シマダヤの初値は公開価格を6%下回る、今後の株価展望は?

  • 2024/10/1
  •  

★ 祝 東証スタンダード市場上場 ★
シマダヤ
初値:1,760 円

 きょう東証スタンダード市場に新規上場したシマダヤ<250A>は、公開価格と同じ1,880円のウリ気配でスタートし、その後気配値を切り下げ、9時10分頃に公開価格を120円(-6.4%)下回る1,760円で初値をつけました。

 初値を付けた直後は売り買い拮抗し、一時1,840円まで買われるも、その後は換金売りに押され、最終的に終値1,667円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は156万株でした。

シマダヤ( 250A )

▌株価情報(2024/10/01 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
1,667
-5.3
-93
-11.3
-213
始値高値安値出来高
1,7601,8401,667156 万株
?

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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたシマダヤですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、シマダヤの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値公開価格割れの1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。

 シマダヤの初値は公開価格比で-6.4%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0%未満だった135銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+33.9%、中央値(Me)で+9.4%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は58.5%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
136
(2012年以降)
58.5
(80件 / 136件)
+33.9
(Me:+9.4 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4477 BASE2019/10/25+837.7
7317 松屋アールアンド2020/4/6+610.2
9553 マイクロアド2022/6/29+390.4
7094 NexTone2020/3/30+371.1
4480 メドレー2019/12/12+271.7

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌食品業の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 シマダヤと同じ食品業の銘柄(2012年以降上場の15銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+66.2%、中央値(Me)で+3.6%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は60%と、セカンダリーではかなり良好なパフォーマンスが期待できます。1年後に最も上昇したのは12年12月上場のユーグレナ(2931)+696.6%、最も下落したのは14年12月上場のフルッタフルッタ(2586)-75.8%です。

candlestick_chart初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
15
(2012年以降)
60
(9件 / 15件)
+66.2
(Me:+3.6 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
2931 ユーグレナ2012/12/20+696.6
2884 ヨシムラ・フード2016/3/4+164.9
2932 STIフードホー2020/9/25+112.2
2585 ライフドリンクカ2021/12/21+103.0
1384 ホクリヨウ2015/2/20+77.7

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

1年後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、比較的良好なパフォーマンスが期待できます。また、初値が公開価格割れとなったことで値下がりリスクは低く、一般的に食品銘柄のボラティリティは小さいため、今後は安定したパフォーマンスが期待できます。

 今期(25.3)予想は、売上は1.6%増の396億円、最終益は81.5%増の21億円となっています。事業内容的に売上の大きな成長は難しいですが、利益率は高く、収益基盤は盤石といえます。初値でPER13倍は業種平均17.2倍(食品・スタンダード)と比べて割安で、配当利回り2.3%は魅力的です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、初値と同程度の1,800円前後で推移していくものと予想します。






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