NSグループ[エヌエスグループ](471A)のIPO情報と初値予想

 NSグループ[エヌエスグループ](471A)東証プライムへの新規上場が承認されました。ここでは、NSグループ[エヌエスグループ]のIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『家賃債務保証事業を展開する子会社の経営管理等』となっています。

会社名NSグループ[エヌエスグループ](471A)
所在地大阪府大阪市北区中之島三丁目3番3号
設立日2021年8月26日
従業員数763人
業種その他金融業

【企業サイト】
NSグループ[エヌエスグループ]公式サイト
https://nsg-inc.co.jp/

事業解説
 日本セーフティーが賃貸物件の入居者から保証委託料を受領した上で入居者の連帯保証人になり、家賃等の保証を約束することで、入居者はお部屋を借りやすく、物件の賃貸人はお部屋を貸しやすくなります。特に、物件管理戸数が相対的に少ない不動産管理会社(Small領域)と深い関係性を築いており、Small領域では、第一保証については約10%、第二保証については約6%のシェアを有しています。

沿革 

NSグループ[エヌエスグループ]のトップメッセージ

代表取締役社長 大塚 孝之

 家賃債務保証業界は、2020年4月に改正民法が施行され、利用件数・認知度ともに大きく伸び、事業規模も毎年拡大しています。また、社会情勢として少子高齢化や在留外国人の増加が進むなか、賃貸契約のインフラとして家賃保証サービスの社会的意義はますます高まると考えられます。

(引用:NSグループ[エヌエスグループ]HP
1997年2月
家賃債務保証事業を実施することを目的として、日本セーフティー㈱(以下「旧日本セーフティー㈱」という)を設立
2002年2月
関東地域初の拠点となる東京本社及び東京支店を開設
2004年8月
東海地域初の拠点となる名古屋支店を開設
2004年8月
北関東地域初の拠点となる埼玉支店を開設
2005年8月
西日本地域初の拠点となる広島支店を開設
2006年1月
取扱店(注)登録数10,000店突破
2006年5月
東北地域初の拠点となる仙台支店を開設
2007年4月
少額短期保険を取り扱う会社として、セーフティージャパン・リスクマネジメント㈱を設立
2009年2月
競合他社に先駆けダウンロード契約書(Webからダウンロードして利用する契約書)を導入
2010年2月
沖縄地区にて家賃債務保証事業を展開することを目的として、琉球セーフティー㈱を設立
2010年11月
プライバシーマーク取得(登録番号 第20001518号)
2010年12月
取扱店登録数20,000店突破
2011年1月
1年更新の保証契約、更新保証料一律1万円の商品の導入
2011年11月
請求代行型集金代行サービスを開始
2013年2月
取扱店登録数30,000店突破
2015年1月
家賃債務保証サービスを統括的に管理するために自社開発した基幹システム「SIONS」をリリース
2016年5月
取扱店のニーズを踏まえて広く提案できる新商品「16プラン」の販売開始
2016年9月
取扱店登録数40,000店突破
2017年9月
大谷彰宏氏が兵庫県西宮市に資産管理会社として㈱BVアセットを設立
2017年12月
国土交通省の告示による家賃債務保証事業者登録制度に家賃債務保証事業者として登録完了
2018年9月
従来の業務支援システムから、顧客の操作性を向上し双方向性のあるシステムへバージョンアップした「N-pallet(エヌパレ)」をリリース
2019年1月
事業用のシェア拡大に向けて「Nテナント」の販売開始
2019年12月
取扱店登録数50,000店突破
2020年9月
月極駐車場オンライン契約サービスPark Directを運営する㈱ニーリーと業務提携し、Park Direct経由で契約した月極駐車場の賃料保証を開始
2021年1月
旧日本セーフティー㈱が琉球セーフティー㈱を吸収合併
2021年8月
グローバル・プライベート・エクイティーファームであるベインキャピタルグループが投資助言を行うファンドが㈱BCJ-53(当社)を設立
2021年12月
Bain Capital Private Equity, LPが投資助言を行う投資ファンド及びそのグループ(以下、個別に又は総称して「ベインキャピタルグループ」という。)が㈱BCJ-53の株式の51%を保有することで、ベインキャピタルグループが旧日本セーフティー㈱の株式51%を取得
2021年12月
セーフティージャパン・リスクマネジメント㈱の全株式を売却
2022年1月
㈱BVアセットは、旧日本セーフティー㈱を吸収合併し、日本セーフティー㈱に商号変更
2023年1月
SIONSに審査のスコアリング機能を追加
2023年6月
取扱店登録数60,000店突破
2025年4月
審査モデルの更なる精度向上と審査プロセスの効率化のため、DataRobot Japan㈱のAIを導入した高精度な審査モデルの運用を開始
2025年10月
㈱BCJ-53が旧NSグループ㈱を吸収合併し、NSグループ㈱に商号変更

財務データ 

 2024年12月期の事業売上は263億円で、構成比は営業収益別に、新規保証料48.3%更新保証料41.4%その他10.3%となっています。

 前期(24.12)は新規保証料及び更新保証料が順調に伸長し、前期比で売上は10%増最終は57億円で着地しました。

 今期(25.12)は営業体制の更なる強化により、新規保証料、更新保証料の各保証料収入の成長を見込むとともに、集金代行手数料収入及び新たな周辺ビジネスの拡大によるその他の手数料収入の増加を見込んでおり、売上は13%増最終は57億円を見込んでいます。1株利益は109.53円配当は32.68円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/122021/122022/122023/122024/12
売上高182204213239263
経常益6683896888
最終益4355595157
純資産187232268229285
総資産239313388706742
※単位は億円、23.12から連結決算

