ミークの初値は公開価格を6%上回る、今後の株価展望は?

  • 2025/3/21
  •  
ミーク上場

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
ミーク
初値:845 円

 きょう東証グロース市場に新規上場したミーク<332A>は、公開価格と同じ800円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、9時5分頃に公開価格を45円(+5.6%)上回る845円で初値をつけました。

 初値を付けた直後から換金売りに押され、一時下げ渋る場面も見られるも、引けに掛けて一段と売られ、最終的に終値790円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は407万株でした。

ミーク( 332A )

▌株価情報(2025/03/21 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
790
-6.5
-55
-1.3
-10
始値高値安値出来高
845865790407 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたミークですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、ミークの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値小幅上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0~10%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 ミークの初値は公開価格比で+5.6%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0~10%未満だった100銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+21.3%、中央値(Me)で+7.6%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は52%と、セカンダリーでは比較的良好なパフォーマンスといえます。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
100
(2012年以降)
52
(52件 / 100件)
+21.3
(Me:+7.6 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4894 クオリプス2023/6/27+497.5
7164 全国保証2012/12/19+280.2
6526 ソシオネクスト2022/10/12+259.3
3465 ケイアイスター不2015/12/24+167.8
6539 MS-Japan2016/12/15+142.5

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌システムPFの1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 ミークと同じシステムPFの銘柄(2012年以降上場の44銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+0.9%、中央値(Me)で-42%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は22.7%と、セカンダリーではかなり厳しい現実となっています。1年後に最も上昇したのは19年10月上場のBASE(4477)+837.7%、最も下落したのは21年3月上場のジーネクスト(4179)-84.7%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
44
(2012年以降)
22.7
(10件 / 44件)
+0.9
(Me:-42 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4477 BASE2019/10/25+837.7
4051 GMOフィナンシャ2020/7/15+285.2
4478 フリー2019/12/17+269.3
4397 チームスピリット2018/8/22+62.8
4449 ギフティ2019/9/20+59.2

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、やや厳しい展開が予想されます。

 なお、初値(845円)は当サイトの予想(1,000円)を下回り、想定より買い需要が弱い結果となりました。また、AIの予測値は1,895円でした。初値が予想より低く、初値寄り付き後も軟調な展開となったことで、予想以上に敬遠されている印象です。

 今期(25.3)の業績予想は、前期比で売上高は+3.2%の5,545百万円、最終損益は+0.4%の545百万円となっています。ここ数年売上は減少傾向で、今期の売上も前期並みの予想と、事業の成長性にかなり課題があるといえます。ただ、利益は安定的に確保しており、利益率も比較的高いため、収益力に安心感はあります。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率+5.6 %

+25.0+136.9+152.3+34.1
(公開価格比)(公開価格比)シスPF中型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER15.1倍と業種平均72.2倍(情報・通信業/グロース)と比べてかなり割安な水準です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、700~1,000円前後で推移していくものと予想します。







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