アスアの初値は公開価格を48%上回る、今後の株価展望は?

  • 2024/9/26
  •  

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
アスア
初値:1,004 円

 きょう東証グロース市場に新規上場したアスア<246A>は、公開価格と同じ680円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、10時20分頃に公開価格を324円(+47.6%)上回る1,004円で初値をつけました。

 初値を付けた直後から買いが集まり、一時1,286円まで買われるも、その後は売られ、最終的に終値1,069円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は1,072万株でした。

アスア( 246A )

▌株価情報(2024/09/26 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
1,069
+6.5
+65
+57.2
+389
始値高値安値出来高
1,0041,2861,0001,072 万株
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたアスアですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、アスアの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で10~50%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高いほど投資家の『期待』は既に高い状態のため、高値警戒感から上場後は値下がりする可能性が高くなります。

 アスアの初値は公開価格比で+47.6%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で10~50%未満だった234銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+11.4%、中央値(Me)で-10.2%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は40.6%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
234
(2012年以降)
40.6
(95件 / 234件)
+11.4
(Me:-10.2 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7065 ユーピーアール2019/6/12+401.3
4447 ピー・ビーシステ2019/9/12+377.5
3457 ハウスドゥ2015/3/25+343.0
4475 HENNGE2019/10/8+302.3
5254 Arent2023/3/28+299.9

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌コンサルティングの1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 アスアと同じコンサルティングの銘柄(2012年以降上場の39銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+9.9%、中央値(Me)で-28%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は38.5%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは22年6月上場のM&A総合研究所(9552)+373.4%、最も下落したのは22年10月上場のAtlas Technologies(9563)-78.6%です。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
39
(2012年以降)
38.5
(15件 / 39件)
+9.9
(Me:-28 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
9552 M&A総合研究所2022/6/28+373.4
3940 ノムラシステムコ2016/9/16+203.2
7076 名南M&A2019/12/2+160.3
9219 ギックス2022/3/30+136.3
6196 ストライク2016/6/21+117.9

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

1年後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、やや厳しめのパフォーマンスが予想されます。たた、公開価格が低めに設定されていたため、株価に過熱感はありません。

 今期(25.6)予想は、売上は5%増の14.3億円、最終益は2倍の1.4億円となっています。売上はここ数年微増で推移し、今後も大きな成長は期待できませんが、配当が出せるほど利益は安定的に確保しています。初値でPER17.7倍は業種平均25倍(サービス・グロース)と比べてやや割安で、配当利回りは0.5%です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、初値と同程度の1,000円前後で推移していくものと予想します。






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