▌営業収益別の売上内訳(2024.12)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している全業種3,637社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が33.5%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が164.3%となっており、やや厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 742 億円売上高 263 億円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 33.5(μ:-449.1 Me:5.7
総資本営業利益率 = 11.9(μ:4.9 Me:5.2
自己資本利益率 = 20(μ:-1.1 Me:7.6
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 164.3(μ:280.7 Me:205.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 164.3(μ:100.2 Me:65.5
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 38.5(μ:54.6 Me:54.9
成長性指標
売上高成長率 = 10(μ:8.9 Me:6.6

※カッコ内の数値は全業種(3,637社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は56,432千株で、株式保有割合は、その他49.9%ベンチャーキャピタル(VC)47.1%経営陣3.0%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
BVアセット㈱41.59%180日
BCPE Say Cayman, L.P.36.97%180日
BCPE Say Cayman2, L.P.10.17%180日
大谷 彰宏3.70%180日
清水 信1.99%
鳳山 一洋0.92%
岩本 祐司0.92%
執行役員、従業員0.74%
執行役員、従業員0.65%
執行役員、従業員0.42%
上記以外1.93%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 56,432千株(2025年11月12日現在)

?

3.049.947.1
1,695.2 千株– 千株28,137.6 千株26,599.4 千株
※新株予約権による潜在株式(4,276.6千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 今回のIPOでは募集株式の全てが売出し株式で、主にベンチャーキャピタル(VC)の株式放出によるものです。初値形成にはかなりネガティブといえます。

 上場する株式の時価総額は826.7億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の41.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は421.6億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。0 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。0 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。26,599,300 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。23,129,900 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。3,469,400 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。26,599,300 株
※売出しは国内16.48百万株及び海外6.65百万株を目処。

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
826.7 億円 億円44.30
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

3.049.96.141.0
※新株予約権による潜在株式(4,276.6千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
SMBC日興証券(主幹事)-%-株
大和証券-%-株
JPモルガン証券-%-株
野村證券-%-株
SBI証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
CONNECT大和-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

10%
個人-本
抽選
裁量
18%
個人-本
抽選
裁量
9%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日11月12日(水)
抽選申込期間12月2日(火)~12月5日(金)
当選発表日12月8日(月)
購入申込期間12月9日(火)~12月12日(金)
上場日12月16日(火)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
1123112411251126112711281129
1130121122123124125126
1271281291210121112121213
1214121512161217121812191220
1221122212231224122512261227

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 家賃保証事業に特段の新規性はなく、注目度は低いといえます。売上はここ数年で着実に伸びており、利益も安定的に確保していることから、事業の安定度はかなり高いです。

▌需給・価格評価

 IPOとしては超大型案件で、株主には投資ファンドが入っており、ロックアップは入っているものの、需給はかなり緩くなることが予想されます。また、募集株式の全てが投資ファンドからの売出しになることもマイナス材料です。今期利益予想によるPERは14.5倍と業種平均12.1倍(その他金融・プライム)と比較してほぼ同水準で、配当利回りは2.1%となっています。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。

期待度評価点
 6.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はその他金融業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はその他金融業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はその他金融業(プライム)の単純PER(25.10末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はその他金融業(プライム)の単純PBR(25.10末時点)。
421.6 億円10.020.014.62.9
その他金融12.10.9
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,585円から+15円(+.9%)高い1,600円と予想します。なお、AI予測値は1,817円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,600円(11/17予想)
+15円 / +.9%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,585円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(11/17計算)

AI予測1,817円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+0.9+14.6+34.8+15.7
(想定価格比)(想定価格比)金融中大型以上

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では23年10月に上場した全保連(5845)の初値騰落率は-3.3%でした。

 今回のIPOと同じ金融業関連に分類されるIPOは2007年以降49件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は67.3%、初値騰落率の平均は+34.8%(中央値+14.3%)となっています。

 また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降169件で、勝率は53.8%、初値騰落率の平均は+15.7%(中央値+1.7%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
全保連-3.3%50.09.7%53.3%
ニッポンインシュア+24.1%13.220.1%28.1%
Casa+2.7%84.412.4%12.3%
ジェイリース+34.5%10.123.0%1.4%

▌金融業のIPO実績
(銀行・証券、金融商品仲介業など)

金融勝率平均騰落率
49
(2007年以降)
67.3
(33件 / 49件)
+34.8
(Me:+14.3 %)

(2025/11/17 現在)

金融業の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
196A MFS2024/6/21-8.0
5845 全保連2023/10/25-3.3
5843 ニッポンインシュア2023/10/3+24.1
5842 インテグラル2023/9/20±0.0
7330 レオス2023/4/25+33.1

金融のIPO騰落率分布

▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)

中大型以上勝率平均騰落率
169
(2016年以降)
53.8
(91件 / 169件)
+15.7
(Me:+1.7 %)

(2025/11/17 現在)

中大型以上の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
429A テクセンド2025/10/16+19.0
438A インフキュリオン2025/10/24-7.1
431A ユーソナー2025/10/17+17.5
414A オーバーラップ2025/10/3-7.1
407A UNICONHD2025/9/26+30.7

中大型以上のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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