パパネッツの初値は公開価格を19%上回る、今後の株価展望は?

  • 2025/3/21
  •  
パパネッツ上場

★ 祝 福証Q-board市場上場 ★
パパネッツ
初値:830 円

 きょう福証Q-board市場に新規上場したパパネッツ<9388>は、公開価格と同じ700円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、9時40分頃に公開価格を130円(+18.6%)上回る830円で初値をつけました。

 初値を付けた直後から換金売りに押され、一時下げ渋る場面も見られるも、引けに掛けて一段と売られ、最終的に終値980円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は17万株でした。

パパネッツ( 9388 )

▌株価情報(2025/03/21 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
980
+18.1
+150
+40
+280
始値高値安値出来高
83098082717 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたパパネッツですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、パパネッツの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で10~50%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高いほど投資家の『期待』は既に高い状態のため、高値警戒感から上場後は値下がりする可能性が高くなります。

 パパネッツの初値は公開価格比で+18.6%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で10~50%未満だった247銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+10.8%、中央値(Me)で-10.2%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は40.5%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
247
(2012年以降)
40.5
(100件 / 247件)
+10.8
(Me:-10.2 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7065 ユーピーアール2019/6/12+401.3
4447 ピー・ビーシステ2019/9/12+377.5
3457 ハウスドゥ2015/3/25+343.0
4475 HENNGE2019/10/8+302.3
5254 Arent2023/3/28+299.9

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌サービス業(その他)の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 パパネッツと同じサービス業(その他)の銘柄(2012年以降上場の106銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+11.9%、中央値(Me)で-16.7%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は35.8%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは19年6月上場のユーピーアール(7065)+401.3%、最も下落したのは22年11月上場のウェルプレイド・ライゼスト(9565)-82.1%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
106
(2012年以降)
35.8
(38件 / 106件)
+11.9
(Me:-16.7 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
7065 ユーピーアール2019/6/12+401.3
6544 ジャパンエレベー2017/3/17+396.2
7094 NexTone2020/3/30+371.1
6029 アトラ2014/12/16+252.1
9560 プログリット2022/9/29+251.4

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、やや難しい展開が予想されます。

 なお、初値(830円)は当サイトの予想(720円)を上回り、想定より買い需要が強い結果となりました。また、AIの予測値は978円でした。初値が予想より高く、初値寄り付き後も薄商いながらも買いを集め、ストップ高で取引を終えたことから、短期的には買い需要の強い展開が続きそうです。

 今期(25.2)の業績予想は、前期比で売上高は+11.4%の5,004百万円、最終損益は-8.5%の215百万円となっています。ここ数年売上は緩やかな増加傾向で推移しており、今期も増収予想となっています。利益も安定的に確保しており、利益率もかなり高いため、収益力は評価できます。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率 +18.6 %

+2.9+39.7+46.3+177.4
(公開価格比)(公開価格比)サービス業超小型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER6.2倍と業種平均29.8倍(サービス業/グロース)と比べてかなり割安な水準です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、1,000~1,300円前後で推移していくものと予想します。







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