メディックスの初値は公開価格を5%下回る、今後の株価展望は?

  • 2025/3/19
  •  
メディックス上場

★ 祝 東証スタンダード市場上場 ★
メディックス
初値:760 円

 きょう東証スタンダード市場に新規上場したメディックス<331A>は、公開価格と同じ800円のウリ気配でスタートし、その後気配値を切り下げ、9時5分頃に公開価格を40円(-5%)下回る760円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は売り買い拮抗し、一時789円まで買われるも、その後は換金売りに押され、最終的に終値734円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は178万株でした。

メディックス( 331A )

▌株価情報(2025/03/19 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
734
-3.4
-26
-8.3
-66
始値高値安値出来高
760789728178 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたメディックスですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、メディックスの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値公開価格割れの1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 メディックスの初値は公開価格比で-5%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0%未満だった153銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+30.4%、中央値(Me)で+8.1%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は56.2%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
153
(2012年以降)
56.2
(86件 / 153件)
+30.4
(Me:+8.1 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4477 BASE2019/10/25+837.7
7317 松屋アールアンド2020/4/6+610.2
9553 マイクロアド2022/6/29+390.4
7094 NexTone2020/3/30+371.1
4480 メドレー2019/12/12+271.7

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌マーケティングの1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 メディックスと同じマーケティングの銘柄(2012年以降上場の52銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は-28.9%、中央値(Me)で-42.6%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は23.1%と、セカンダリーではかなり厳しい現実となっています。1年後に最も上昇したのは20年3月上場のMacbee Planet(7095)+234.4%、最も下落したのは21年2月上場のWACUL(4173)-82.7%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
52
(2012年以降)
23.1
(12件 / 52件)
-28.9
(Me:-42.6 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7095 Macbee Planet2020/3/31+234.4
9235 売れるネット広告2023/10/23+122.0
7373 アイドマ・ホール2021/6/23+37.9
7351 グッドパッチ2020/6/30+22.0
4197 アスマーク2023/12/4+18.3

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、公開価格割れとなったことでさらなる値下がりリスクは限定的も、株価の大幅上昇はあまり期待はできません。

 なお、初値(760円)は当サイトの予想(900円)を下回り、想定より買い需要が弱い結果となりました。また、AIの予測値は1,489円でした。2025年のIPOで初の公開価格割れとなり、初値寄り付き後も軟調な展開となったことで、予想以上に敬遠されている印象です。

 今期(25.3)の業績予想は、前期比で売上高は+0.1%の4,185百万円、最終損益は+66%の812百万円となっています。ここ数年売上がほぼ横ばいで推移しており、今期の売上も前期並みの予想と、事業の成長性にかなり課題があるといえます。ただ、利益は安定的に確保しており、利益率も高いため、収益力は評価できます。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率-5 %

+12.5+86.1+102.8+34.1
(公開価格比)(公開価格比)マーケティ中型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER7.1倍と業種平均14.2倍(サービス業/スタンダード)と比べてやや割安な水準です。また、配当利回りは1.8%です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、600~900円前後で推移していくものと予想します。







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