伊澤タオル(365A)のIPO情報と初値予想【初値決定】

 伊澤タオル(365A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、伊澤タオルのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『タオル製品等の企画・製造及び販売』となっています。

会社名伊澤タオル(365A)
所在地東京都渋谷区恵比寿西一丁目26番6号
設立日2021年6月1日
従業員数79人
業種繊維製品

【企業サイト】
伊澤タオル公式サイト
https://www.izawa-towel.com/

事業解説
 「悩んだらこのタオルを買えば間違いない」というタオルのグローバル・スタンダードを創ることをビジョンに掲げ、小売店やキャラクターIP事業者に対してタオル製品の企画・販売を行います。日用品タオルを生産するODM生産が56.6%、キャラクターIP製品が26.5%、EC販売が16.9%で、自社工場を持たず、糸から製品までのタオル製造の全工程を一貫して大規模工場へ委託しています。
伊澤タオルの事業説明
(画像:伊澤タオルHP

沿革 

伊澤タオルのトップメッセージ

代表取締役社長 伊澤 正司

 我が社の考えるイノベーションとは「日々の積み重ね」でしかありません。研究に研究を重ね「タオル」に向き合うことで、イノベーションが生まれ、タオルのスタンダードを作り出せるまでの企業へと成長いたしました。

(引用:伊澤タオルHP
1970年10月
大阪府大阪市住吉区に、伊澤正美が伊沢タオルを創業
1971年4月
大阪府大阪市住吉区に、伊沢タオル㈱を設立
1981年5月
事業拡大のため、東京都品川区に東京営業所を開設
1985年5月
海外生産開始にあたり、100%出資子会社 インタークラフト通商㈱を設立
1998年4月
東京営業所増強のため、東京都港区に移転
2005年9月
紡績及び製造工程に関する技術開発のため、技術開発チームを発足
2014年11月
「タオル研究所」を商標登録
2016年3月
ISO9001、ISO14001を取得
2016年4月
国立大学法人信州大学との共同研究開始、同大学構内に共同研究ラボを開設
2016年6月
海外取引先への販売のため、香港に100%出資子会社 IZAWA TEXTILE CO.,LIMITED を設立
2017年5月
事業拡大のため、東京営業所を東京都渋谷区に移転
2018年2月
事業拡大のため、大阪府大阪市東住吉区に商品検品・検針施設を新設
2018年10月
本社登記を大阪府大阪市から東京都渋谷区へ移転し、「伊沢タオル㈱」から「伊澤タオル㈱」に商号変更
2019年4月
環境負荷低減研究を目的として国立大学法人京都工芸繊維大学との共同研究を開始
2020年7月
東京本社にショールームを開設
2020年10月
コーポレートロゴである「IZAWA TOWEL」を商標登録
2020年10月
事業拡大のため、ハービス OSAKA 東棟「ハービス PLAZA」6Fに大阪ショールームを開設
2021年6月
JAFCOが㈱伊澤タオルHD(現 当社)を設立
2021年8月
㈱伊澤タオルHD(現 当社)が旧伊澤タオル株式を取得し100%子会社化
2022年3月
㈱伊澤タオルHD(現 当社)が旧伊澤タオル、インタークラフト通商㈱を吸収合併し、「㈱伊澤タオルHD」から「伊澤タオル㈱」に商号変更
2022年7月
国立大学法人福井大学、サステナテック㈱と共同研究を開始
2025年1月
米国に100%出資子会社IZAWA TOWEL INCを設立

財務データ 

 2025年2月期の事業売上は9,825百万円で、構成比は事業に、ODM生産56.6%キャラIP製品26.5%EC販売16.9%となっています。

 前期(25.2)は新規取引先への販売拡大があった一方で、主要顧客に対する売上高が減少し、前期比で売上は△1%減最終は579百万円で着地しました。

 今期(26.2)は日用品向けの低価格タオルの取り扱い増加や「タオル研究所」のアメリカでの新規展開などにより、売上は11%増最終は499百万円を見込んでいます。1株利益は49.92円配当は35.04円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期-/-2022/22023/22024/22025/2
売上高259,2089,9399,825
経常益△1291741,772980
最終益△1302441,103579
純資産2,6092,8533,9563,882
総資産6,5987,6729,0898,380
※単位は百万円、単体決算

▌事業の売上内訳(2025.2)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している繊維製品50社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が14.9%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が292.8%となっており、平均的な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 8,380 百万円売上高 9,825 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 6.5(μ:3.1 Me:3.4
総資本営業利益率 = 7.6(μ:1.8 Me:2.5
自己資本利益率 = 14.9(μ:-11.7 Me:4.2
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 292.8(μ:268.1 Me:211.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 107.8(μ:197.8 Me:85
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 46.3(μ:53.7 Me:55.9
成長性指標
売上高成長率 = -1.1(μ:7.3 Me:7.5

※カッコ内の数値は繊維製品(50社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は10,429千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)71.9%経営陣24.9%その他3.1%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
ジャフコSV6LPS57.53%180日
伊澤キャピタルパートナーズ合同会社23.97%180日
ジャフコSV6-SLPS14.38%180日
國元恵子0.37%
甫天恵子0.23%
従業員0.21%
三好恵子0.19%
従業員0.19%
藤田恵子0.17%
従業員0.16%
上記以外2.60%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 10,429千株(2025年5月19日現在)

?

