ウェルネス・コミュニケーションズ(366A)のIPO情報と初値予想

 ウェルネス・コミュニケーションズ(366A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ウェルネス・コミュニケーションズのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『健康管理 SaaS 等を用いたヘルスデータプラットフォーム及びソリューション事業』となっています。

会社名ウェルネス・コミュニケーションズ(366A)
所在地東京都港区赤坂一丁目12番32号
設立日2006年7月3日
従業員数121人
業種サービス業

【企業サイト】
ウェルネス・コミュニケーションズ公式サイト
https://wellcoms.jp/

事業解説
 主に、中規模以上の企業健康保険組合向けに、健康診断・人間ドック等の予約、精算代行、健康診断結果一元化等を行うネットワーク健康診断サービスを提供しています。また、企業向けに提供する健康管理クラウド「Growbase」では、健康診断結果、就労データ、ストレスチェックデータ及び各種面談の記録を個人単位にて紐づけ、心と身体に関するデータを一元管理・可視化することができます。1,700社以上への導入、ユーザーID数は15万ID以上。

沿革 

ウェルネス・コミュニケーションズのトップメッセージ

代表取締役社長 松田 泰秀

 当社は、疾病予防と健康増進の領域において、その役割を担うことを使命として2006年7月に設立され、「ウェルネス・データで、未来をつくる。」というパーパスの下、便利で、ユニークで、継続してもらえるウェルネス・サービスを創造し、企業と人を元気にすることを目指してまいりました。

(引用:ウェルネス・コミュニケーションズHP
2006年7月
伊藤忠商事㈱ 100%出資にて設立(資本金1億5千万円、東京都墨田区)2006年8月 一般財団法人日本予防医学協会よりネットワーク健診事業(現:健診ソリューション事業)を譲受
2007年3月
ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)取得 注2
2008年4月
ネットワーク健康診断サービス リニューアル健康診断情報サイト +wellness(プラスウェルネス) オープン(基幹システム刷新/健康診断予約サイト開設/健診予約センター移設/健診5489.jpリリース)
2010年4月
伊藤忠商事㈱よりヘルスサポートシステム事業(現:健康管理クラウド事業)を譲受 注3
2013年7月
本社移転(東京都港区)
2014年2月
健康診断結果に基づく情報提供配信サイト「チェック+wellness」をリリース
2015年4月
伊藤忠ソリューション㈱と共同で「おまかせ健康管理事業」開始 女性の健康支援に関する取り組みを開始
2016年4月
ネットワーク健康診断サービス リニューアル(サービスプラットフォーム:i-Wellnessリリース)
2016年10月
IML㈱よりPET関連事業を譲受 注4
2017年4月
㈱NTTドコモ、伊藤忠商事㈱と共同で、健康管理アプリ[Re:Body」を開発、リリース
2018年7月
ヘルスサポートシステム(現:Growbase) リニューアル(クラウド(SaaS)版 リリース/特定保健指導対応/ストレスチェック簡易調査票対応 等)
2018年8月
SOMPOリスクケアマネジメント㈱(現:SOMPOヘルスサポート㈱)と業務提携
2019年6月
SOMPOホールディングス㈱の子会社化(当社株式51%取得)伊藤忠商事㈱とのJVによるSaaS事業構造転換を加速
2020年4月
本社移転(東京都港区)
2021年9月
㈱シグマクシス・インベストメント及び㈱アドバンテッジ リスク マネジメントが当社へ出資参画 SOMPOホールディングス㈱の関連会社化
2023年1月
健康管理クラウド『ヘルスサポートシステム(H.S.S)』のブランドを刷新し、『Growbase』に名称変更 CI(コーポレートアイデンティティ)の刷新
2023年3月
LHP Holdings, L.P. (㈱ロングリーチグループ関連会社)、㈱ベルシステム24ホールディングス、伊藤忠テクノソリューションズ㈱の3社が当社へ出資参画
2024年10月
RIZAPグループ㈱と協業により、「Growbaseネクスト」と「chocoZAP」を組み合わせた新バリューパックの販売を開始

財務データ 

 2025年3月期の事業売上は14,057百万円で、構成比はセグメント別に、健診ソリューション89.2%健康管理クラウド8.8%医療機関等支援2.3%となっています。

