BJC[ビージェイシー](440A)のIPO情報と初値予想

 BJC[ビージェイシー](440A)東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、BJC[ビージェイシー]のIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『ファンデーション、美容液、クレンジングなどの化粧品や姿勢補正サポ ート靴下といった健康関連商品の企画、販売』となっています。

会社名BJC[ビージェイシー](440A)
所在地福岡県福岡市博多区博多駅南四丁目18番2号明東ビル4F
設立日2022年2月25日
従業員数93人
業種化学

【企業サイト】
BJC[ビージェイシー]公式サイト
https://bjc.jpn.com/

事業解説
 主要化粧品ブランドは、ファンデーションブランドの「SPICARE V3 foundationシリーズ」とまつ毛美容液ブランドの「soaddicted」で、特に植物エキスやペプチド複合体、保湿成分を配合したまつ毛美容液「Lashaddict eyelash conditioning serum」は、3年連続でまつ毛美容液ブランドシェア1位を獲得しています。

沿革 

BJC[ビージェイシー]のトップメッセージ

代表取締役 山本 将孝

 創業者の津下康弘が企業譲渡先を探していたところ、さらなる成長と事業承継を見据え、クレアシオン・キャピタルの出資を受け入れることとし、新たに設立されたTYHD(現当社)に吸収合併されると同時に、商号をBJCに変更いたしました。

(引用:BJC[ビージェイシー]HP
2014年5月
エステティックサロンへの化粧品販売を行うことを目的に(旧)㈱BJCを福岡県筑紫野市に設立
2015年11月
物流拠点として関西物流センターを大阪府茨木市に確保
2015年11月
理学療法士考案の補正サポート靴下「エアライズ」発売開始
2016年4月
敏感肌でも使用できる天然素材にこだわったヘアケア商品「プリグリオシリーズ」発売開始
2016年5月
美容液シリーズ「soaddictedシリーズ」発売開始
2017年3月
まつ毛美容液の「Lashaddict eyelash conditioning serum」発売開始
2018年4月
事業拡大に伴い熊本支社を熊本県熊本市東区に新設
2018年8月
AIRISEをベースにフィットネスを効果的に実施する「エアライズ AYAモデル」発売開始
2018年10月
事業拡大に伴い関西支社を大阪府大阪市淀川区に新設
2019年1月
事業拡大に伴い東日本支社を東京都港区に新設
2019年11月
事業拡大に伴い中部支社を愛知県名古屋市中区に新設
2020年3月
針入りファンデーション第1作目の「V3 Exciting foundation」発売開始
2020年5月
事業拡大に伴い本社を福岡県福岡市博多区へ移転
2020年6月
針入りスキンケアシリーズ「プレジストシリーズ」発売開始
2020年11月
事業拡大に伴い東日本支社を東京都港区に移転拡張
2021年11月
針入りファンデーション第2作目の「V3 shining foundation」発売開始
2022年2月
迅速かつ効率的な資本調達のための特別目的会社(SPC)として、(旧)㈱BJCの買収を含む事業推進に活用するため㈱TYHDを東京都港区に設立
2022年3月
当社のさらなる成長と事業承継を目的に株式譲渡を受け(旧)㈱BJCを子会社化
2022年9月
グループ全体の利益率向上に寄与するため、主要取引先の㈱CHARIS&Co.株式を取得し連結子会社化
2022年11月
事業統合を通じて企業価値を最大化することを目的に、㈱TYHDが(旧)㈱BJCを吸収合併し、同日、商号を㈱TYHDから㈱BJCへ変更
2023年11月
針入りファンデーション第3作目となる「V3 brilliant foundation」発売開始
2023年11月
事業拡大に伴い東日本支社を東京都港区に移転拡張
2023年12月
事業拡大に伴い関西支社を大阪府大阪市淀川区に移転拡張
2024年7月
取引サロンの拡大とグループ全体の利益率向上を目的に㈱BEEK株式を取得し連結子会社化
2025年1月
事業拡大に伴い中部支社を愛知県名古屋市中村区に移転拡張
2025年3月
針入りファンデーション第4作目となる「V3 intelligent foundation」発売開始

財務データ 

 2024年10月期の事業売上は10,474百万円で、構成比はブランド別に、 Lashaddict49.4%SPICARE38.8%その他11.8%となっています。

 前期(24.10)は新商品の発売及び季節毎キャンペーンの実施による既存商品の売上が増加し、前期比で売上は32%増最終は1,006百万円で着地しました。

 今期(25.10)は各取引先と協働でのキャンペーンを実施するなど、サロンでの店販を推進しサロンの業績向上に向けた取り組みを行っており、3Q累計は売上・利益ともに前期を上回るペースで推移しています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期-/--/-2022/102023/102024/10
売上高587,90810,474
経常益△4015691,536
最終益△4024321,006
純資産2,2719762,171
総資産9,5468,7778,258
※単位は百万円、23.10から連結決算

