ユーソナー(431A)のIPO情報と初値予想

 ユーソナー(431A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、ユーソナーのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『データベース&マーケティング支援業務』となっています。

会社名ユーソナー(431A)
所在地東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
設立日1990年9月10日
従業員数234人
業種情報・通信業

【企業サイト】
ユーソナー公式サイト
https://usonar.co.jp/

事業解説
 公開情報を基に独自で構築した日本最大級の法人企業データベース「LBC」は、日本全国約1,250万箇所の事業拠点を網羅し、顧客データ統合ソリューション「ユーソナー」にてLBCを活用するためのプラットフォームを提供しています。ユーソナーでは顧客が保有する顧客データを、参照先である「LBC」で紐付けし、顧客データの一元化することが可能で、他にも、営業リストの作成、与信・反社・コンプライアンスチェックなどを行うことができます。
ユーソナーの事業説明
(画像:ユーソナーHP

沿革 

ユーソナーのトップメッセージ

代表取締役社長 長竹 克仁

 ユーソナーは「u」と「Sonar」の二つを組み合わせた造語です。BtoBでは、視界に事務所や工場はなく、外部から実態を見ることはできません。 事業所情報を探り、整理する目的で開発されたクラウドツールが uSonar です。それを提供するのがユーソナー株式会社です。

(引用:ユーソナーHP
1990年9月
大阪府大阪市北区に資本金1,000万円で㈱ランドスケイプを設立し、個人向け印刷物の送付を受託することを目的として、ダイレクトマーケティングサービスを開始
1992年7月
大阪府吹田市に本社移転
1993年6月
東京都新宿区に東京支社を開設
1995年5月
第三者割当増資(資本金3,000万円)
1997年2月
東京オペラシティ(東京都新宿区西新宿三丁目20番2号)に本社移転
1997年10月
新株引受権付社債2億円を発行
1999年6月
「名寄せ・データクレンジング」の提供を開始
1999年8月
第三者割当増資(資本金5,750万円)
2000年12月
第三者割当増資(資本金1億7,863万円)
2001年3月
第三者割当増資(資本金2億1,643万円)
2002年10月
第三者割当増資(資本金3億6,587万円)
2002年10月
㈱ゼンリンと業務提携
2004年6月
「LBC」(Linkage Business Code)の提供を開始
2005年3月
第三者割当増資(資本金4億4,350万円)
2010年4月
第三者割当増資(資本金4億6,633万円)
2013年4月
「ユーソナー」の提供を開始
2016年1月
「ユー名刺」(u名刺)の提供を開始
2016年11月
「サイドソナー」の提供を開始
2018年9月
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格である「JIS Q 27001(ISO/IEC 27001)」の認証を取得
2019年12月
日本経済団体連合会に入会
2021年3月
三井物産企業投資投資事業有限責任組合による資本参画
2021年3月
「名刺ソナー(現 mソナー)」の提供を開始
2021年5月
資本金を1億円に無償減資
2022年7月
ユーソナー㈱へ社名変更
2022年12月
㈱日本政策投資銀行による資本参画
2023年12月
「サイドソナー」のサービス移管を目的として、「プランソナー」の提供を開始
2024年3月
監査等委員会設置会社に移行
2024年7月
「登記ソナー」の提供を開始

財務データ 

 2024年12月期の事業売上は6,075百万円で、構成比はセグメント別に、DBマーケティング100%となっています。

 前期(24.12)は「ユーソナー」の継続利用や継続的な「データ提供」に対する売上の増加により、前期比で売上は21%増最終は634百万円で着地しました。

 今期(25.12)は「LBC」及び「ユーソナー」の導入・設定費用や利用料の受注が順調に推移しており、売上は13%増最終は768百万円を見込んでいます。1株利益は98.22円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/122021/122022/122023/122024/12
売上高3,1603,4064,0415,0396,075
経常益305457103124909
最終益203△3536575634
純資産1,1731,5301,9542,0282,659
総資産2,9233,4343,7073,9464,942
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.12)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業585社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が23.8%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が40.3%となっており、平均的な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 4,942 百万円売上高 6,075 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 15(μ:6.5 Me:8.1
総資本営業利益率 = 18.4(μ:6.6 Me:7.5
自己資本利益率 = 23.8(μ:-11.8 Me:10.1
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 194.6(μ:328.5 Me:258.5
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 40.3(μ:110.4 Me:42.2
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 53.8(μ:59.7 Me:62.5
成長性指標
売上高成長率 = 20.6(μ:13.2 Me:8.9

※カッコ内の数値は情報・通信業(585社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は8,687千株で、株式保有割合は、経営陣59.3%ベンチャーキャピタル(VC)20.0%その他20.7%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
福富 七海65.90%180日
三井物産企業投資LPS22.23%90日
㈱日本政策投資銀行11.10%180日
㈱ゼンリン0.77%180日
上記以外
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 8,687千株(2025年9月11日現在)

?

