北里コーポの初値は公開価格を49%上回る、今後の株価展望は?
- 2025/6/25
★ 祝 東証プライム市場上場 ★
北里コーポレーション
初値:2,001 円
きょう東証プライム市場に新規上場した北里コーポレーション<368A>は、公開価格と同じ1,340円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、10時35分頃に公開価格を661円(+49.3%)上回る2,001円で初値をつけました。
初値を付けた直後から買いが集まり、一時2,158円まで買われるも、その後は売られ、最終的に終値1,812円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は1,850万株でした。
北里コーポ( 368A )
▌株価情報(2025/06/25 15:30)
現在値(終値) | 初値比 | 公開価格比 | |||
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始値 | 高値 | 安値 | 出来高 |
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2,001 | 2,158 | 1,810 | 1,850 万株 |
View今後の株価展望
本日初値を付け、無事上場を果たした北里コーポレーションですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。
一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、北里コーポレーションの今後の株価について探っていきます。
類似IPOのセカンダリー状況
▌初値上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で10~50%未満の銘柄対象)
初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高いほど投資家の『期待』は既に高い状態のため、高値警戒感から上場後は値下がりする可能性が高くなります。
北里コーポレーションの初値は公開価格比で+49.3%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で10~50%未満だった256銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+9.3%、中央値(Me)で-10.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は39.8%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
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7065 ユーピーアール | 2019/6/12 | +401.3 % |
4447 ピー・ビーシステ | 2019/9/12 | +377.5 % |
3457 ハウスドゥ | 2015/3/25 | +343.0 % |
4475 HENNGE | 2019/10/8 | +302.3 % |
5254 Arent | 2023/3/28 | +299.9 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
▌製造・機械関連の1年後の株価状況
業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。
北里コーポレーションと同じ製造・機械関連の銘柄(2012年以降上場の68銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+5.7%、中央値(Me)で-11.5%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は41.2%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは20年4月上場の松屋アールアンドディ(7317)で+610.2%、最も下落したのは18年7月上場のMTG(7806)で-83.1%です。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
---|---|---|
7317 松屋アールアンド | 2020/4/6 | +610.2 % |
6526 ソシオネクスト | 2022/10/12 | +259.3 % |
7816 スノーピーク | 2014/12/11 | +224.1 % |
7811 中本パックス | 2016/3/3 | +128.1 % |
7779 CYBERDYN | 2014/3/26 | +61.5 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
今後の株価予想
過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、やや苦しい展開が予想されます。
なお、初値(2,001円)は当サイトの予想(1,500円)を上回り、想定より買い需要が強い結果となりました。また、AIの予測値は1,967円でした。初値寄り付き後は買われたものの直後に売られ、一時下げ渋る場面も見られるも、引けにかけて再び売られたことで、短期的には値下がり圧力の強い展開が続きそうです。
今期(25.3)の業績予想は、前期比で売上高は+2.9%の106億円、最終損益は-7.7%の35億円となっています。人口減少に伴って不妊治療の需要は増加しており、ここ数年売上は緩やかに増加していますが、今期は横ばい予想で、利益も原価や人件費等の影響で減少しており、今後の事業拡大には不透明感があります。ただ、配当利回りが現状で2%以上あるので、値下がりリスクは限定的です。
▌初値騰落率の目安
初値騰落率 ◆ | +49.3 % |
---|
+11.9 % | +46.8 % | +32.8 % | +14.6 % |
(公開価格比) | (公開価格比) | 製造・機械 | 中大型以上 |
▌売上高/最終損益の推移
現在の株価水準は、初値でPER22.9倍と業種平均17.6倍(精密機器/プライム)と比べてやや割高な水準です。また、配当利回りは2%です。
以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、1,500~1,800円前後で推移していくものと予想します。
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