24.93.171.9
2,601 千株– 千株328 千株7,500 千株
※新株予約権による潜在株式(429千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 今回のIPOでは募集株式の全てが売出し株式で、主にベンチャーキャピタル(VC)の株式放出によるものです。初値形成にはかなりネガティブといえます。

 上場する株式の時価総額は70億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の36.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は30.2億円で、IPOとしては中型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。0 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。0 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。4,312,500 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。3,750,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。562,500 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。4,312,500 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
70 億円 億円37.50
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

24.93.136.036.0
※新株予約権による潜在株式(429千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは三菱UFJMS証券が主幹事となっており、割当株数の7%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
三菱UFJMS証券(主幹事)58.96%3,390,400株
MSMUFG証券34.79%2,000,300株
SBI証券4.17%239,900株
SMBC日興証券0.52%29,900株
野村證券0.52%29,900株
アイザワ証券0.26%14,900株
岩井コスモ証券0.26%14,900株
東海東京証券0.26%14,900株
松井証券0.26%14,900株
合計100%5,750,000株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
auカブコム証券三菱101,800株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

7%
個人25,258本
抽選2,509
裁量22,749
45%
個人2,078本
抽選1,068
裁量1,010
13%
個人255本
抽選38
裁量217
9%
個人253本
抽選28
裁量225
11%
個人134本
抽選16
裁量118
66%
個人100本
抽選98
裁量2
90%
個人134本
抽選134
裁量
100%
個人1,018本
抽選1,018
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日5月19日(月)
抽選申込期間6月4日(水)~6月10日(火)
当選発表日6月11日(水)
購入申込期間6月12日(木)~6月17日(火)
上場日6月20日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
525526527528529530531
61626364656667
6869610611612613614
615616617618619620621
622623624625626627628

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 タオルの企画・販売に特段の新規性はなく、注目度は低いです。ここ数年売上は横ばいが続いており、成長性に課題があります。ただ、利益は安定的に確保しており、収益力は比較的高いといえます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中型案件で、VCが株主の過半以上を占めており、ロックアップは設定されているものの、需給はやや不安です。また、募集株式の全てが売出しとなるのもマイナス材料となります。今期利益予想によるPERは14倍と業種平均14.1倍(繊維・スタンダード)と同水準で、配当利回りは5%とかなり魅力的です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 7.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は繊維製品(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は繊維製品(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は繊維製品(スタンダード)の単純PER(25.4末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は繊維製品(スタンダード)の単純PBR(25.4末時点)。
30.2 億円-1.114.912.11.8
繊維製品7.54.214.10.5
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は公開価格750円から+150円(+20.0%)高い900円と予想します。なお、AI予測値は1,095円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(公開価格比)
900円(6/11予想)
+150円 / +20.0%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。700円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。700円 ~ 750円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。750円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
765円
+15円 / +2.0%

▌AIの予測値(6/11更新)

AI予測1,095円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+20.0+46.0+0.0+0.0
(公開価格比)(公開価格比)

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では25年2月に上場したTENTIAL(325A)の初値騰落率は+30.0%でした。

 今回のIPOと同じ素材・資材関連関連に分類されるIPOは2007年以降93件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は66.7%、初値騰落率の平均は+26.1%(中央値+10.2%)となっています。

 また、今回と同じ中型のIPOは2016年以降174件で、勝率は76.4%、初値騰落率の平均は+33.4%(中央値+17.6%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
TENTIAL+30.0%59.2165.9%41.7%
マツオカ+46.2%45.8-9.2%16.5%

▌素材・資材関連のIPO実績
(化学・鉄鋼・金属、建設業など)

素材・資材勝率平均騰落率
93
(2007年以降)
66.7
(62件 / 93件)
+26.1
(Me:+10.2 %)

(2025/5/20 現在)

素材・資材関連の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
341A トヨコー2025/3/28+19.3
5016 JX金属2025/3/19+2.8
325A TENTIAL2025/2/28+30.0
319A 技術承継機構2025/2/5+35.0
247A Aiロボティクス2024/9/27+42.8

素材・資材のIPO騰落率分布

▌中型のIPO実績
(中型:供給額20~50億円未満のIPO)

中型勝率平均騰落率
174
(2016年以降)
76.4
(133件 / 174件)
+33.4
(Me:+17.6 %)

(2025/5/20 現在)

中型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
352A Lクリエイト2025/4/24+2.4
341A トヨコー2025/3/28+19.3
332A ミーク2025/3/21+5.6
331A メディックス2025/3/19-5.0
319A 技術承継機構2025/2/5+35.0

中型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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