みのや(386A)のIPO情報と初値予想

 みのや(386A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、みのやのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『小売店『おかしのまちおか』での菓子販売』となっています。

会社名みのや(386A)
所在地埼玉県さいたま市中央区大字下落合1050番地2
設立日1954年7月2日
従業員数178人
業種小売業

【企業サイト】
みのや公式サイト
https://www.machioka.co.jp/

事業解説
 菓子小売事業として、菓子専門店「おかしのまちおか」を、関東圏、中京圏及び関西圏に的を絞って、直営店舗のみによるチェーン展開を進めています。2025年5月末現在207店舗。関東圏に2拠点、関西圏に2拠点の自社物流センターを展開しており、各拠点にて店舗納品分のピッキング及び配送車両への荷積みを経て、自社物流センターから各店舗に商品を定期配送しています。
みのやの事業説明
(画像:みのやHP

沿革 

みのやのトップメッセージ

代表取締役社長 正木 宏和

 当社は、代表取締役社長正木宏和の実父、正木鑛一が東京都中野区にて個人商店の菓子卸売を営んだことを起点とし、1995年8月に代表取締役社長に就任した正木宏和は、それまでの菓子卸売事業の経験を活かし、1997年12月に東京都板橋区大山に菓子小売専門店の第1号店出店、菓子小売事業へと進出いたしました。

(引用:みのやHP
1954年7月
有限会社みのや商店設立(資本金500千円)、菓子卸売事業を開始
1973年12月
埼玉県大宮市(現 埼玉県さいたま市北区)本郷町に営業所を開設
1977年9月
㈱に改組し、商号を㈱みのやに改称(資本金5,000千円)
1989年4月
本郷営業所に本社を移転し、配送センターを増設
1997年12月
菓子小売第1号店(「おかしのまちおか」の原型)を東京都板橋区に開店
2000年10月
埼玉県大宮市(現 埼玉県さいたま市北区)吉野町に本社及び配送センターを移転
2002年4月
創業の地である東京都中野区に中野店開店(12店目)
2004年10月
本社・配送センター(現 さいたま物流センター)を埼玉県さいたま市見沼区東宮下に移転
2006年3月
50店目となる高円寺北口店を東京都杉並区に開店
2008年2月
埼玉県さいたま市中央区下落合に「さいたま事業本部」を開設
2008年6月
菓子卸売事業を縮小し、菓子小売事業に特化
2008年11月
本店所在地を「さいたま事業本部」のある埼玉県さいたま市中央区に移転
2009年5月
100店目となるララガーデン春日部店を埼玉県春日部市に開店
2011年9月
150店目となるイオンモール土浦店を茨城県土浦市に開店
2011年11月
横浜物流センターを神奈川県横浜市旭区に開設
2013年9月
中京圏1号店となるイオンタウン名西店を愛知県名古屋市西区に開店
2013年11月
関西圏1号店となるイオンモール東員店を三重県員弁郡に開店
2014年10月
200店目となるららぽーと和泉店を大阪府和泉市に開店
2016年10月
鈴鹿物流センターを三重県鈴鹿市に開設
2018年12月
プライベートブランド商品群の管理やブランディング戦略の構築を目的とした、㈱おかしのまちおかを子会社として設立(資本金10,000千円)
2019年7月
東京都千代田区に東京オフィスを開設
2021年10月
250店目となるソコラ南行徳店を千葉県市川市に開店
2022年6月
当社子会社である㈱おかしのまちおかを吸収合併
2024年1月
茨木物流センターを大阪府茨木市に開設
2024年5月
埼玉県さいたま市浦和区に北浦和オフィスを開設
2025年5月
300店目となるららテラス川口店を埼玉県川口市に開店

財務データ 

 2024年6月期の事業売上は22,540百万円で、構成比は商品別に、菓子96%飲料3.9%その他0.1%となっています。

 前期(24.6)は安定的な出店により店舗数が増加したことや、商材の好条件での仕入と高粗利での販売が奏功し、前期比で売上は12%増最終は714百万円で着地しました。

 今期(25.6)は新規に17店舗を出店する一方で、物流コスト増や人件費上昇しており、売上は7%増最終は432百万円を見込んでいます。1株利益は144.13円配当は10円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/62021/62022/62023/62024/6
売上高17,54416,97718,09720,14322,540
経常益△422213777241,046
最終益△88110211391714
純資産1,1161,1801,4001,7862,500
総資産6,6575,8826,1746,8677,683
※単位は百万円、単体決算

