1年後騰落(テスト)

IPOデータ

update 2026/2/5

 IPOに当選したものの、「初値で売るべきか保有すべきか」迷っていませんか?実は、初値で売るか持ち続けるかで大きく損得が変わることも。本記事では、上場1年後の株価騰落データを徹底分析し、初心者でも迷わず判断できるIPO初値売りの最適戦略を公開します。

1IPOは初値売りが鉄板?

多くの人が悩む「IPO初値売り」の壁 

 IPOに当選した瞬間、多くの初心者は喜びと同時に大きな不安を抱きます。嬉しさからすぐに売りたくなる一方、上場後に株価がさらに上昇するかもしれないという焦りも生まれ、判断は非常に難しくなります。

 この迷いは、多くの場合、感覚やSNS情報だけで決めようとすることに原因があります。初値が高騰するケースや一時的に下落するケースなど、状況は銘柄ごとに大きく異なるため、直感だけで判断すると後悔する可能性が高いのです。

IPO当選後の不安

 本記事では、上場1年後の株価騰落データを用い、いろんな角度から分析することで、「初値売りか保有か」を感覚ではなくデータで判断できる方法を解説します。これにより、初心者でも冷静に戦略を立てられるようになり、迷いを最小限に抑えることが可能です。

分析に使うデータの全体像 

 IPO初値売りが有利か、それとも保有が正解かを判断するには、初値の動きだけを見るのは不十分です。初値と上場1年後の株価を比較し、上場直後の需給による期待と、時間経過後に評価される企業価値との差を明らかにすることで、IPO初値売りに対するより的確な判断が可能になります。

 分析に使用したデータは、2012年から2024年までに上場したIPO銘柄1,109社のうち、上場1年未満で上場廃止となった2銘柄を除いた1,107銘柄です。これらを対象に、年別、時価総額別、配当利回り別、PER別、業種・テーマ別という5つの分析軸から、IPO初値売り後の株価動向を多角的に検証しています。

IPO初値売りの分析

 なお本記事では、上場時の初値と1年後の株価騰落率を「株価パフォーマンス」とし、初値から1年後に株価が上昇した銘柄の割合を「勝率」と表記しています。さらに、株価パフォーマンスの平均値と中央値を算出することで、極端な値に左右されない実態把握を行っています。短期視点の初値売りと中期視点の保有戦略を、データで冷静に比較していきます。

1株価パフォーマンス分析

データで見るIPO初値売りの有効性 

▌上場1年後の株価パフォーマンス

 1,107銘柄の株価パフォーマンスを検証した結果、初値から1年後に株価が上昇した銘柄は414件、下落した銘柄は693件となり、**全体の勝率は約37%**にとどまりました。一方で、株価パフォーマンスの平均値は7.7%とプラスであるものの、中央値は▲17.9%と大きくマイナスです。この差は、一部の大幅上昇銘柄が平均値を押し上げていることを意味しており、IPOを保有し続けた場合、多くの銘柄では1年後に初値を下回っている実態が見えてきます。

 年別に見ると、2012年や2016年、2019年のように平均値・中央値ともに比較的良好な年がある一方、2021年は平均値▲34.44%、中央値▲45.90%と極めて厳しい結果となりました。このように、IPO銘柄が1年後に上昇しているかどうかは銘柄固有の要因だけでなく、その年の市場環境に大きく左右されることが分かります。年別データを無視して一律に「保有が有利」「初値売りが正解」と判断することは、初心者にとって大きなリスクになり得ます。

(2012年~2024年12月に上場した銘柄集計)

上昇:414 下落:693

(1年未満に上場廃止となった2銘柄除く)

?

勝率平均値(μ)中央値(Me)
37.4
7.7
-17.9

【上場年別の株価パフォーマンス】

?

