イノバセル(504A)のIPO情報と初値予想

 イノバセル(504A)東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、イノバセルのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『便失禁、尿失禁疾患などを対象とした再生医療等製品の開発、製造及び販売』となっています。

会社名イノバセル(504A)
所在地東京都品川区上大崎三丁目5番11号
設立日2021年1月5日
従業員数48人
業種医薬品

【企業サイト】
イノバセル公式サイト
https://www.innovacell.co.jp/

事業解説
 日本国内には、便失禁の患者が約500万人存在するとされており、また尿失禁症状を有する方は日本国内で1,100万人を超えるとされています。そうした便失禁および尿失禁といった失禁領域を対象に、3つの自家細胞治療に関連した研究開発パイプラインを進めており、いずれも患部に細胞を注射するもので、保存的療法で改善が見られない患者に対する外科治療法として期待されています。
イノバセルの事業説明
(画像:イノバセルHP

沿革 

イノバセルのトップメッセージ

代表取締役 Co-CEO ノビック・コーリン

 当社グループの母体はオーストリアのインスブルック医科大学からスピンアウトした細胞治療・再生医療研究開発企業であり、当社はこのオーストリア企業の親会社となるべく2021年1月に日本で設立されました。

(引用:イノバセルHP
2000年11月
オーストリア共和国インスブルック市においてInnovacell Biotechnologie GmbHを設立
2005年5月
自社製造施設に関するGMP認証を取得(2007年に臨床開発開始に伴うGMP製造をスタート)
2008年8月
法人格を変更(Innovacell Biotechnologie GmbHからInnovacell Biotechnologie AGへ)
2011年6月
腹圧性尿失禁を対象とした自家骨格筋由来細胞製品(ICES13)の後期第Ⅱ相試験を完了
2016年10月
切迫性便失禁を対象とした自家骨格筋由来細胞製品(ICEF15)の後期第Ⅱ相試験を完了
2019年10月
主要株主が交替(事業推進力向上のため、欧州機関投資家等中心の構成から当社取締役等中心の構成へ(シリーズB資金調達を実施))
2021年1月
当社(イノバセル㈱)を設立(資本金2百万円)
2021年2月
三角合併の完了により、Innovacell AG(当時)の完全親会社となる
2022年5月
切迫性便失禁を対象とした自家骨格筋由来細胞製品(ICEF15)の第Ⅲ相国際共同治験における欧州での患者組み入れを開始(日本における開発準備は2017年より開始)
2022年6月
欧州投資銀行から1,500万ユーロのベンチャーデットを調達
2022年7月
累計27億円の調達をもって、シリーズC資金調達をクローズ
2022年9月
厚生労働省より「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」第39条第1項に基づく「特定細胞加工物製造認定」を取得(欧州に立地する施設として初めて)
2023年7月
法人格を変更(Innovacell AGからInnovacell GmbHへ)
2023年8月
現在の経営体制への移行を完了
2023年9月
便失禁を対象とした自家骨格筋由来細胞製品(ICEF15)の第Ⅲ相国際共同治験における日本での患者組み入れを開始
2024年11月
アルフレッサ㈱より出資を受け入れ、業務提携基本契約を締結
2025年8月
累計73億円の調達をもって、シリーズD資金調達をクローズ

財務データ 

 研究開発段階にあることから、25年12月期の事業収益(売上)はありません。また、事業セグメントは「細胞治療・再生医療研究開発事業」の単一セグメントとなっています。

 今期(25.12)は22年より取り組んでいるICEF15第Ⅲ相国際共同治験の推進に引き続き注力した結果、研究開発費が前期比で29.6%増加するなど費用が膨らみ、最終損失は△30.4億円に拡大(前期△23.9)する見込みです。また、株式発行等により42.8億円の資金調達を実施。

 来期(26.12)はICEF15(切迫性便失禁を対象としたパイプライン)に係る契約一時金として10億円の計上を見込んでおり、最終損失は△34.6億円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期-/-2021/122022/122023/122024/12
売上高0000
経常益△292△514△2001△2392
最終益△1,003△515△2002△2392
純資産1391,811△1738△1956
総資産1,1822,1302,4042,835
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2026.予)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している医薬品68社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が-26.5%となっており、平均的な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 2,835 百万円売上高 0 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 0(μ:-24318.3 Me:5.7
総資本営業利益率 = -66.1(μ:-14.6 Me:3.5
自己資本利益率 = 0(μ:-48.4 Me:3.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 452.6(μ:946.8 Me:431.2
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = -26.5(μ:57.1 Me:48
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = -69(μ:68.4 Me:73.3
成長性指標
売上高成長率 = 0(μ:7.8 Me:6.5

