IACEトラベル[アイエーシーイートラベル](343A)のIPO情報と初値予想

 IACEトラベル[アイエーシーイートラベル](343A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、IACEトラベル[アイエーシーイートラベル]のIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『クラウド出張手配システム『Smart BTM』の運営および出張マネジメントサービスの提供を中心とする旅行事業』となっています。

会社名IACEトラベル[アイエーシーイートラベル](343A)
所在地東京都中央区日本橋馬喰町一丁目14番5号
設立日1982年2月24日
従業員数145人
業種サービス業

【企業サイト】
IACEトラベル[アイエーシーイートラベル]公式サイト
https://www.iace.co.jp/

事業解説
 BTMサービスは、業務渡航・出張手配に対し、システムソリューションとオペレーター対応によるハイブリッドサービスで包括的にサポートし、『便利・安心・安全』を提供しています。オンライン予約が可能なクラウド出張手配システムを導入することにより、従来の電話やメール中心の渡航手配業務をシステムに置き換えることで、顧客企業の業務効率化に寄与しています。海外手配件数シェア62.6%。

沿革 

IACEトラベル[アイエーシーイートラベル]のトップメッセージ

代表取締役社長執行役員 西澤 重治

 当社は「出張をもっとスマートに ~すべての出張者に便利と安心と安全を提供する~」をミッションに、大企業のみならず、中小企業も含め、日本の企業がもっと世界で活躍する時代の一助となれるよう、『新サービスシステムの開発』に挑戦をしてまいります。

(引用:IACEトラベル[アイエーシーイートラベル]HP
1982年2月
旅行代理店業を目的として東京都千代田区神田神保町に㈱IACEトラベルを設立(代表取締役石黒一光、資本金600万円)運輸大臣登録旅行業代理店業(現東京都知事登録旅行業者代理業)第3272号を取得
1988年2月
資本金を2,400万円に増資
1988年4月
資本金を4,500万円に増資
1989年3月
旅行業全般を取り扱うことを目的として運輸大臣登録一般旅行業(現観光庁長官登録旅行業)第883号取得
1992年4月
本店を東京都千代田区西神田に移転
1992年7月
日本旅行業協会(JATA)加盟
1995年3月
本店を東京都港区浜松町に移転
1995年8月
国際航空運送協会(IATA)の公認代理店に認可。パッケージツアーの取扱開始
1998年10月
米軍基地でのサービス展開の初店舗として、神奈川県横須賀市泊町に米軍横須賀基地支店を開設
1999年12月
本店・本社機能を東京都港区浜松町に統合移転
2000年1月
カナダでの事業展開のためIACE Travel,Incを設立
2003年9月
本店を東京都千代田区猿楽町に移転
2006年2月
プライバシーマークの認証を取得
2008年6月
本店を東京都荒川区西日暮里に移転
2009年4月
官庁でのサービス展開の初店舗として、東京都千代田区に財務省内支店を開設
2009年10月
資本金を8,000万円に増資
2011年8月
本店を東京都中央区日本橋馬喰町に移転
2013年4月
個人顧客向けのツアー販売から、法人顧客向けのBTM(ビジネストラベル・マネジメント)へと主力サービスを移行
2013年8月
メキシコでの事業展開のためIACE TRAVEL MEXICO S.A. DE C.V.を設立
2016年5月
業務拡大及び業務効率向上のため、東京都中央区日本橋馬喰町に本社機能、本店機能、首都圏法人営業部を統合
2017年7月
法人向け24時間アシスタントサービスの運用開始
2021年10月
法人向け海外・国内クラウド出張手配システム「Smart BTM」をリリース
2022年12月
法人向けクラウド出張管理システム「Travel Manager」をリリース
2023年2月
情報セキュリティマネジメントシステム ISMS 認証(ISO/IEC 27001)を取得

財務データ 

 2024年3月期の事業売上は2,421百万円で、構成比はセグメント別に、旅行業100%となっています。

 前期(24.3)は出張需要の回復によるBTMサービスにおける出張手配の取り扱い件数が増加し、前期比で売上は46%増最終は345百万円で着地しました。

 今期(25.3)はBTMサービスにおける月間平均利用企業数の増加により、売上は10%増最終は387百万円を見込んでいます。1株利益は101.93円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/32021/32022/32023/32024/3
売上高6,6627326341,6542,421
経常益315△200△276178428
最終益179△295△282221345
純資産2,3822,0871,8052,0992,462
総資産3,9303,1443,1114,0804,261
※単位は百万円、23.3から連結決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.3)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が17.6%など、やや高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が13.6%となっており、比較的良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 4,261 百万円売上高 2,421 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 17.6(μ:6.7 Me:6.7
総資本営業利益率 = 10(μ:7 Me:7.4
自己資本利益率 = 14(μ:1.3 Me:9.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 219.3(μ:266.4 Me:204.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 13.6(μ:119.6 Me:61.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 57.8(μ:51.6 Me:51.4
成長性指標
売上高成長率 = 46.4(μ:14.3 Me:9.9