59.320.720.0
5,152 千株– 千株1,797 千株1,738 千株
※新株予約権による潜在株式なし。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は2.2%と低く、売出される株式は、主に経営陣、ベンチャーキャピタル(VC)の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に自己株式になります。

 上場する株式の時価総額は165.9億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の26.6%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は50.8億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。50,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。0 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。50,000 株
売出株既存株主が売り出す株式。2,612,200 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。2,265,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。347,200 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。2,662,200 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
165.9 億円1 億円26.62.2
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

46.68.39.026.6
※新株予約権による潜在株式なし。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは野村證券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
野村證券(主幹事)-%-株
大和証券-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
丸三証券-%-株
東海東京証券-%-株
マネックス証券-%-株
東洋証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
極東証券-%-株
岡三証券-%-株
水戸証券-%-株
松井証券-%-株
あかつき証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
CONNECT大和-株
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
18%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日9月11日(木)
抽選申込期間10月1日(水)~10月6日(月)
当選発表日10月7日(火)
購入申込期間10月8日(水)~10月14日(火)
上場日10月17日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
921922923924925926927
928929930101102103104
10510610710810910101011
1012101310141015101610171018
1019102010211022102310241025

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 システムプラットフォーム関連のIPOは人気が集まりやすく、注目度は比較的高いといえます。ここ数年で売上・利益ともに着実に伸びており、成長性と収益性は評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中大型案件で、株主にVCが入っているもののロックアップは厳しめに設定されているため、需給に大きな不安はありません。また、公募比率が低いのはマイナス材料です。今期利益予想によるPERは19.4倍と業種平均67.9倍(情報通信・グロース)と比較して割安です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(25.8末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(25.8末時点)。
50.8 億円20.623.826.26.1
情報・通信8.910.167.94.1
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,910円から+590円(+30.9%)高い2,500円と予想します。なお、AI予測値は2,787円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
2,500円(9/11予想)
+590円 / +30.9%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,910円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(9/11計算)

AI予測2,787円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+30.9+45.9+147.1+15.2
(想定価格比)(想定価格比)シスPF中大型以上

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では25年3月に上場したTalentX(330A)の初値騰落率は+36.8%でした。

 今回のIPOと同じシステムPF関連に分類されるIPOは2007年以降51件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は90.2%、初値騰落率の平均は+147.1%(中央値+125.6%)となっています。

 また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降163件で、勝率は53.4%、初値騰落率の平均は+15.2%(中央値+1.5%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
TalentX+36.8%14.746.2%44.3%
Cocolive+124.2%12.643.1%36.3%
ポーターズ+108.6%7.17.7%32.2%
ビートレンド+257.5%5.117.5%14.2%
Speee+78.8%25.53.6%2.4%

▌システムPFのIPO実績
(EC・決済などを行うプラットフォーム運営)

シスPF勝率平均騰落率
51
(2007年以降)
90.2
(46件 / 51件)
+147.1
(Me:+125.6 %)

(2025/9/11 現在)

システムPFの直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
332A ミーク2025/3/21+5.6
330A TalentX2025/3/18+36.8
198A ポストプライム2024/6/20±0.0
149A シンカ2024/3/27+26.6
147A ソラコム2024/3/26+79.7

シスPFのIPO騰落率分布

▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)

中大型以上勝率平均騰落率
163
(2016年以降)
53.4
(87件 / 163件)
+15.2
(Me:+1.5 %)

(2025/9/11 現在)

中大型以上の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
402A アクセルスペース2025/8/13+100.3
368A 北里コーポ2025/6/25+49.3
367A プリモGHD2025/6/24-6.4
350A デジタルグリッド2025/4/22+17.5
339A プログレス2025/3/28+1.5

中大型以上のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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