MFSの初値は公開価格を8%下回る、今後の株価展望は?

  • 2024/6/21
  •  

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
MFS
初値:368 円

 きょう東証グロース市場に新規上場したMFS<196a>は、公開価格と同じ400円のウリ気配でスタートし、その後気配値を切り下げ、9時10分頃に公開価格を32円(-8%)下回る368円で初値をつけました。

 初値を付けた直後から換金売りに押され、一時321円まで売られるも、その後は持ち直し、最終的に終値345円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は471万株でした。

MFS( 196A )

▌株価情報(2024/06/21 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
345
-6.3
-23
-13.8
-55
始値高値安値出来高
368371321471 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたMFSですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、MFSの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値公開価格割れの1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 MFSの初値は公開価格比で-8%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0%未満だった128銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+36.3%、中央値(Me)で+9.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は59.4%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
128
(2012年以降)
59.4
(76件 / 128件)
+36.3
(Me:+9.8 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4477 BASE2019/10/25+837.7
7317 松屋アールアンド2020/4/6+610.2
9553 マイクロアド2022/6/29+390.4
7094 NexTone2020/3/30+371.1
4480 メドレー2019/12/12+271.7

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率


▌金融業の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 MFSと同じ金融業の銘柄(2012年以降上場の31銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+30.1%、中央値(Me)で+9.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は58.1%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。1年後に最も上昇したのは12年12月上場の全国保証(7164)+280.2%、最も下落したのは21年6月上場のアイ・パートナーズフィナンシャル(7345)-73.2%です。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
31
(2012年以降)
58.1
(18件 / 31件)
+30.1
(Me:+9.8 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7164 全国保証2012/12/19+280.2
7386 ジャパンワランテ2022/6/23+203.2
5836 エージェント・イ2022/12/22+135.1
7388 FPパートナー2022/9/22+109.8
7185 ヒロセ通商2016/3/18+95.3

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率


1年後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、今後の株価は比較的ポジティブな展開になりそうです。公開価格が低い上に初値も公開価格割れとなったことで株価はかなり低い水準のため、損失額は限定的な一方で、上昇余地は十分にありそうです。

 本日発表された今期(24.6)の業績予想では、売上22%増、最終損失は△127百万円と前期(△149)から赤字縮小です。今後の注目点は黒字転換時期になりますが、来期(25.6)が黒字転換予想となれば株価は一気に上昇していくものと思われます。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、初値から2倍程度の700円前後まで上昇していくものと予想します。

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