投資信託の魅力とは?【投信 vol.5】
- 2022/6/10
- 投資信託
1投資信託とは
「投資信託」は、私たち投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用のプロが株式や債券などに投資・運用する金融商品です。一人ひとりの出すお金がそれほど大きくなくても、数百億円規模の大きな資産にまとめることで、個人で投資するのが難しい国や地域に投資したり、多くの株式や債券に投資するこができます。つまり、投資信託は、運用のプロがいろいろな金融商品などを組み合わせて作った「投資の詰め合わせ(パッケージ)商品」といえます。なお、「投資信託」は、略して「投信」あるいは「ファンド」と呼ぶこともあります。
投資信託の仕組み
投資信託には、投資信託を「作り・運用する人(運用会社)」「売る人(販売会社)」「保管・管理する人(信託銀行)」の3者が関わっています。運用会社が投資信託を作り、それを主に証券会社や銀行、郵便局などを通じて販売することで、多くの投資家からお金を集めます。集めたお金は資産管理を専門とする信託銀行で保管し、運用会社は、集めたお金の投資先を検討した上で、投資の実行を信託銀行に指図します。信託銀行は運用会社の指図を受けて、株や債券などの売買を行います。
つまり投資信託は、「販売」「運用」「管理」に精通した専門の機関が、それぞれの役割を果たすことで成り立つ金融商品といえます。
▌販売会社
投資家と投資信託をつなぐ「窓口」として、投資信託の販売や換金、分配金・償還金の支払いのほか、投資家からの資産運用などの相談にのったりもします。(証券会社、銀行、郵便局など)
▌運用会社
運用会社は、投資信託を作り(設定)、経済・金融などに関するデータを収集・分析しながら、投資家から預かったお金をふやすために最良な投資先を選定し、信託銀行に対して運用を指図します。投資信託において最も重要な役割を果たしています。投資信託の法律上、「委託者」と呼ばれます。
▌信託銀行
信託銀行は、投資家から集めたお金を保管・管理し、運用会社からの指図に従って、株式や債券などの売買や管理を行います。また、信託銀行では、投資家から集めたお金(信託財産)を自社の財産とは区別して保管・管理(分別管理)するなど、金庫番のような役割を果たしています。投資信託の法律上、「受託者」と呼ばれます。
2投資信託の魅力
資産運用における「投資信託」の魅力について、いくつか見ていきましょう。
▌少額で始めることができる
通常、株式投資や債券投資には、まとまったお金が必要になります。株であれば多くが100株単位での売買のため、最低でも数十万円からの購入となりますし、債券の場合は、国債であれば1万円単位から購入できますが、企業の発行する社債は50万円単位での購入となることが多いです。しかし、投資信託であれば、1万円程度から手軽に始めることができます。
▌株式や債券などに分散投資ができる
投資をする際に大切なことは、資産をいくつかの商品に分けてリスクを分散させる「分散投資」です。分散投資は、投資対象を多様化させることで、資産運用に伴う価格変動リスクを低減させて好リターンをめざす有効な方法です。しかし、個人で分散投資をしようとすると、株や債券など多くの資産を購入しなければならず、そのためのお金もたくさん必要となります。ですが、投資信託を購入すれば、さまざまな資産に分散投資し、リスクを軽減することが可能になります。
▌資産運用のプロが運用する
株式や債券などを個人で購入する際には、何を、いつ、どのくらい購入するかなど、投資に関する専門知識や経験が必要となってきますが、それらの知識や経験を個人で身につけるのはなかなか難しいものです。しかし、投資信託は、経済・金融などに精通し運用経験も豊富なファンドマネージャーという投資のプロが運用します。また、投資信託では、個人では買えない、または買いにくい海外の株式や債券、特殊な金融商品などへの投資も可能となります。
▌高い透明性が確保されている
投資信託は、原則として毎日、取引価格となる基準価額が公表されていますので、資産価値の水準や推移が分かりやすく、交付目論見書や運用報告書から運用状況も容易に把握できます。また、投資信託は、監査法人などによる監査を受けているため、透明性も高いといえるでしょう。