テラテクノロジー(483A)のIPO情報と初値予想

 テラテクノロジー(483A)東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、テラテクノロジーのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『システム開発事業』となっています。

会社名テラテクノロジー(483A)
所在地東京都豊島区東池袋三丁目4番3号池袋イースト
設立日1991年2月12日
従業員数366人
業種情報・通信業

【企業サイト】
テラテクノロジー公式サイト
https://www.teratech.co.jp/

事業解説
 システムインテグレータ(SIer)として、大手企業や、官公庁・公的機関を最終顧客としたソフトウエア開発はもとより、稼働支援やシステム改変、運用・保守を含めトータルにサービスを提供しています。特に、公共分野の入札案件や大規模開発案件は大手ITベンダーや大手SIerが一次請となるケースが多く、主要顧客である富士通㈱のコアパートナー認定や、TIS㈱の組織戦略パートナー認定を受けており、継続的かつ安定的な取引を行っています。

沿革 

テラテクノロジーのトップメッセージ

代表取締役 宮本 一成

 当社は1991年に独立系ソフトハウスとしてシステム開発事業を開始しました。以後、政府系システム、通信キャリアネットワーク、情報サービスソリューション、金融分野システム、製造業その他向けシステムと業務を拡大してまいりました。

(引用:テラテクノロジーHP
1991年2月
東京都板橋区にテラインターナショナル㈱を資本金1,000千円で設立、独立系ソフトウエアハウスとしてシステム開発事業を開始
1992年2月
本社を東京都豊島区上池袋に移転
1992年12月
資本金を4,000千円に増資
1993年8月
資本金を10,000千円に増資
1995年4月
公共分野のシステム開発業務を開始
1996年4月
通信分野のシステム開発業務を開始
1996年6月
本社を東京都豊島区東池袋に移転
1997年4月
資本金を12,000千円に増資
1997年7月
資本金を20,000千円に増資
1999年4月
情報サービス分野のシステム開発業務を開始
2000年8月
一般労働者派遣事業許可を取得
2001年5月
国際規格ISO9001認証取得
2004年4月
プライバシーマーク認証取得
2007年4月
車両運行システム(IoT)プロジェクト開始2009年8月 e-net㈱設立(連結子会社)
2010年10月
クラウド基盤構築プロジェクト開始
2011年3月
国際規格ISO14001認証取得
2012年11月
㈱ウイッツインテグレーションの発行済株式の49%を取得
2012年11月
日本クラウド㈱に出資
2012年12月
国際規格ISO/IEC27001認証取得
2013年2月
東京都から東京ライフ・ワーク・バランス認定企業に認定
2014年4月
島根県松江市に松江R&Dセンターを開設
2014年6月
㈱ウイッツインテグレーションの発行済株式の51%を追加取得し完全子会社化
2014年8月
e-net㈱が商号を知識工学㈱に変更、本社を長野県長野市に移転
2014年9月
知識工学㈱(元e-net㈱)が日本クラウド㈱及び知識工学㈱より事業譲渡を受ける
2016年2月
商号をテラテクノロジー㈱に変更
2016年4月
完全子会社である㈱ウイッツインテグレーションを吸収合併
2020年7月
モバイルネットワーク5G対応プロジェクト開始2022年1月 ビジネスチャットサービス「ChatCo!(チャトコ)」をリリース
2022年4月
社員数増加に伴い現在の4事業部6部門に組織変更
2022年6月
健康保険組合連合会東京連合会から健康優良企業認定制度で銀の認定
2023年5月
公共分野で、社会保障給付費請求受付システムのDX案件を受注
2024年6月
情報サービス分野で、ローコード開発によるデジタルワークフロー開発プロジェクトが拡大
2024年8月
通信分野で、広域仮想ネットワークシステム開発プロジェクトを大手通信事業者から直接受注
2025年8月
島根県浜田市とDXに関する連携協定を締結

財務データ 

 2025年3月期の事業売上は4,387百万円で、構成比は分野別に、公共16.8%通信12.2%情報サービス36.2%金融12.5%その他製造22.3%、となっています。

 前期(25.3)は通信分野で大手通信事業者からの案件が縮小傾向にある一方で、情報サービス、金融及び製造その他分野が複数案件で順調に拡大しており、前期比で売上は12%増最終は375百万円で着地しました。

 今期(26.3)は公共、金融分野は案件が縮小傾向にある一方で、情報サービス、通信、製造その他分野の案件が拡大しており、2Q累計は売上・利益ともに前期をやや上回るペースで推移しています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2021/32022/32023/32024/32025/3
売上高2,9323,3323,4553,9134,387
経常益284369421461520
最終益189264300329375
純資産1,1001,3641,6642,1222,453
総資産1,8172,1582,2822,9153,356
※単位は百万円、24.3から連結決算