▌ブランド別の売上内訳(2024.10)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している化学203社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が46.3%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が131.4%となっており、かなり厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 8,258 百万円売上高 10,474 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 17(μ:7.2 Me:6.1
総資本営業利益率 = 21.6(μ:5.2 Me:4.7
自己資本利益率 = 46.3(μ:5.3 Me:5.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 249.3(μ:277.4 Me:220.1
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 131.4(μ:78.1 Me:70.5
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 26.3(μ:60.6 Me:60.9
成長性指標
売上高成長率 = 32.4(μ:3.9 Me:4.2

※カッコ内の数値は化学(203社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は16,593千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)52.7%経営陣23.9%その他23.3%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
クレアシオン3号LPS26.89%180日
TY1号LPS25.84%180日
津下 康弘18.31%
藤木 貴子14.36%180日
藤木 誠2.89%
㈱KOU PREMIUM2.87%180日
山本 将孝(社長)2.32%180日
川内 文恵1.91%90日
木下 勝晶1.13%90日
石井 光速0.63%90日
上記以外2.85%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 16,593千株(2025年9月22日現在)

?

23.923.352.7
3,969.7 千株– 千株3,873.1 千株8,750 千株
※新株予約権による潜在株式(705.2千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 今回のIPOでは募集株式の全てが売出し株式で、主にベンチャーキャピタル(VC)、その他(元役員)の株式放出によるものです。初値形成にはかなりネガティブといえます。

 上場する株式の時価総額は323.3億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の41.7%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は161.8億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。0 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。0 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。7,950,000 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。6,913,100 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。1,036,900 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。7,950,000 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
323.3 億円 億円43.50
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

20.05.033.341.7
※新株予約権による潜在株式(705.2千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
SMBC日興証券(主幹事)-%-株
SBI証券-%-株
FFG証券-%-株
中銀証券-%-株
東海東京証券-%-株
岡地証券-%-株
楽天証券-%-株
岡三証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

10%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日9月22日(月)
抽選申込期間10月10日(金)~10月17日(金)
当選発表日10月20日(月)
購入申込期間10月21日(火)~10月24日(金)
上場日10月28日(火)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
928929930101102103104
10510610710810910101011
1012101310141015101610171018
1019102010211022102310241025
102610271028102910301031111

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 化粧品等の開発・販売事業に特段の新規性はなく、注目度はやや低いです。ここ数年は売上・利益ともに飛躍的に拡大しており、事業としての成長性及び収益力はかなり高そうです。

▌需給・価格評価

 IPOとしては大型案件で、VC含む株主にはロックアップは入っているものの、募集株数がかなり多いため、需給面から初値の上昇は期待しづらいです。また、募集株式の全てが売出しになるのはマイナス材料です。想定価格でPER32.1倍(前期ベース)は業種平均51.1倍(化学・グロース)と比較して割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は化学(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は化学(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は化学(グロース)の単純PER(25.8末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は化学(グロース)の単純PBR(25.8末時点)。
161.8 億円32.446.332.114.9
化学4.25.951.13.8
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格2,035円から+365円(+17.9%)高い2,400円と予想します。なお、AI予測値は2,414円となっており、これと同程度の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
2,400円(9/23予想)
+365円 / +17.9%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。2,035円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(9/23計算)

AI予測2,414円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+17.9+18.6+25.6+15.2
(想定価格比)(想定価格比)素材・資材中大型以上

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では25年6月に上場したリップス(373A)の初値騰落率は+2.2%でした。

 今回のIPOと同じ素材・資材関連関連に分類されるIPOは2007年以降95件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は67.4%、初値騰落率の平均は+25.6%(中央値+7.1%)となっています。

 また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降163件で、勝率は53.4%、初値騰落率の平均は+15.2%(中央値+1.5%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
リップス+2.2%39.621.0%15.0%
Aiロボティクス+42.8%24.893.7%73.1%
アルマード-2.2%51.2-21.5%15.9%
アクシージア+41.4%103.224.4%31.7%
Pアンチエイ+37.0%90.5139.8%56.9%

▌素材・資材関連のIPO実績
(化学・鉄鋼・金属、建設業など)

素材・資材勝率平均騰落率
95
(2007年以降)
67.4
(64件 / 95件)
+25.6
(Me:+7.1 %)

(2025/9/23 現在)

素材・資材関連の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
373A リップス2025/6/30+2.2
365A 伊澤タオル2025/6/20+2.0
341A トヨコー2025/3/28+19.3
5016 JX金属2025/3/19+2.8
325A TENTIAL2025/2/28+30.0

素材・資材のIPO騰落率分布

▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)

中大型以上勝率平均騰落率
163
(2016年以降)
53.4
(87件 / 163件)
+15.2
(Me:+1.5 %)

(2025/9/23 現在)

中大型以上の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
402A アクセルスペース2025/8/13+100.3
368A 北里コーポ2025/6/25+49.3
367A プリモGHD2025/6/24-6.4
350A デジタルグリッド2025/4/22+17.5
339A プログレス2025/3/28+1.5

中大型以上のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















アーカイブ
ページ上部へ戻る