ミライロの初値は公開価格を145%上回る、今後の株価展望は?

  • 2025/3/25
  •  
ミライロ上場

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
ミライロ
初値:661 円

 24日に東証グロース市場に新規上場し、上場初日はカイ気配のまま取引を終えたミライロ<335A>は、上場2日目のこの日もカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、9時10分頃に公開価格を391円(+144.8%)上回る661円で初値をつけました。

 初値を付けた直後から買いが殺到し、一気にストップ高となる761円まで買われ、以降はストップ高に張り付き、そのまま上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は313万株でした。

ミライロ( 335A )

▌株価情報(2025/03/25 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
761
+15.1
+100
+181.9
+491
始値高値安値出来高
661761661313 万株
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sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたミライロですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、ミライロの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値高騰の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で100~200%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が公開価格割れや予想以上に低い場合には、投資家の『期待』は薄い一方で、安値安心感から上場後は上昇していく可能性が高まります。

 ミライロの初値は公開価格比で+144.8%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で100~200%未満だった220銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は-8.1%、中央値(Me)で-35.5%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は26.4%と、セカンダリーではかなり厳しい現実となっています。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
220
(2012年以降)
26.4
(58件 / 220件)
-8.1
(Me:-35.5 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
3692 FFRI2014/9/30+752.6
2931 ユーグレナ2012/12/20+696.6
6541 グレイステクノロ2016/12/21+501.8
4880 セルソース2019/10/28+297.0
4051 GMOフィナンシャ2020/7/15+285.2

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌情報・通信業(その他)の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 ミライロと同じ情報・通信業(その他)の銘柄(2012年以降上場の46銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+18.1%、中央値(Me)で-0.6%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は50%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは20年12月上場のENECHANGE(4169)+263.2%、最も下落したのは21年9月上場のセーフィー(4375)-83.6%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
46
(2012年以降)
50
(23件 / 46件)
+18.1
(Me:-0.6 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4169 ENECHANGE2020/12/23+263.2
4485 JTOWER2019/12/18+261.9
3665 エニグモ2012/7/24+244.6
9419 ワイヤレスゲート2012/7/19+182.8
4483 JMDC2019/12/16+166.8

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、厳しい展開も予想されますが、公開価格が極めて低かったことで結果的に初値騰落率が高めになった部分もあるため、初値自体にそこまで過熱感はありません。

 なお、初値(661円)は当サイトの予想(350円)を大幅に上回り、予想以上に人気化しました。また、AIの予測値は566円でした。初値は予想より高かったものの、初値寄り付き後も一気にストップ高まで買われたことで、短期的には買い需要の強い展開が続きそうです。

 今期(25.9)の業績予想は、前期比で売上高は+24.1%の880百万円、最終損益は-41.4%の104百万円となっています。ここ数年売上は緩やかな増加傾向で推移しており、今期も増収予想となっています。利益も安定的に確保しており、収益力はまずまず評価できます。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率 +144.8 %

+29.6+109.6+78.0+123.2
(公開価格比)(公開価格比)情報・通信小型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER55倍と業種平均72.2倍(情報・通信業/グロース)と比べて割安な水準です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、600~900円前後で推移していくものと予想します。







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