技術承継の初値は公開価格を35%上回る、今後の株価展望は?

  • 2025/2/5
  •  
技術承継機構上場

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
技術承継機構
初値:2,700 円

 きょう東証グロース市場に新規上場した技術承継機構<319A>は、公開価格と同じ2,000円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、10時5分頃に公開価格を700円(+35%)上回る2,700円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は買いが集まり、その後は売り買い拮抗するも後場に入り再び買われ、一気にストップ高の3,200円まで上昇すると、そのまま上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は387万株でした。

技術承継( 319A )

▌株価情報(2025/02/05 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
3,200
+18.5
+500
+60
+1,200
始値高値安値出来高
2,7003,2002,700387 万株
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sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たした技術承継機構ですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、技術承継機構の今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で10~50%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高いほど投資家の『期待』は既に高い状態のため、高値警戒感から上場後は値下がりする可能性が高くなります。

 技術承継機構の初値は公開価格比で+35%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で10~50%未満だった247銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+10.8%、中央値(Me)で-10.2%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は40.5%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
247
(2012年以降)
40.5
(100件 / 247件)
+10.8
(Me:-10.2 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7065 ユーピーアール2019/6/12+401.3
4447 ピー・ビーシステ2019/9/12+377.5
3457 ハウスドゥ2015/3/25+343.0
4475 HENNGE2019/10/8+302.3
5254 Arent2023/3/28+299.9

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌素材・資材関連の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 技術承継機構と同じ素材・資材関連の銘柄(2012年以降上場の63銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+19.1%、中央値(Me)で+3.5%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は52.4%と、セカンダリーでは比較的良好なパフォーマンスといえます。1年後に最も上昇したのは15年12月上場のインベスターズクラウド(1435)+166.4%、最も下落したのは13年6月上場のリプロセル(4978)-74.1%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
63
(2012年以降)
52.4
(33件 / 63件)
+19.1
(Me:+3.5 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
1435 インベスターズク2015/12/3+166.4
7940 ウェーブロックホ2017/4/10+141.0
4934 プレミアアンチエ2020/10/28+139.4
1449 FUJIジャパン2018/12/13+134.4
4248 竹本容器2014/12/17+126.5

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、比較的良好なパフォーマンスが期待できます。

 なお、初値(2,700円)は当サイトの予想(2,600円)とほぼ同水準で、予想通りの結果となりました。また、AIの予測値は2,501円でした。株価は初値を終日割り込まずストップ高で取引を終えたことから、しばらくは強い買い需要に支えられ、大きく上昇してくことが予想されます。

 今期(24.12)の業績予想は、前期比で売上高は+17.9%の11,000百万円、最終損益は-46.7%の860百万円となっています。中小企業の技術承継を目的とした企業買収で事業を拡大してきており、昨今の慢性的な後継者不足の状況を踏まえれば、今後も事業規模は拡大していくものと予想されます。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率+35 %

+30.0+25.1+26.3+34.0
(公開価格比)(公開価格比)素材・資材中型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER24.8倍と業種平均10.5倍(金属製品/グロース)と比べてやや割高な水準です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、4,000~5,000円前後で推移していくものと予想します。







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