GMOコマースの初値は公開価格を81%上回る、今後の株価展望は?

  • 2025/9/25
  •  
GMOコマース上場

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
GMOコマース
初値:2,131 円

 きょう東証グロース市場に新規上場したGMOコマース<410a>は、公開価格と同じ1,180円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、11時25分頃に公開価格を951円(+80.6%)上回る2,131円で初値をつけました。

 初値を付けた直後から買いが集まり、一時2,249円まで買われるも、その後は売られ、最終的に終値1,772円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は421万株でした。

GMOコマース( 410A )

▌株価情報(2025/09/25 15:30)

現在値(終値)初値比公開価格比
1,772
-16.8
-359
+50.2
+592
始値高値安値出来高
2,1312,2491,752421 万株
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sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたGMOコマースですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、GMOコマースの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値大幅上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で50~100%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高いほど投資家の『期待』は既に高い状態のため、高値警戒感から上場後は値下がりする可能性が高くなります。

 GMOコマースの初値は公開価格比で+80.6%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で50~100%未満だった166銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+11.8%、中央値(Me)で-24.9%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は35.5%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
166
(2012年以降)
35.5
(59件 / 166件)
+11.8
(Me:-24.9 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
3668 コロプラ2012/12/13+820.2
6544 ジャパンエレベー2017/3/17+396.2
9552 M&A総合研究所2022/6/28+373.4
4485 JTOWER2019/12/18+261.9
6029 アトラ2014/12/16+252.1

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌システムPFの1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 GMOコマースと同じシステムPFの銘柄(2012年以降上場の47銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は-2%、中央値(Me)で-38.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は21.3%と、セカンダリーではかなり厳しい現実となっています。1年後に最も上昇したのは19年10月上場のBASE(4477)+837.7%、最も下落したのは21年3月上場のジーネクスト(4179)-84.7%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
47
(2012年以降)
21.3
(10件 / 47件)
-2
(Me:-38.8 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4477 BASE2019/10/25+837.7
4051 GMOフィナンシャ2020/7/15+285.2
4478 フリー2019/12/17+269.3
4397 チームスピリット2018/8/22+62.8
4449 ギフティ2019/9/20+59.2

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、やや苦しい展開が予想されます。

 なお、初値(2,131円)は当サイトの予想(2,500円)とほぼ同水準で、予想通りの結果となりました。また、AIの予測値は2,497円でした。初値寄り付直後には買いが集まったものの、その後は終始売られる地合いとなり、そのまま取引を終えたことから、短期的には売られやすい展開が続きそうです。

 今期(25.12)の業績予想は、前期比で売上高は+22.1%の2,422百万円、最終損益は+56.8%の342百万円となっています。新たにリリースしたGMOマーケティングコネクトが順調に拡大し、ここ数年は売上・利益ともに右肩上がりで推移していることから、しばらく事業拡大は続いていきそうです。また、終値でPERは20.8倍とそこまで割高感はなく、配当利回りも2.4%あることから、下値は限定的な一方で、値上がり余地は十分ありそうです。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率 +80.6 %

+111.9+111.6+147.1+33.3
(公開価格比)(公開価格比)シスPF中型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER25倍と業種平均29.8倍(サービス業/グロース)と比べてほぼ同水準です。また、配当利回りは2%です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、2,500~3,000円前後で推移していくものと予想します。







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