ムービンの初値は公開価格を20%上回る、今後の株価展望は?
- 2025/10/7
★ 祝 東証グロース市場上場 ★
ムービン・ストラテジック・キャリア
初値:2,502 円
きょう東証グロース市場に新規上場したムービン・ストラテジック・キャリア<421A>は、公開価格と同じ2,080円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、9時40分頃に公開価格を422円(+20.3%)上回る2,502円で初値をつけました。
初値を付けた直後は買いが集まり、一時2,735円まで買われるも、直後に大きく売られ、その後は初値をやや上回る水準で推移し、最終的に終値2,520円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は310万株でした。
ムービン( 421A )
▌株価情報(2025/10/06 15:30)
現在値(終値) | 初値比 | 公開価格比 | |||
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始値 | 高値 | 安値 | 出来高 |
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2,502 | 2,735 | 2,491 | 310 万株 |
View今後の株価展望
本日初値を付け、無事上場を果たしたムービン・ストラテジック・キャリアですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。
一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、ムービン・ストラテジック・キャリアの今後の株価について探っていきます。
類似IPOのセカンダリー状況
▌初値上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で10~50%未満の銘柄対象)
初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高いほど投資家の『期待』は既に高い状態のため、高値警戒感から上場後は値下がりする可能性が高くなります。
ムービン・ストラテジック・キャリアの初値は公開価格比で+20.3%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で10~50%未満だった256銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+9.3%、中央値(Me)で-10.8%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は39.8%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
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7065 ユーピーアール | 2019/6/12 | +401.3 % |
4447 ピー・ビーシステ | 2019/9/12 | +377.5 % |
3457 ハウスドゥ | 2015/3/25 | +343.0 % |
4475 HENNGE | 2019/10/8 | +302.3 % |
5254 Arent | 2023/3/28 | +299.9 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
▌人材派遣・採用の1年後の株価状況
業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。
ムービン・ストラテジック・キャリアと同じ人材派遣・採用の銘柄(2012年以降上場の51銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は-6.5%、中央値(Me)で-32.6%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は31.4%と、セカンダリーではかなり厳しい現実となっています。1年後に最も上昇したのは19年12月上場のメドレー(4480)で+271.7%、最も下落したのは19年10月上場のジェイック(7073)で-76.5%です。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
---|---|---|
4480 メドレー | 2019/12/12 | +271.7 % |
4490 ビザスク | 2020/3/10 | +158.4 % |
6198 キャリア | 2016/6/27 | +152.8 % |
6539 MS-Japan | 2016/12/15 | +142.5 % |
6538 キャリアインデッ | 2016/12/14 | +119.8 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
今後の株価予想
過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、やや厳しいフォーマンスとなる可能性があります。
なお、初値(2,502円)は当サイトの予想(2,500円)とほぼ同水準で、予想通りの結果となりました。また、AIの予測値は2,856円でした。初値寄り付き直後はマーケット全体の強い買い需要の影響で大きく買われたものの、直後には初値近辺まで売り戻され、その後は初値をやや上回る水準で推移したことから、短期的には売り優勢の展開が続きそうです。
今期(25.12)の業績予想は、前期比で売上高は+46.6%の3,500百万円、最終損益は+74.9%の1,007百万円となっています。前年までは売上が頭打ちとなっていたものの、今期(25.12)はキャリアアドバイザーの増員と転職支援単価の上昇で売上を大きく伸ばす予想となっており、今後もこの勢いで収益拡大できるのであれば成長性は高いといえますが、やや未知数な部分もあります。利益については、一貫して黒字で推移しており、利益率も高いことから、収益力はかなり高いです。
▌初値騰落率の目安
初値騰落率 ◆ | +20.3 % |
---|
+20.2 % | +37.3 % | +78.8 % | +33.3 % |
(公開価格比) | (公開価格比) | 人材 | 中型 |
▌売上高/最終損益の推移
現在の株価水準は、初値でPER20倍と業種平均31.8倍(サービス業/グロース)と比べて割安な水準です。
以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、2,000~3,000円前後で推移していくものと予想します。
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