国における展開拡大の施策等により、売上は5%増、最終は77億円を見込んでいます。1株利益は74円、配当は25.28円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
| 決算期 | -/- | -/- | 2022/12 | 2023/12 | 2024/12 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | – | – | 1,083 | 1,002 | 1,074 |
| 経常益 | – | – | 112 | 185 | 66 |
| 最終益 | – | – | 68 | 146 | 10 |
| 純資産 | – | – | 615 | 793 | 655 |
| 総資産 | – | – | 1,994 | 2,250 | 1,981 |
▌カテゴリー別の売上内訳(2024.12)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している化学203社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が13.7%など、やや高い数値となっています。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が216.2%となっており、やや厳しい状態といえます。
| 貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
|---|---|
| 総資産 1,981 億円 | 売上高 1,074 億円 |
| ▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は化学(203社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は102,821千株で、株式保有割合は、その他99.6%、経営陣0.4%となっています。
株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。
| 株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
|---|---|---|
| Oriental Beauty Holding (HK) Limited | 99.25% | 180日 |
| 小森 哲郎(社長) | 0.08% | 180日 |
| 須原 伸太郎 | 0.05% | 180日 |
| 高橋 友樹 | 0.04% | 180日 |
| 子会社従業員 | 0.04% | 180日 |
| 子会社従業員 | 0.03% | 180日 |
| 子会社従業員 | 0.02% | 180日 |
| 岡上 啓太 | 0.02% | 180日 |
| 瀬戸 温夫 | 0.02% | 180日 |
| 両角 浩人 | 0.02% | 180日 |
| 上記以外 | 0.43% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 102,821千株(2025年10月3日現在)
| 0.4 % | – % | 99.6 % | – % |
| 456.3 千株 | – 千株 | 102,364.9 千株 | – 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
IPOの公募比率は45%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主にその他(Oriental Beauty Holding)の株式放出によるものです。
上場する株式の時価総額は1,690.1億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の24.8%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は485.9億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。
| 公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 12,925,100 株 | |
|---|---|---|
| 内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 12,925,100 株 |
| (自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
| 売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 20,130,200 株 | |
| 内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 15,818,700 株 |
| (OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 4,311,500 株 | |
| 公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 33,055,300 株 | |
(IPO指標)
| 時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
|---|---|---|---|
| 1,690.1 億円 | 190 億円 | 25 % | 45 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
| 0.4 % | – % | 74.8 % | – % | 24.8 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOでは大和証券が主幹事となっており、割当株数の14%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
また、幹事証券になる楽天も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。
▌幹事証券の引受株式数
| 証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
|---|---|---|
| 大和証券(主幹事) | -% | -株 |
| ゴールドマン・サックス証券 | -% | -株 |
| SMBC日興証券 | -% | -株 |
| UBS証券 | -% | -株 |
| SBI証券 | -% | -株 |
| 楽天証券 | -% | -株 |
| 合計 | 100% | -株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
| 証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
|---|---|---|
| CONNECT | 大和 | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
スケジュール
| 上場承認日 | 10月3日(金) |
|---|---|
| 抽選申込期間 | 10月20日(月)~10月24日(金) |
| 当選発表日 | 10月27日(月) |
| 購入申込期間 | 10月28日(火)~10月31日(金) |
| 上場日 | 11月5日(水) |
| SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1012 | 1013 | 1014 | 1015 | 1016 | 1017 | 1018 |
| 1019 | 1020 | 1021 | 1022 | 1023 | 1024 | 1025 |
| 1026 | 1027 | 1028 | 1029 | 1030 | 1031 | 111 |
| 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 |
| 119 | 1110 | 1111 | 1112 | 1113 | 1114 | 1115 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
パーソナルケア商品の製造・販売に特段の新規性はなく、注目度は低いです。事業内容的に売上の大きな伸びは期待できませんが、利益は安定的に確保しており、収益性は評価できます。
▌需給・価格評価
IPOとしては超大型案件で、株主の大半は投資ファンドであり、ロックアップは厳しめに入っているものの募集株数が多く、その多くは投資ファンドからの売出しになるため、需給はかなり緩くなりやすいです。今期利益予想によるPERは19.9倍と業種平均13.2倍(化学・スタンダード)と比較してやや割高です。また、配当利回りは1.7%で、別に株主優待として、100株以上保有の株主に約2,500円相当の自社製品を贈る制度を設けています。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。
| 期待度 | 評価点 |
|---|---|
| 5.0 /15点 |
《IPOの評価指標》
| 供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は化学(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は化学(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は化学(スタンダード)の単純PER(25.8末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は化学(スタンダード)の単純PBR(25.8末時点)。 |
|---|---|---|---|---|
| 485.9 億円 | 7.2 % | 1.5 % | 170.9 倍 | 2.0 倍 |
| 化学 | 4.2 % | 5.9 % | 13.2 倍 | 0.8 倍 |
|---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,470円から+30円(+2.0%)高い1,500円と予想します。なお、AI予測値は1,896円となっており、これより低い弱気の予想としています。
| 初値予想 (想定価格比) | 1,500円(10/6予想) (+30円 / +2.0%) |
|---|---|
| 想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 1,470円 |
| 仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
| 公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
| 初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では21年2月に上場したアクシージア(4936)の初値騰落率は+41.4%でした。
今回のIPOと同じ素材・資材関連関連に分類されるIPOは2007年以降96件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は67.7%、初値騰落率の平均は+25.7%(中央値+8.7%)となっています。
また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降166件で、勝率は53.6%、初値騰落率の平均は+15.8%(中央値+1.6%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
| 銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
|---|---|---|---|---|
| アクシージア | +41.4% | 103.2 | 24.4% | 31.7% |
| ポーラHD | -5.9% | 363.6 | -5.0% | 2.9% |
▌素材・資材関連のIPO実績
(化学・鉄鋼・金属、建設業など)
| 素材・資材 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2025/10/6 現在)
素材・資材関連の直近IPO
| コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
|---|---|---|
| 407A UNICONHD | 2025/9/26 | +30.7 % |
| 373A リップス | 2025/6/30 | +2.2 % |
| 365A 伊澤タオル | 2025/6/20 | +2.0 % |
| 341A トヨコー | 2025/3/28 | +19.3 % |
| 5016 JX金属 | 2025/3/19 | +2.8 % |
素材・資材のIPO騰落率分布
▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)
| 中大型以上 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2025/10/6 現在)
中大型以上の直近IPO
| コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
|---|---|---|
| 414A オーバーラップ | 2025/10/3 | -7.1 % |
| 407A UNICONHD | 2025/9/26 | +30.7 % |
| 409A オリオンビール | 2025/9/25 | +119.2 % |
| 402A アクセルスペース | 2025/8/13 | +100.3 % |
| 368A 北里コーポ | 2025/6/25 | +49.3 % |
中大型以上のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)