※カッコ内の数値は医薬品(68社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は38,179千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)47.7%その他33.3%経営陣19.1%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
Peppermint Grove Limited9.45%180日
Insanna Stiftung9.45%180日
シーズ・インベストメント有限責任事業組合6.45%180日
ノビック・コーリン(社長)6.36%180日
シーガー・ジェイソン(社長)6.36%180日
The Prudential Assurance Company Limited6.16%継続保有
マークシュタイナー・ライナー6.08%180日
坂野 敦4.31%180日
Glymur Biotech Ventures LP3.51%180日
アルフレッサ㈱3.08%継続保有
上記以外38.79%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 38,179千株(2026年1月19日現在)

?

19.133.347.7
7,288 千株– 千株12,695.3 千株18,196 千株
※新株予約権による潜在株式(4,843.5千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は92.1%と高く、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはややポジティブといえます。売出し分は、主にベンチャーキャピタル(VC)、その他の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は538.4億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の19.6%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は135.4億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。8,400,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。8,400,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。2,094,000 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。725,300 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。1,368,700 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。10,494,000 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
538.4 億円108.4 億円21.992.1
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

15.626.738.119.6
※新株予約権による潜在株式(4,843.5千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは野村證券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
野村證券(主幹事)-%-株
SBI証券-%-株
合計100%-株

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日1月19日(月)
抽選申込期間2月5日(木)~2月10日(火)
当選発表日2月12日(木)
購入申込期間2月13日(金)~2月18日(水)
上場日2月24日(火)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
125126127128129130131
21222324252627
2829210211212213214
215216217218219220221
222223224225226227228

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 ここ数年、バイオベンチャーのIPOは公開価格割れとなることもしばしばで、注目度はかなり低いです。現状は創薬の開発段階で、収益は研究開発過程のマイルストーン達成に応じた一時収益しかなく、今後の見通しもかなり不透明な状況といえます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては大型案件で、株主にはVCが多く入っており、ロックアップは厳しめに入っているものの、需給はかなり緩いです。なお、募集株式の一部については、発行企業が指定する販売先(親引け先)に販売するほか、海外投資家にも販売される予定です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。

期待度評価点
 4.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は医薬品(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は医薬品(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は医薬品(グロース)の単純PER(25.12末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は医薬品(グロース)の単純PBR(25.12末時点)。
135.4 億円6.7
医薬品6.53.95.2
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,290円と同じ1,290円と予想します。なお、AI予測値は2,006円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,290円(1/20予想)
±0円 / ±0.0%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,290円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(1/20計算)

AI予測2,006円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

±0.0+55.5+32.2+16.0
(想定価格比)(想定価格比)医薬品中大型以上

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では19年8月に上場したステムリム(4599)の初値騰落率は-7.0%でした。

 今回のIPOと同じ医薬品関連関連に分類されるIPOは2007年以降45件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は66.7%、初値騰落率の平均は+32.2%(中央値+10.0%)となっています。

 また、今回と同じ中大型以上のIPOは2017年以降165件で、勝率は55.8%、初値騰落率の平均は+16.0%(中央値+2.7%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
ステムリム-7.0%294.6-33.3%-17.3%
ヘリオス+22.5%108.0-44.0%-18.1%
サンバイオ-14.5%162.222.6%30.0%
アキュセラ・インク+27.8%174.635.6%16.3%

▌医薬品関連のIPO実績
(バイオベンチャー企業など)

医薬品勝率平均騰落率
45
(2007年以降)
66.7
(30件 / 45件)
+32.2
(Me:+10.0 %)

(2026/1/20 現在)

医薬品関連の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
219A ハートシード2024/7/30+33.4
206A PRISMBio2024/7/2+8.7
197A タウンズ2024/6/20-6.5
190A Chordia2024/6/14+66.7
130A VIS2024/2/8+100.1

医薬品のIPO騰落率分布

▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)

中大型以上勝率平均騰落率
165
(2017年以降)
55.8
(92件 / 165件)
+16.0
(Me:+2.7 %)

(2026/1/20 現在)

中大型以上の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
485A パワーエックス2025/12/19-7.4
472A ミラティブ2025/12/18-12.7
8303 SBI新生銀行2025/12/17+9.4
471A NSグループ2025/12/16-5.0
456A ヒューマンメイド2025/11/27+9.9

中大型以上のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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