PRISMBioの初値は公開価格を9%上回る、今後の株価展望は?
- 2024/7/2
★ 祝 東証グロース市場上場 ★
PRISM BioLab
初値:489 円
きょう東証グロース市場に新規上場したPRISM BioLab<206A>は、公開価格と同じ450円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、9時15分頃に公開価格を39円(+8.7%)上回る489円で初値をつけました。
初値を付けた直後から買いが殺到し、一気にストップ高となる569円まで買われ、以降はストップ高に張り付き、そのまま上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は294万株でした。
RISMBio( 206A )
▌株価情報(2024/07/02 15:00)
現在値(終値) | 初値比 | 公開価格比 | |||
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始値 | 高値 | 安値 | 出来高 |
---|---|---|---|
489 | 569 | 489 | 294 万株 |
View今後の株価展望
本日初値を付け、無事上場を果たしたPRISM BioLabですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。
一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、PRISM BioLabの今後の株価について探っていきます。
類似IPOのセカンダリー状況
▌初値小幅上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0~10%未満の銘柄対象)
初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。
PRISM BioLabの初値は公開価格比で+8.7%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0~10%未満だった95銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+17.5%、中央値(Me)で+8.1%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は52.6%と、セカンダリーでは比較的良好なパフォーマンスといえます。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
---|---|---|
7164 全国保証 | 2012/12/19 | +280.2 % |
6526 ソシオネクスト | 2022/10/12 | +259.3 % |
3465 ケイアイスター不 | 2015/12/24 | +167.8 % |
6539 MS-Japan | 2016/12/15 | +142.5 % |
9219 ギックス | 2022/3/30 | +136.3 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
▌医薬品関連の1年後の株価状況
業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。
PRISM BioLabと同じ医薬品関連の銘柄(2012年以降上場の23銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は-10.3%、中央値(Me)で-38%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は21.7%と、セカンダリーではかなり厳しい現実となっています。1年後に最も上昇したのは19年10月上場のセルソース(4880)で+297.0%、最も下落したのは13年12月上場のオンコリスバイオファーマ(4588)で-75.8%です。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
---|---|---|
4880 セルソース | 2019/10/28 | +297.0 % |
4584 ジーンテクノサイ | 2012/11/30 | +115.9 % |
4594 グリーンペプタイ | 2015/10/22 | +56.5 % |
4597 ソレイジア・ファ | 2017/3/24 | +32.0 % |
4593 ヘリオス | 2015/6/16 | +19.9 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
1年後の株価予想
過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、今後の株価も難しい展開になりそうです。ただ、公開価格が低かったことで初値がかなり低い水準のため、セカンダリーで買って仮に値下がりしても、損失額は限定的です。
本日発表された今期(24.9)の予想は、売上は2.7倍の3億円、最終赤字は△11.6億円に拡大予想(前期△5.3)となっています。現状の売上はパイプラインのマイルストン達成に応じた収入だけのため、早期の黒字化などは期待できません。ただ、会社目標では年に2件程度の新規契約を目指すとしていますので、これら契約の一時金受取で売上が増加する可能性はあります。
以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、初値から同程度の500円前後で推移していくものと予想します。
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