NE[エヌイー](441A)のIPO情報と初値予想
- 2025/10/1
- IPO企業一覧
NE[エヌイー](441A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、NE[エヌイー]のIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
なお、今回上場するNEの全株式は、現在の親会社であるHameeの株主に現物配当されることになっていますが、上場に併せて新たに株式を公募発行するため、一般的なIPOで実施される証券会社による株式購入の募集、並びに個人投資家向けのIPO抽選があります。
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『SaaS型EC支援プラットフォーム『ネクストエンジン』の運営、ECコンサルティング事業、ふるさと納税支援等地方創生事業』となっています。
会社名 | NE[エヌイー](441A) |
---|---|
所在地 | 神奈川県横浜市港北区新横浜三丁目2番3号 |
設立日 | 2022年5月2日 |
従業員数 | 129人 |
業種 | 情報・通信業 |
【企業サイト】
https://ne-inc.jp/
![NE[エヌイー]の事業説明](https://uikabu.com/wp-content/uploads/2025/10/ne-inc.png)
沿革
![NE[エヌイー]のトップメッセージ](https://uikabu.com/wp-content/uploads/2025/10/ne-incH.png)
代表取締役社長 CEO 比護 則良
当社は2022年に、Hamee株式会社から分社化する形で設立しました。Eコマース市場の成長やコマースビジネスの複雑さが増している現状を踏まえ、より高度な課題解決に向けたサービス開発が求められていると感じ、より市場に価値提供するために分社化という形を選択しました。
財務データ
2025年4月期の事業売上は3,925百万円で、構成比はセグメント別に、ネクストエンジン75.7%、コンサルティング9.5%、ロカルコ14.8%、その他0%となっています。
前期(25.4)はネクストエンジンのARPU向上やふるさと納税支援サービスでの寄附額向上のための諸施策(広告運用の提案等)に効果が見られ、前期比で売上は4%増、最終は940百万円で着地しました。
今期(26.4)はふるさと納税支援サービスでは、競争激化により契約自治体の解約の発生で売上は減少傾向も、コンサルティング事業では新たな取り組みである教育商材(AI リスキリング講座)の販売を計画しており、売上は7%増、最終は973百万円を見込んでいます。1株利益は59.95円、配当は0円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | -/- | -/- | 2023/4 | 2024/4 | 2025/4 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | – | – | 2,537 | 3,768 | 3,925 |
経常益 | – | – | 1,063 | 1,588 | 1,525 |
最終益 | – | – | 538 | 1,033 | 940 |
純資産 | – | – | 2,017 | 2,888 | 3,518 |
総資産 | – | – | 2,896 | 3,691 | 4,224 |
▌セグメント別の売上内訳(2025.4)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業585社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が38.7%など、かなり高い数値となっています。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が532.1%となっており、かなり良好な状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 4,224 百万円 | 売上高 3,925 百万円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は情報・通信業(585社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は16,394千株で、株式保有割合は、関係会社97.6%、経営陣1.3%、その他1.1%となっています。なお、新株予約権分を除くと、親会社Hameeが100%保有となっています
上場時の株式保有は現在のHamee株式の保有者となるため、個人投資家の動向が初値や上場後の株価形成に際し、大きな影響を与えることになりそうです。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
Hamee㈱ | 97.60% | |
比護 則良(社長) | 0.91% | |
鈴木 淳也 | 0.30% | |
従業員 | 0.12% | |
北村 京 | 0.09% | |
従業員 | 0.09% | |
従業員 | 0.09% | |
従業員 | 0.09% | |
従業員 | 0.09% | |
従業員 | 0.09% | |
上記以外 | 0.53% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 16,394千株(2025年9月30日現在)
1.3 % | 97.6 % | 1.1 % | – % |
215 千株 | 16,001 千株 | 178 千株 | – 千株 |
▌Hamee株式の所有者割合
(2025年4月末時点)
株主 | 株数 千株 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|---|
▉ AOI㈱ | 5,312 | 33.30 | 180日間 |
▉ 樋口敦士 | 2,533 | 15.88 | 180日間 |
▉ 北村和順 | 473 | 2.97 | 180日間 |
▉ その他 | 5,517 | 32.23 | – |
2IPOの基本情報
公開株数
今回のIPOでは募集株式の全てが公募株式で、主に新規発行になります。初値形成にはかなりポジティブといえます。
上場する株式の時価総額は120.5億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の3.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は4.2億円で、IPOとしては超小型の案件になります。
