IPOセカンダリー

1セカンダリーの基本

IPOセカンダリー投資とは? 

 IPO投資といえば、新たに取引所に上場する予定の株を上場前に公開価格で購入し、初値(上場後に最初に決まる株価)で売却することで、その差額を得る方法が一般的です。この方法は、高確率で高い利益を見込める魅力的な手法である一方で、上場前の株を公開価格で買うには証券会社の大口顧客となって個別に融通してもらうか、そうでない一般の個人投資家は、基本的には各証券会社が行うIPO抽選に申込の上、当選しなくては買うことはできません。しかしながら、人気のIPO銘柄となると、当選確率は非常に低く、IPO投資がしたくてもなかなかできないのが実情です

 それに対して、IPOセカンダリー投資(以下、セカンダリー)では、IPO銘柄を上場後にマーケットにて時価で購入するため、抽選結果に左右されることなく、好きなタイミングで行うことができます。もちろん、公開価格で買って初値で売る一般的な手法と比べるとリスクは高くなりますが、それでもうまくやることで、比較的短期間に十分な利益を得ることができます。

メモ
 証券市場は大きく、新しく発行される証券を投資家が企業などから直接購入する場である「プライマリーマーケット」(発行市場)と、既に発行された証券の売買を行う場である「セカンダリーマーケット」(流通市場)の2種類に分けられます。これに倣ってIPO投資で、株式の発行企業から公開価格で直接取得する「プライマリー投資」と、取引所を通じてマーケットから時価で取得する「セカンダリー投資」の2つの投資手法があります。

セカンダリー投資の特徴 

▌いつでも手軽に投資できる?

 プライマリーでは、ほとんどの投資家はIPOの抽選に参加し、当選しなければ投資はできませんが、セカンダリーでは、通常の株式投資と同様にいつでも自由に取引所で売買できるため、収益チャンスは多くあります。また、IPO抽選の当選確率を上げるために複数の証券会社に口座開設をする必要もなく、口座を一つ持っていればどんなIPO銘柄でも投資することができます。

▌短期間で大きな利益も?

 上場直後のIPO銘柄の値動き(ボラティリティ)は非常に大きく、特に上下に大きく波を打ったような動きになることも多いので、こうした値動きの特徴をうまく利用することで、短期間に大きく稼ぐことができます。もちろん株価が大きく動くということは、それだけ大きな損失を被るリスクも高まりますので注意が必要です。

2セカンダリーの手法

上場初値買い(デイトレ~短期) 

▌機敏な投資判断が必須

 初値買いは、上場後の最初についた株価(初値)で購入する手法です(初値近辺で購入する場合も含む)。人気銘柄では、初値が公開価格の倍以上となるケースも多く、初値で急騰した銘柄がもう一段上昇するタイミングを狙って投資していきます。なお、勢いだけの急騰は長く続かず、一転下落に転じると急落することも多く、適切なリスク管理ができないと大きな損失を被ることもあります

逆張りスイング(短期~スイング) 

▌転換点はダマシも多いので注意

 人気化したIPO銘柄が上昇した後、大きく値を崩すケースがあります。これは、上場まもない株には株価の「節目」がないためで、一旦下落に転じると高値から5割近く下落することもあります。逆張りスイングは、大きく下落した銘柄が再度上昇に転じたタイミングを見計らって投資する手法です。ただし、下落から上昇トレンドに変わる転換点の見極めは難しく、ダマシも多いため、リスク管理は欠かせません

トレンドフォロー(スイング~中長期) 

▌トレンドの見極めが肝

 トレンドフォローとは、相場の流れ(トレンド)を支持(フォロー)することで、株価の大きな流れ(上昇or下落)に乗る順張りのポジションを取る投資手法です。これはIPO銘柄に限らず、一般の株式投資でもよく用いられます。ただし、上場まもないIPO銘柄の場合、移動平均線などトレンドを判断する指標がないため、こうした指標が形成されトレンドがある程度明確になった段階で投資することになります

3セカンダリーの実践

▌GA TECH(1:6株式分割修正済)

 初値買いは、7/25に初値で購入し、初値から2倍を超えて陰線を付けた8/2に売却。逆張りスイングは、上場後の高値から4割以上下落し下髭陰線を付けた翌日8/21に購入し、反転の勢いが弱くなった8/13に売却。トレンドフォローは、5MA(MA:移動平均線)が25MAをクロスして下値固めをしている11/20近辺で購入し、上昇トレンドの勢いが弱くなった12/18近辺で売却。

▌マクアケ

 初値買いは、12/11に初値で購入し、初値から2倍近く上昇して陰線を付けた12/19に売却。逆張りスイングは、上場後の高値から3割近く下落した1/27近辺で購入し、反転の勢いが弱くなった2/6に売却。トレンドフォローは、5MA(MA:移動平均)が25MAをクロスして大きな陽線を付けた4/8に購入し、25MAを下回ってきた段階で売却。

▌JTOWER

 初値買いは、12/18に初値で購入し、初値から2倍を超えて上昇し陰線を付けた1/7に売却。逆張りスイングは、上場後の高値から3割近く下落した1/31近辺で購入し、反転の勢いが弱くなった2/13に売却。トレンドフォローは、5MA(MA:移動平均)が25MAをクロスして大きな陽線を付けた4/9近辺で購入し、25MAを下回ってきた段階で売却。

▌ビザスク

 初値買いは、3/10に初値で購入し、初値から45%を超え陰線を付けた3/12に売却。逆張りスイングは、上場後の高値から5割超下落して下げ止まりの傾向が出てきた4/1近辺で購入し、大きめの上髭陽線を付けた4/20に売却。トレンドフォローは、出来高を伴って5MA(MA:移動平均)が25MAをクロスし7/14近辺で購入し、25MAを下回ってきた段階で売却。

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