初値買いは〇〇が狙い目!?
- 2021/6/12
- IPOセカンダリー
IPO株を初値で買おうとする場合に、一番最初に悩むのが、果たして初値が大きく上昇したIPO株は買うべきか?逆に、初値がさほど上昇しなかったIPO株こそ買うべきなのか?という点です。こうした疑問を抱えたまま、IPO株を何でもかんでも買っていては、おそらく損失を重ねるだけでうまくいきません。
ここではIPO株を初値で買った場合に、その後、株価が初値より上昇しているのか、又は下落しているのか、さらに初値からの平均騰落率はどれくらいかを、初値騰落率(公開価格と初値の騰落率)の水準別に見てきます。
初値買いがうまくいく銘柄は?
IPO株をセカンダリーで買ってうまく稼ぐためには、IPO株の初値の水準とその後の値動きの関係性を知っておくことが非常に重要となります。初値の水準から、その後の値動きをある程度予想することができれば、値動きの大きいIPO株であっても大きな損失を回避しつつ、安定的に稼いでいくことも可能です。なお、今回集計したデータは、2007年から2019年に上場した全865件のうち、2020年末時点で継続して上場している774件を対象にしています。
騰落率200%超の初値買い
▌初値高騰のIPO株は危険?
初値騰落率が200%超の初値が高騰した人気IPO株を初値で買った場合、1ヵ月後には全80件のうち19件が初値より上昇、61件が下落で勝率は23.8%、平均騰落率は-8.9%となっています。勝率は3割に届かず、1ヵ月後の騰落率も大きくマイナスです。1年経っても勝率は26.3%と変わらず、騰落率も-12.0%と悪化しており、初値上昇の反動で上場後は軟調な値動きになるケースが多いようです。これらのIPO株の初値買いは、慎重な判断が必要といえます。
騰落率100~200%の初値買い
▌初値上昇のIPO株は厳選が必要?
初値騰落率が100%~200%以下の初値が大きく上昇したIPO株を初値で買った場合、1ヵ月後には全180件のうち49件が初値より上昇、131件が下落で勝率は27.2%、平均騰落率は-5.6%となっています。勝率は3割に届かず、1ヵ月後の騰落率もマイナスのため、かなり分の悪い投資といえます。1年経っても勝率は27.2%と変わらず、騰落率も-3.3%とマイナスです。これらのIPO株を初値で買う際には、上昇に自信が持てる銘柄に限定するのがいいでしょう。
騰落率50~100%の初値買い
▌初値が平均的なら初値買いはしていい?
初値騰落率が50%~100%以下の平均的な初値騰落率となったIPO株を初値で買った場合、1ヵ月後には全129件のうち36件が初値より上昇、93件が下落で勝率は27.9%、平均騰落率は-6.6%となっています。勝率は3割に届かず、1ヵ月後の騰落率もマイナスのため、かなり分の悪い投資といえます。しかし、1年後には騰落率は10.0%とプラスに改善しているため、投資の勝率を気にしないなら、初値買いとして十分に検討する価値はあります。
騰落率0~50%の初値買い
▌初値買いの狙い目は騰落率0~50%!
初値騰落率が0%~50%以下の初値がおとなしめのIPO株を初値で買った場合、1ヵ月後には全245件のうち104件が初値より上昇、141件が下落で勝率は42.2%、平均騰落率は6.0%となっています。1ヵ月という短期でも騰落率はプラスで、十分に収益が見込めます。また、1年後には勝率は49.0%でほぼ5割に達し、平均騰落率は20.9%とかなりの収益が期待できます。IPOの初値買いをするなら初値騰落率0%~50%以下のIPO株を狙うのか最も効果的といえます。
騰落率0%以下の初値買い
▌公開割れのIPO株はチャンスあり?
初値騰落率が0%以下(公開価格割れ)だったIPO株を初値で買った場合、1ヵ月後には全140件のうち53件が初値より上昇、87件が下落で勝率は37.9%で、平均騰落率は-2.1%となっています。その後、3ヵ月及び6ヵ月を経ても勝率と騰落率に大きな変化はないものの、1年経つと勝率は45.7%に改善し、平均騰落率は16.9%とかなりの高水準。投資期間を1年間で考えると、公開割れのIPO株を買うことは一定の収益が期待できるといえます。