キッズスターの初値は公開価格を14%下回る、今後の株価展望は?

  • 2024/9/26
  •  

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
キッズスター
初値:2,210 円

 きょう東証グロース市場に新規上場したキッズスター<248A>は、公開価格と同じ2,560円のウリ気配でスタートし、その後気配値を切り下げ、9時20分頃に公開価格を350円(-13.7%)下回る2,210円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は売り買い拮抗し、一時2,430円まで買われるも、その後は換金売りに押され、最終的に終値2,300円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は104万株でした。

キッズスター( 248A )

▌株価情報(2024/09/26 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
2,300
+4.1
+90
-10.2
-260
始値高値安値出来高
2,2102,4302,161104 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたキッズスターですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、キッズスターの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値公開価格割れの1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 キッズスターの初値は公開価格比で-13.7%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0%未満だった135銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+33.9%、中央値(Me)で+9.4%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は58.5%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
136
(2012年以降)
58.5
(80件 / 136件)
+33.9
(Me:+9.4 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4477 BASE2019/10/25+837.7
7317 松屋アールアンド2020/4/6+610.2
9553 マイクロアド2022/6/29+390.4
7094 NexTone2020/3/30+371.1
4480 メドレー2019/12/12+271.7

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌情報・通信業(その他)の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 キッズスターと同じ情報・通信業(その他)の銘柄(2012年以降上場の43銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+19.2%、中央値(Me)で+1.3%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は51.2%と、セカンダリーでは比較的良好なパフォーマンスといえます。1年後に最も上昇したのは20年12月上場のENECHANGE(4169)+263.2%、最も下落したのは21年9月上場のセーフィー(4375)-83.6%です。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
43
(2012年以降)
51.2
(22件 / 43件)
+19.2
(Me:+1.3 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4169 ENECHANGE2020/12/23+263.2
4485 JTOWER2019/12/18+261.9
3665 エニグモ2012/7/24+244.6
9419 ワイヤレスゲート2012/7/19+182.8
4483 JMDC2019/12/16+166.8

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

1年後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、比較的良好なパフォーマンスが期待できます。また、初値が公開価格割れとなっていますが、業績的にさらなる値下がりリスクは限定的といえます。

 本日発表された今期(24.8)予想は、売上は17.5%増の90億円、最終益は前期とほぼ同じ1億円となっています。売上の伸びはやや鈍化しているものの、利益は安定的に黒字を確保していることから業績は順調といえます。初値でPER40倍は業種平均76倍(情報通信・グロース)と比べて割安です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、初値から3割程度上昇の2,800円前後で推移していくものと予想します。






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