※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は3,839千株で、株式保有割合は、経営陣61.4%その他38.6%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
西澤 重治(社長)32.37%180日
灰田 俊也14.98%180日
IACEトラベル従業員持株会12.50%
横田 卓也4.79%180日
浅生田 和人3.75%180日
㈱ビジネスマネジメント3.72%180日
岡部 将朋2.48%180日
瀧上 大輔2.08%180日
岡村 拓樹2.08%180日
小原 竜雄2.08%180日
上記以外19.17%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 3,839千株(2025年2月28日現在)

?

61.438.6
2,355.5 千株– 千株1,483.7 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(39.2千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は81.7%と高く、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはややポジティブといえます。売出し分は、主に経営陣の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は49億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の24.5%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は13.9億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。960,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。960,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。390,900 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。214,700 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。176,200 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。1,350,900 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
49 億円9.9 億円24.781.7
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

44.630.924.5
※新株予約権による潜在株式(39.2千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは東海東京証券が主幹事となっており、割当株数の6%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になるマネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
東海東京証券(主幹事)-%-株
SBI証券-%-株
松井証券-%-株
マネックス証券-%-株
岡三証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
東洋証券-%-株
あかつき証券-%-株
極東証券-%-株
丸三証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

6%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日2月28日(金)
抽選申込期間3月19日(水)~3月26日(水)
当選発表日3月27日(木)
購入申込期間3月28日(金)~4月2日(水)
上場日4月7日(月)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
39310311312313314315
316317318319320321322
323324325326327328329
3303314142434445
46474849410411412

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 企業の出張手配事業に特段の新規性はなく、注目度は低いです。ここ数年は、売上は緩やかな上昇傾向で、利益も安定的に確保しているいことから、収益力は比較的高いといえます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中小型案件で、株主には安定株主しかおらずロックアップも厳しめのため、需給面は良好です。今期利益予想によるPERは10.1倍と業種平均15.1倍(サービス・スタンダード)と比較して割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 7.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(スタンダード)の単純PER(25.1末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(スタンダード)の単純PBR(25.1末時点)。
13.9 億円46.414.014.21.5
サービス業9.99.915.11.2
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,030円から+170円(+16.5%)高い1,200円と予想します。なお、AI予測値は1,434円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,200円(3/2予想)
+170円 / +16.5%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,030円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(3/2計算)

AI予測1,434円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+16.5+39.2+46.1+68.3
(想定価格比)(想定価格比)サービス業中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では17年4月に上場した旅工房(6548)の初値騰落率は+173.7%でした。

 今回のIPOと同じサービス業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降163件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は75.5%、初値騰落率の平均は+46.1%(中央値+26.7%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降228件で、勝率は88.6%、初値騰落率の平均は+68.3%(中央値+51.1%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
旅工房+173.7%7.64.1%50.5%
エボラブルアジア+48.3%19.389.8%43.4%
アドベンチャー+127.2%8.740.6%120.5%

▌サービス業(その他)のIPO実績
(サービス業のうち他に分類されない企業など)

サービス業勝率平均騰落率
163
(2007年以降)
75.5
(123件 / 163件)
+46.1
(Me:+26.7 %)

(2025/3/2 現在)

サービス業(その他)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
324A ブッキングR2025/2/21+25.0
300A MIC2024/12/25±0.0
291A リスキル2024/12/17+29.8
288A ラクサス2024/12/13+51.6
264A Schoo2024/10/22+10.3

サービス業のIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
228
(2016年以降)
88.6
(202件 / 228件)
+68.3
(Me:+51.1 %)

(2025/3/2 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
324A ブッキングR2025/2/21+25.0
302A ビースタイルHD2024/12/27+60.6
298A GVATECH2024/12/26+1.4
300A MIC2024/12/25±0.0
296A 令和AH2024/12/23+44.7

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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