▌初値騰落率別の株価パフォーマンス
※上場時の公開価格から初値までの騰落率

 上場時の初値騰落率別に1年後の株価パフォーマンスを検証すると、初値の上がり方そのものが、その後の成績を大きく左右していることが分かります。初値騰落率が10%未満の銘柄は勝率53.1%、中央値もプラスで、需給の過熱がなく保有したほうが報われやすいゾーンといえます。一方、初値が50%を超えて急騰した銘柄は勝率が3割前後まで低下し、100%超では平均値・中央値ともに大幅マイナスです。このゾーンは期待先行になりやすく、IPO初値売りが有効になりやすいゾーンといえるでしょう。

【初値騰落率別の株価パフォーマンス】

▌時価総額別の株価パフォーマンス
※時価総額 = 「上場時の発行済み株式 × 初値」

 上場時の時価総額別に見ると、初値売り後に株価が伸びやすいゾーンは明確です。特に20億円未満の小型IPOは勝率66.7%、中央値も大きくプラスとなっており、需給の引き締まりや成長余地から初値で売らずに保有したほうが有利になりやすい傾向が見られます。一方、20~300億円の中型ゾーンは中央値がマイナスで推移しており、初値が一巡後に調整しやすい領域です。なお300億円以上の大型IPOは安定感はあるものの上昇余地は限定的で、戦略の見極めが重要になります。

【時価総額別の株価パフォーマンス】

▌配当利回り別の株価パフォーマンス
※配当利回り = 「初値 ÷ 上場時の1株配当予想」

 配当利回り別に見ると、配当の有無が1年後の株価パフォーマンスに大きく影響していることが分かります。配当なしのIPOは勝率32.7%、中央値も大幅マイナスで、期待先行になりやすい傾向があります。一方、配当がある銘柄ほど成績は安定し、特に利回り3%以上では中央値がプラスに転じています。配当は下値を支える要因となり、配当利回りが高いIPOほど初値売り後も保有が報われやすいといえるでしょう。

【配当利回り別の株価パフォーマンス】

▌PER別の株価パフォーマンス
※PER = 「初値 ÷ 上場時のEPS(実績)」

 PER別に検証すると、上場時の割安・割高感が1年後の株価パフォーマンスに強く影響していることが分かります。赤字や高PER銘柄は勝率が3割前後にとどまり、中央値も大幅マイナスで、期待先行になりやすい傾向があります。一方、PER0~10倍の銘柄は勝率67.1%、中央値もプラスで、実力に対して割安に上場したケースが多く、保有が報われやすいゾーンです。PERが低いIPOほど初値売り後も株価が安定しやすいといえるでしょう。

【PER別の株価パフォーマンス】

業種:件数勝率平均値中央値
運輸・公共:1478.6+31.7+36.8
倉庫:475+62.9+82.3
食品:1866.7+83+18.3
飲食:2462.5+26+17.6
金融:3759.5+34.5+10.2
素材・資材:7152.1+17.7+3.9
コンテンツPL:1050+31.9+1.6
製造・機械:7243.1+16.1-8.3
情報・通信業:5242.3+8.5-15.3
小売業:6241.9+2.2-14.4
不動産:5141.2+9.7-9.6
卸売業:3537.1-1.1-9.6
福祉:3036.7+25.5-12.8
業務効率:2934.5+6.8-18.7
業種:件数勝率平均値中央値
コンサル:5034+3.6-30.6
サービス業:12533.6+13.6-22.2
システム開発:9033.3-6.1-24.7
マッチングPL:2133.3+5.4-37.4
情報セキュ:1330.8+72.1-33.1
医薬品:3330.3+11.2-26.7
人材:5429.6-10.2-33.2
ゲーム開発:1729.4+32-29.9
情報サイト:4027.5-19.2-37.9
ビッグデータ:1225+30.8-38.3
システムPL:4825-0.2-39.3
広告・プロモ:5719.3-32.8-39.7
AI:3818.4-18.8-48

(略記 PL:プラットフォーム、セキュ:セキュリティ、プロモ:プロモーション)

















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