人気IPO株はセカンダリーでも買え!?
- 2021/6/13
- IPOセカンダリー
人気IPO株の初値買いはあり?
ここ数年のIPO市場を最も賑わせているのは、『AI(エーアイ)』や『ビッグデータ』、『クラウド』といった次世代テクノロジーの代名詞ともいえるテーマを持ったIPOです。これらのIPO株は、初値が公開価格比で200%以上になることも多く、初値が高騰しすぎてセカンダリーで買うのをためらってしまうことも多いかと思います。では実際に、これらのテーマ性を持ったIPO株全41銘柄を対象に、初値からの騰落率を確認してみましょう。なお、これらの初値騰落率(公開価格と初値の価格差)の平均は216.0%です。
▌初値買いは1年超でチャンスあり?
『AI』『ビッグデータ』『クラウド』といったテーマを持つIPO株を初値で買った場合、1ヵ月後には全43件のうち13件が初値より上昇、30件が下落で勝率は30.2%、平均騰落率は-1.3%となっています。勝率は3割で、1ヵ月後の騰落率も0近辺で、短期での初値買いは難しそうです。しかし1年経過すると、勝率は変わらないものの、騰落率もは26.3%と大きくプラスに改善しており、初値買いでも十分に投資収益が期待できる水準といえます。
上昇した銘柄、下落した銘柄
初値から1年後に最も上昇したのは、2019年12月に上場したAI insideの騰落率は433.3%、次いでジグソーの377.6%、グレイステクノロジーの376.8%と続きます。特にジグソーの場合、上場から1ヵ月後の騰落率は-34.7%と大きく下落したものの、そこから大きく上昇に転じ、1年後には初値からおよそ3.8倍まで上昇しています。逆に、1年後に最も下落したのは、2007年に上場したインフォテリアの-86.7%、次いでALBERTの-77.2%、ナレッジスイートの-63.9%と続きます。
初値買い騰落率BEST5【1年】
コード | 銘柄名 | 上場日 | 騰落率 |
---|---|---|---|
4488 | AI inside | 2019/12/25 | 433.3% |
3914 | ジグソー | 2015/4/28 | 377.6% |
6541 | グレイステク | 2016/12/21 | 376.8% |
4478 | フリー | 2019/12/17 | 298.8% |
4475 | HENNGE | 2019/10/8 | 282.8% |
初値買い騰落率WORST5【1年】
コード | 銘柄名 | 上場日 | 騰落率 |
---|---|---|---|
3853 | インフォテリア | 2007/6/22 | -86.7% |
3906 | ALBERT | 2015/2/19 | -77.2% |
3999 | ナレッジスイート | 2017/12/18 | -63.9% |
3976 | シャノン | 2017/1/27 | -62.4% |
3690 | ロックオン | 2014/9/17 | -62.2% |
セカンダリーでの戦略は?
初値で大きく上昇した人気銘柄は、上場後も人気そのままにさらに上昇していくこともありますが、初値をピークに大きく値下がりする銘柄も少なくありません。それでもセカンダリーで上昇していく銘柄を見極めることができれば、初値買いでも利益は十分に見込めます。人気銘柄の中でも特に、「ストックビジネス(課金型収益モデルなど)」や「自動化」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に関連した銘柄は、上場後でも上昇している銘柄が多くあります。セカンダリーでも、こうした銘柄を厳選し、勇気を持って投資することできれば、比較的短期間に大きな収益(キャピタルゲイン)を達成することも十分に可能といえます。