▌商品別の売上内訳(2024.6)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している小売業335社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が28.6%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が178%となっており、かなり厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 7,683 百万円売上高 22,540 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 4.3(μ:2.1 Me:2.8
総資本営業利益率 = 12.6(μ:3.2 Me:4
自己資本利益率 = 28.6(μ:-14.8 Me:6.7
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 91(μ:171.3 Me:142.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 178(μ:181.5 Me:110.9
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 32.5(μ:43.3 Me:44.4
成長性指標
売上高成長率 = 11.9(μ:7.5 Me:5.6

※カッコ内の数値は小売業(335社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は3,000千株で、株式保有割合は、経営陣69.2%その他27.5%ベンチャーキャピタル(VC)3.3%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているものの、今回の上場でVC持ち分は全て放出されるため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。

株主名持株比率ロックアップ
㈱マサキコーポレーション36.33%180日
正木 宏和(社長)31.87%180日
おかしのまちおか従業員持株会9.13%180日
内田 和枝9.00%180日
正木 美惠3.33%180日
むさしの地域創生推進ファンドLPS3.33%
㈱武蔵野銀行1.67%180日
正木 惇也1.00%180日
正木 友梨1.00%180日
正木 理子1.00%180日
上記以外2.34%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 3,000千株(2025年6月16日現在)

?

69.227.53.3
2,076 千株– 千株824 千株100 千株
※新株予約権による潜在株式なし。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は71.4%と高く、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはややポジティブといえます。売出し分は、主に経営陣の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は50.4億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の20.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は11.6億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。500,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。500,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。305,000 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。200,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。105,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。805,000 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
50.4 億円7.2 億円2071.4
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

56.523.520.0
※新株予約権による潜在株式なし。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
みずほ証券(主幹事)-%-株
東海東京証券-%-株
丸三証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
むさし証券-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
マネックス証券-%-株
松井証券-%-株
合計100%-株

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日6月16日(月)
抽選申込期間7月2日(水)~7月8日(火)
当選発表日7月9日(水)
購入申込期間7月10日(木)~7月15日(火)
上場日7月18日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
622623624625626627628
6296307172737475
76777879710711712
713714715716717718719
720721722723724725726

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 菓子販売事業に特段の新規性はなく、注目度は低いです。ここ数年売上は緩やかに増加していますが、事業内容的に売上が大きく伸びる可能性は低いです。ただ、利益は安定的に確保しており、小売の割に収益力は比較的高いといえます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中小型案件で、株主は安定株主が占めており(VCは全株式放出)、ロックアップも厳しめに設定されているため、需給に大きな不安はありません。今期利益予想によるPERは10倍と業種平均18.7倍(小売・スタンダード)と比較して割安で、配当利回りは0.7%となっています。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は小売業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は小売業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は小売業(スタンダード)の単純PER(25.5末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は小売業(スタンダード)の単純PBR(25.5末時点)。
11.6 億円11.928.67.11.6
小売業5.66.718.71.3
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,440円から+360円(+25.0%)高い1,800円と予想します。なお、AI予測値は2,157円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,800円(6/16予想)
+360円 / +25.0%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,440円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(6/16計算)

AI予測2,157円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+25.0+49.8+56.4+67.7
(想定価格比)(想定価格比)小売業中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年9月に上場したINGS(245A)の初値騰落率は+39.2%でした。

 今回のIPOと同じ小売業(飲食除く)関連に分類されるIPOは2007年以降82件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は75.6%、初値騰落率の平均は+56.4%(中央値+25.4%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降231件で、勝率は88.3%、初値騰落率の平均は+67.7%(中央値+50.2%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
INGS+39.2%10.950.8%14.0%
光フードサービス+119.9%7.494.0%38.7%

▌小売業(飲食除く)のIPO実績
(家具・雑貨などの通販サイトの運営)

小売業勝率平均騰落率
82
(2007年以降)
75.6
(62件 / 82件)
+56.4
(Me:+25.4 %)

(2025/6/16 現在)

小売業(飲食除く)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
297A アルピコHD2024/12/25+5.2
262A インターメス2024/10/18+25.0
259A ケイ・ウノ2024/10/8-8.0
141A トライアル2024/3/21+30.3
5892 yutori2023/12/27+12.3

小売業のIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
231
(2016年以降)
88.3
(204件 / 231件)
+67.7
(Me:+50.2 %)

(2025/6/16 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
343A IACEトラベル2025/4/7-13.6
340A ジグザグ2025/3/31+35.3
330A TalentX2025/3/18+36.8
324A ブッキングR2025/2/21+25.0
302A ビースタイルHD2024/12/27+60.6

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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