▌分野別の売上内訳(2025.3)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業585社の中央値と比較すると、収益力は総資本営業利益率が15.1%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が347.6%となっており、比較的良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 3,356 百万円売上高 4,387 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 11.6(μ:6.5 Me:8.1
総資本営業利益率 = 15.1(μ:6.6 Me:7.5
自己資本利益率 = 15.3(μ:-11.8 Me:10.1
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 347.6(μ:328.5 Me:258.5
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 14.8(μ:110.4 Me:42.2
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 73.1(μ:59.7 Me:62.5
成長性指標
売上高成長率 = 12.1(μ:13.2 Me:8.9

※カッコ内の数値は情報・通信業(585社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は1,801千株で、株式保有割合は、経営陣93.8%その他6.2%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
㈱ネッツ52.19%180日
宮本 一成(社長)38.31%180日
佐々木 光宏0.73%180日
関 吉昭0.73%180日
平沼 雄介0.73%180日
従業員0.73%180日
従業員0.73%180日
岸上 佐知子0.73%180日
増田 徹0.49%180日
従業員従業員
上記以外4.63%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 1,801千株(2025年11月21日現在)

?

93.86.2
1,689 千株– 千株112 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式なし。

2IPOの基本情報

公開株数 

 今回のIPOでは募集株式の全てが売出し株式で、主に経営陣の株式放出によるものです。初値形成にはかなりネガティブといえます。

 上場する株式の時価総額は37.6億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の31.6%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は13.7億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。0 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。0 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。655,500 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。570,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。85,500 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。655,500 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
37.6 億円 億円31.60
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

62.16.231.6
※新株予約権による潜在株式なし。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではSBI証券が主幹事となっており、割当株数の36%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
SBI証券(主幹事)-%-株
岩井コスモ証券-%-株
岡三証券-%-株
むさし証券-%-株
松井証券-%-株
丸三証券-%-株
極東証券-%-株
JTG証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
SBIネオトレード証券SBI-株
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

36%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日11月21日(金)
抽選申込期間12月9日(火)~12月12日(金)
当選発表日12月15日(月)
購入申込期間12月16日(火)~12月19日(金)
上場日12月23日(火)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
1130121122123124125126
1271281291210121112121213
1214121512161217121812191220
1221122212231224122512261227
1228122912301231111213

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 システム開発関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度はまずまずです。ここ数年は利益は安定的に確保し、事業基盤は盤石といえるものの、売上は伸び悩んでおり、成長性に課題があります。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中小型案件で、株主は安定株主(経営陣等)で占められており、需給に不安はありません。ただ、募集株式の全てが経営陣による株式放出となるのはネガティブ材料です。想定価格でPER10倍(前期ベース)は業種平均18.3倍(情報通信・スタンダード)と比較して割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 7.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(スタンダード)の単純PER(25.10末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(スタンダード)の単純PBR(25.10末時点)。
13.7 億円12.115.310.01.5
情報・通信8.910.118.31.8
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格2,090円から+310円(+14.8%)高い2,400円と予想します。なお、AI予測値は3,420円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
2,400円(11/24予想)
+310円 / +14.8%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。2,090円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(11/24計算)

AI予測3,420円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+14.8+63.6+124.2+67.7
(想定価格比)(想定価格比)シス開発中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では23年6月に上場したオービーシステム(5576)の初値騰落率は+76.0%でした。

 今回のIPOと同じシステム開発関連に分類されるIPOは2007年以降115件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は91.3%、初値騰落率の平均は+124.2%(中央値+101.3%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降233件で、勝率は88.4%、初値騰落率の平均は+67.7%(中央値+50.3%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
オービーシステム+76.0%11.8-1.3%10.1%
ボードルア+37.5%29.816.5%32.6%
シイエヌエス+55.2%9.93.2%18.9%

▌システム開発のIPO実績
(システムの受託開発や役務提供など)

シス開発勝率平均騰落率
115
(2007年以降)
91.3
(105件 / 115件)
+124.2
(Me:+101.3 %)

(2025/11/24 現在)

システム開発の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
387A フラー2025/7/24+344.4
339A プログレス2025/3/28+1.5
5241 日本オーエー2024/12/23+9.1
304A フォルシア2024/12/26+108.0
228A オプロ2024/8/21+28.7

シス開発のIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
233
(2016年以降)
88.4
(206件 / 233件)
+67.7
(Me:+50.3 %)

(2025/11/24 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
423A ライオン事務器2025/10/15+75.6
386A みのや2025/7/18+64.4
343A IACEトラベル2025/4/7-13.6
340A ジグザグ2025/3/31+35.3
330A TalentX2025/3/18+36.8

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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