VPJの初値は公開価格を113%上回る、今後の株価展望は?
- 2025/3/26
★ 祝 東証グロース市場上場 ★
ビジュアル・プロセッシング・ジャパン
初値:3,040 円
きょう東証グロース市場に新規上場したビジュアル・プロセッシング・ジャパン<334A>は、公開価格と同じ1,430円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、13時25分頃に公開価格を1,610円(+112.6%)上回る3,040円で初値をつけました。
初値を付けた直後から換金売りに押され、一時下げ渋る場面も見られるも、引けに掛けて一段と売られ、最終的に終値2,345円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は294万株でした。
VPJ( 334A )
▌株価情報(2025/03/25 15:00)
現在値(終値) | 初値比 | 公開価格比 | |||
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始値 | 高値 | 安値 | 出来高 |
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3,040 | 3,050 | 2,345 | 294 万株 |
View今後の株価展望
本日初値を付け、無事上場を果たしたビジュアル・プロセッシング・ジャパンですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。
一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、ビジュアル・プロセッシング・ジャパンの今後の株価について探っていきます。
類似IPOのセカンダリー状況
▌初値高騰の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で100~200%未満の銘柄対象)
初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が公開価格割れや予想以上に低い場合には、投資家の『期待』は薄い一方で、安値安心感から上場後は上昇していく可能性が高まります。
ビジュアル・プロセッシング・ジャパンの初値は公開価格比で+112.6%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で100~200%未満だった220銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は-8.1%、中央値(Me)で-35.5%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は26.4%と、セカンダリーではかなり厳しい現実となっています。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
---|---|---|
3692 FFRI | 2014/9/30 | +752.6 % |
2931 ユーグレナ | 2012/12/20 | +696.6 % |
6541 グレイステクノロ | 2016/12/21 | +501.8 % |
4880 セルソース | 2019/10/28 | +297.0 % |
4051 GMOフィナンシャ | 2020/7/15 | +285.2 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
▌業務効率の1年後の株価状況
業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。
ビジュアル・プロセッシング・ジャパンと同じ業務効率の銘柄(2012年以降上場の27銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+13.8%、中央値(Me)で-15.3%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は37%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは16年12月上場のグレイステクノロジー(6541)で+501.8%、最も下落したのは21年11月上場のPhotosynth(4379)で-76.5%です。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
---|---|---|
6541 グレイステクノロ | 2016/12/21 | +501.8 % |
3962 チェンジ | 2016/9/27 | +173.7 % |
4371 コアコンセプト・ | 2021/9/22 | +125.2 % |
4428 リンク | 2018/12/25 | +120.2 % |
6182 ロゼッタ | 2015/11/19 | +111.0 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
今後の株価予想
過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、厳しい展開が予想されます。
なお、初値(3,040円)は当サイトの予想(1,800円)を大幅に上回り、予想以上に人気化しました。また、AIの予測値は2,835円でした。初値が予想よりかなり高く、過熱感から初値寄り付き後は一気に売りが殺到したことで、しばらくは調整局面が続きそうです。
今期(25.12)の業績予想は、前期比で売上高は+12.3%の1,356百万円、最終損益は+6.5%の130百万円となっています。ここ数年売上は緩やかな増加傾向で推移しており、今期も増収予想もその伸びは弱く、成長にやや陰りが見られます。ただ、利益は安定的に確保しており、収益基盤は比較的良好といえます。
▌初値騰落率の目安
初値騰落率 ◆ | +112.6 % |
---|
+25.9 % | +98.3 % | +113.1 % | +123.2 % |
(公開価格比) | (公開価格比) | 業務効率 | 小型 |
▌売上高/最終損益の推移
現在の株価水準は、初値でPER37.3倍と業種平均72.2倍(情報・通信業/グロース)と比べてかなり割安な水準です。また、配当利回りは0.5%です。
以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、1.500~2,000円前後で推移していくものと予想します。
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