 前期(25.3)は健診が堅調に推移したほか、健康管理クラウドの契約企業数も順調に伸び、前期比で売上は6%増最終は776百万円で着地しました。

 今期(26.3)は健診や「Growbase」の利用数増加を見込む一方で、PET関連事業の終了などで、売上は5%増最終は855百万円を見込んでいます。1株利益は145.56円配当は42.77円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2021/32022/32023/32024/32025/3
売上高8,3029,29210,74813,26714,057
経常益5426578129551,102
最終益371443560680776
純資産1,6081,9402,3672,8865,182
総資産2,9693,2053,9144,6303,457
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2025.3)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は総資本営業利益率が20.9%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が42.3%となっており、比較的良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 3,457 百万円売上高 14,057 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 7.3(μ:6.7 Me:6.7
総資本営業利益率 = 20.9(μ:7 Me:7.4
自己資本利益率 = 15(μ:1.3 Me:9.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 201.9(μ:266.4 Me:204.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 42.3(μ:119.6 Me:61.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 62.3(μ:51.6 Me:51.4
成長性指標
売上高成長率 = 6(μ:14.3 Me:9.9

※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は5,888千株で、株式保有割合は、関係会社80.4%その他16.2%経営陣3.4%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
SOMPOホールディングス㈱42.47%180日
LHP Holdings,L.P.37.94%180日
㈱アドバンテッジ リスク マネジメント4.63%90日
㈱ベルシステム24ホールディングス3.43%90日
伊藤忠商事㈱2.87%90日
松田 泰秀2.72%90日
伊藤忠テクノソリューションズ㈱1.20%90日
佐々木 雅之0.68%90日
従業員0.51%90日
従業員0.51%90日
上記以外3.04%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 5,888千株(2025年5月19日現在)

?

3.480.416.2
200 千株4,734.5 千株953.7 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(440千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は36.7%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に関係会社(SOMPOなど)の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は147億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の23.3%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は42.3億円で、IPOとしては中型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。550,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。550,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。1,174,500 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。949,600 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。224,900 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。1,724,500 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
147 億円13.5 億円2536.7
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

3.158.814.823.3
※新株予約権による潜在株式(440千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは野村證券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
野村證券(主幹事)-%-株
SBI証券-%-株
みずほ証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
東海東京証券-%-株
松井証券-%-株
合計100%-株

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日5月19日(月)
抽選申込期間6月5日(木)~6月11日(水)
当選発表日6月12日(木)
購入申込期間6月13日(金)~6月18日(水)
上場日6月23日(月)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
525526527528529530531
61626364656667
6869610611612613614
615616617618619620621
622623624625626627628

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 企業の社員に対するヘルスケア管理の需要は年々高まっており、健康管理クラウド等の注目度は比較的高いといえます。売上は着実に増加しており、利益も安定的に確保していることから、収益力はかなり高いです。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中型案件で、株主の大半は安定株主が占めており、ロックアップも設定されているため、需給に不安はありません。今期利益予想によるPERは16.8倍と業種平均24.7倍(サービス・グロース)と比較してやや割安な水準で、配当利回りは1.7%となっています。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(グロース)の単純PER(25.4末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(グロース)の単純PBR(25.4末時点)。
42.3 億円6.015.021.03.1
サービス業9.99.924.72.5
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格2,450円から+550円(+22.4%)高い3,000円と予想します。なお、AI予測値は2,982円となっており、これと同程度の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
3,000円(5/20予想)
+550円 / +22.4%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。2,450円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(5/20計算)

AI予測2,982円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+22.4+21.7+45.3+33.4
(想定価格比)(想定価格比)サービス業中型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では19年12月に上場したJMDC(4483)の初値騰落率は+32.5%でした。

 今回のIPOと同じサービス業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降167件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は75.4%、初値騰落率の平均は+45.3%(中央値+26.7%)となっています。

 また、今回と同じ中型のIPOは2016年以降174件で、勝率は76.4%、初値騰落率の平均は+33.4%(中央値+17.6%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
JMDC+32.5%163.0233.0%16.5%
Welby+246.7%7.287.3%-7.2%

▌サービス業(その他)のIPO実績
(サービス業のうち他に分類されない企業など)

サービス業勝率平均騰落率
167
(2007年以降)
75.4
(126件 / 167件)
+45.3
(Me:+26.7 %)

(2025/5/20 現在)

サービス業(その他)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
353A A-エレコミ2025/4/25+29.4
352A Lクリエイト2025/4/24+2.4
343A IACEトラベル2025/4/7-13.6
9388 パパネッツ2025/3/21+18.6
324A ブッキングR2025/2/21+25.0

サービス業のIPO騰落率分布

▌中型のIPO実績
(中型:供給額20~50億円未満のIPO)

中型勝率平均騰落率
174
(2016年以降)
76.4
(133件 / 174件)
+33.4
(Me:+17.6 %)

(2025/5/20 現在)

中型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
352A Lクリエイト2025/4/24+2.4
341A トヨコー2025/3/28+19.3
332A ミーク2025/3/21+5.6
331A メディックス2025/3/19-5.0
319A 技術承継機構2025/2/5+35.0

中型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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