バルコスの初値は公開価格とほぼ同水準、今後の株価展望は?

  • 2025/2/3
  •  
バルコス上場

★ 祝 名証ネクスト市場上場 ★
バルコス
初値:1,401 円

 きょう名証ネクスト市場に新規上場したバルコス<7790>は、寄り付きと同時に公開価格を1円(+0.1%)上回る1,401円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は買いが集まり、一時1,475円まで買われるも、その後は薄商いの中初値近辺での値動きとなり、最終的に終値1,360円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は6万株でした。

バルコス( 7790 )

▌株価情報(2025/02/03 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
1,360
-2.9
-41
-2.9
-40
始値高値安値出来高
1,4011,4751,3006 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたバルコスですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、バルコスの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値小幅上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0~10%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 バルコスの初値は公開価格比で+0.1%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0~10%未満だった100銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+21.3%、中央値(Me)で+7.6%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は52%と、セカンダリーでは比較的良好なパフォーマンスといえます。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
100
(2012年以降)
52
(52件 / 100件)
+21.3
(Me:+7.6 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4894 クオリプス2023/6/27+497.5
7164 全国保証2012/12/19+280.2
6526 ソシオネクスト2022/10/12+259.3
3465 ケイアイスター不2015/12/24+167.8
6539 MS-Japan2016/12/15+142.5

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌製造・機械関連の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 バルコスと同じ製造・機械関連の銘柄(2012年以降上場の67銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+6.5%、中央値(Me)で-11%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は41.8%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは20年4月上場の松屋アールアンドディ(7317)+610.2%、最も下落したのは18年7月上場のMTG(7806)-83.1%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
67
(2012年以降)
41.8
(28件 / 67件)
+6.5
(Me:-11 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7317 松屋アールアンド2020/4/6+610.2
6526 ソシオネクスト2022/10/12+259.3
7816 スノーピーク2014/12/11+224.1
7811 中本パックス2016/3/3+128.1
7779 CYBERDYN2014/3/26+61.5

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、今後はやや厳しいパフォーマンスとなることが予想されます。

 なお、初値(1,401円)は当サイトの予想(1,450円)とほぼ同水準で、予想通りの結果となりました。また、AIの予測値は2,386円でした。株価は、初値寄り付き直後は値動きがあったもののその後は初値近辺での動きとなり、また、地方市場ということもあって、一日の出来高も6万株とかなりの閑散相場となりました。今後も薄商いが続くことが予想され、値上がりはかなり期待しづらい状況といえます。

 今期(24.12)の業績予想は、前期比で売上高は+27.4%の4,913百万円、最終損益は+203.6%の130百万円となっています。事業内容がバッグなどの皮革商品の販売のため、よほどのヒット商品が出ない限り売上が急激に拡大することは考えづらく、今後も緩やかな拡大か、もしくは横ばいで推移していくこと見込まれます。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率+0.1 %

+3.6+71.7+33.1+179.3
(公開価格比)(公開価格比)製造・機械超小型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER12.3倍と業種平均38.8倍(その他製品/ネクスト)と比べてかなり割安な水準です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、700~1,000円前後で推移していくものと予想します。







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