IACEトラベの初値は公開価格を14%下回る、今後の株価展望は?

  • 2025/4/7
  •  
IACEトラベル上場

★ 祝 東証スタンダード市場上場 ★
IACEトラベル
初値:864 円

 きょう東証スタンダード市場に新規上場したIACEトラベル<343A>は、公開価格と同じ1,000円のウリ気配でスタートし、その後気配値を切り下げ、9時25分頃に公開価格を136円(-13.6%)下回る864円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は売り買い拮抗し、一時994円まで買われるも、その後は換金売りに押され、最終的に終値850円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は122万株でした。

IACEトラベ( 343A )

▌株価情報(2025/04/07 15:30)

現在値(終値)初値比公開価格比
850
-1.6
-14
-15
-150
始値高値安値出来高
864994810122 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたIACEトラベルですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、IACEトラベルの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値公開価格割れの1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 IACEトラベルの初値は公開価格比で-13.6%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0%未満だった153銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+30.4%、中央値(Me)で+8.1%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は56.2%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
153
(2012年以降)
56.2
(86件 / 153件)
+30.4
(Me:+8.1 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4477 BASE2019/10/25+837.7
7317 松屋アールアンド2020/4/6+610.2
9553 マイクロアド2022/6/29+390.4
7094 NexTone2020/3/30+371.1
4480 メドレー2019/12/12+271.7

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌サービス業(その他)の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 IACEトラベルと同じサービス業(その他)の銘柄(2012年以降上場の106銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+11.9%、中央値(Me)で-16.7%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は35.8%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは19年6月上場のユーピーアール(7065)+401.3%、最も下落したのは22年11月上場のウェルプレイド・ライゼスト(9565)-82.1%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
106
(2012年以降)
35.8
(38件 / 106件)
+11.9
(Me:-16.7 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7065 ユーピーアール2019/6/12+401.3
6544 ジャパンエレベー2017/3/17+396.2
7094 NexTone2020/3/30+371.1
6029 アトラ2014/12/16+252.1
9560 プログリット2022/9/29+251.4

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、公開価格割れとなったことでさらなる値下がりリスクは限定的も、株価の大幅上昇はあまり期待はできません。

 なお、初値(864円)は当サイトの予想(1,100円)を下回り、想定より買い需要が弱い結果となりました。また、AIの予測値は1,382円でした。今年2件目の公開価格割れとなり、初値寄り付き後は一時大きく上昇したもののその後はかなり売り込まれたことで、予想以上に敬遠されている印象です。

 今期(25.3)の業績予想は、前期比で売上高は+9.5%の2,651百万円、最終損益は+12.3%の387百万円となっています。BTMサービス(法人向け出張手配等)や海外サービスが好調に推移しており、今期は増収・増益予想も、事業の拡大スピードはやや鈍化しており、成長性にやや不安があります。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率 -13.6 %

+10.0+38.2+46.1+68.3
(公開価格比)(公開価格比)サービス業中小型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER8.5倍と業種平均15.1倍(サービス業/スタンダード)と比べてやや割安な水準です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、800~1,000円前後で推移していくものと予想します。







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