オーバラップの初値は公開価格を7%下回る、今後の株価展望は?
- 2025/10/3
★ 祝 東証グロース市場上場 ★
オーバーラップHD
初値:1,533 円
きょう東証グロース市場に新規上場したオーバーラップHD<414A>は、公開価格と同じ1,650円のウリ気配でスタートし、その後気配値を切り下げ、9時5分頃に公開価格を117円(-7.1%)下回る1,533円で初値をつけました。
初値を付けた直後は売り買い拮抗し、一時1,590円まで買われるも、その後は換金売りに押され、最終的に終値1,345円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は464万株でした。
オーバラップ( 414A )
▌株価情報(2025/10/03 15:30)
現在値(終値) | 初値比 | 公開価格比 | |||
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始値 | 高値 | 安値 | 出来高 |
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1,533 | 1,590 | 1,336 | 464 万株 |
View今後の株価展望
類似IPOのセカンダリー状況
▌初値公開価格割れの1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0%未満の銘柄対象)
初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。
オーバーラップHDの初値は公開価格比で-7.1%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0%未満だった155銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+29.4%、中央値(Me)で+7.6%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は55.5%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
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4477 BASE | 2019/10/25 | +837.7 % |
7317 松屋アールアンド | 2020/4/6 | +610.2 % |
9553 マイクロアド | 2022/6/29 | +390.4 % |
7094 NexTone | 2020/3/30 | +371.1 % |
4480 メドレー | 2019/12/12 | +271.7 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
▌情報・通信業(その他)の1年後の株価状況
業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。
オーバーラップHDと同じ情報・通信業(その他)の銘柄(2012年以降上場の48銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+15%、中央値(Me)で-5.4%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は47.9%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは20年12月上場のENECHANGE(4169)で+263.2%、最も下落したのは21年9月上場のセーフィー(4375)で-83.6%です。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
---|---|---|
4169 ENECHANGE | 2020/12/23 | +263.2 % |
4485 JTOWER | 2019/12/18 | +261.9 % |
3665 エニグモ | 2012/7/24 | +244.6 % |
9419 ワイヤレスゲート | 2012/7/19 | +182.8 % |
4483 JMDC | 2019/12/16 | +166.8 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
今後の株価予想
過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、比較的良好なパフォーマンスが期待できます。
なお、初値(1,533円)は当サイトの予想(2,100円)を下回り、想定より買い需要が弱い結果となりました。また、AIの予測値は2,208円でした。初値寄り付き直後は買われたものの、その後は換金売りに押され、終値で初値から10%超の下落となったことを踏まえると、短期的には売り圧力の強い展開が続きそうです。
今期(25.8)の業績予想は、前期比で売上高は+2.4%の8,601百万円、最終損益は+79.6%の2,060百万円となっています。ビジネスモデルとしては、ライトノベルからコミックス、そしてアニメ化というメディアミックスを通じて自社IPの売上を稼いでいくもので、ヒット作を出せるかどうかが今後の成長のカギになってきます。現状では緩やかな増収傾向で、利益も安定的に確保し、利益率も比較的高いことから、事業基盤は安定しています。
▌初値騰落率の目安
初値騰落率 ◆ | -7.1 % |
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+27.3 % | +33.8 % | +77.5 % | +15.2 % |
(公開価格比) | (公開価格比) | 情報・通信 | 中大型以上 |
▌売上高/最終損益の推移
現在の株価水準は、初値でPER14.9倍と業種平均65.0倍(情報・通信業/グロース)と比べてかなり割安な水準です。また、配当は未定ながらも、配当性向35%を掲げているため、今期の1株利益予想(103円)に基づくと、1株当たり配当は36円(年間)、初値の配当利回りは2.3%程度が期待できます。
以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、1,500~2,000円前後で推移していくものと予想します。
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