なお、Hamee株主への現物配当において、株式の交付比率を、Hamee株式1株につきNE株式1株とするために、NE発行済株式総数をHamee発行済株式総数に合わせるようNE株式の分割を実施する予定となっています。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 500,000 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 500,000 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 75,000 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 0 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 75,000 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 575,000 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
120.5 億円 | 3.7 億円 | 3 % | 100 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
– % | – % | 97.0 % | – % | 3.0 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
また、幹事証券になる楽天も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
みずほ証券(主幹事) | -% | -株 |
SBI証券 | -% | -株 |
楽天証券 | -% | -株 |
合計 | 100% | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 9月30日(火) |
---|---|
抽選申込期間 | 10月17日(金)~10月23日(木) |
当選発表日 | 10月24日(金) |
購入申込期間 | 10月27日(月)~10月30日(木) |
上場日 | 11月4日(火) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 1010 | 1011 |
1012 | 1013 | 1014 | 1015 | 1016 | 1017 | 1018 |
1019 | 1020 | 1021 | 1022 | 1023 | 1024 | 1025 |
1026 | 1027 | 1028 | 1029 | 1030 | 1031 | 111 |
112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
システムプラットフォーム関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度は高いです。ここ数年は売上は順調に拡大しており、利益は横ばい傾向も黒字を維持しており、成長性及び収益力は評価できます。
▌需給・価格評価
IPOとしては超小型案件で、想定価格も低めに設定されていることから、初値上昇の可能性が高そうです。今期利益予想によるPERは12.2倍と業種平均67.9倍(情報通信・グロース)と比較して割安です。なお、上場時の株主はNE株を現物配当される現在のHamee株主となるため、特にすぐに現金化したい個人投資家などが多い場合には、売りが殺到する可能性もあります。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは一定程度の初値上昇が期待できるため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
期待度 | 評価点 |
---|---|
9.5 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(25.8末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(25.8末時点)。 |
---|---|---|---|---|
4.2 億円 | 4.2 % | 26.7 % | 12.8 倍 | 3.1 倍 |
情報・通信 | 8.9 % | 10.1 % | 67.9 倍 | 4.1 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格730円から+670円(+91.8%)高い1,400円と予想します。なお、AI予測値は2,079円となっており、これより低い弱気の予想としています。
初値予想 (想定価格比) | 1,400円(10/1予想) (+670円 / +91.8%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 730円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では25年3月に上場したTalentX(330A)の初値騰落率は+36.8%でした。
今回のIPOと同じシステムPF関連に分類されるIPOは2007年以降52件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は90.4%、初値騰落率の平均は+145.8%(中央値+124.9%)となっています。
また、今回と同じ超小型のIPOは2016年以降101件で、勝率は90.1%、初値騰落率の平均は+174.7%(中央値+135.5%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
TalentX | +36.8% | 14.7 | 46.2% | 44.3% |
POPER | +1.4% | 3.8 | 69.1% | -243.4% |
ビートレンド | +257.5% | 5.1 | 17.5% | 14.2% |
インターファクトリー | +429.2% | 9.3 | 12.3% | 32.7% |
▌システムPFのIPO実績
(EC・決済などを行うプラットフォーム運営)
シスPF | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2025/10/1 現在)
システムPFの直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
410A GMOコマース | 2025/9/25 | +80.6 % |
332A ミーク | 2025/3/21 | +5.6 % |
330A TalentX | 2025/3/18 | +36.8 % |
198A ポストプライム | 2024/6/20 | ±0.0 % |
149A シンカ | 2024/3/27 | +26.6 % |
シスPFのIPO騰落率分布
▌超小型のIPO実績
(超小型:供給額5億円未満のIPO)
超小型 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2025/10/1 現在)
超小型の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
391A 山忠 | 2025/7/29 | ±0.0 % |
387A フラー | 2025/7/24 | +344.4 % |
353A A-エレコミ | 2025/4/25 | +29.4 % |
338A Zenmu | 2025/3/27 | +216.5 % |
9388 パパネッツ | 2025/3/21 | +18.6 % |
超小型のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)