はじめてのIPO

 ここでは初めてIPO投資を始める人に向けて、IPO投資を基本から解説していきます。株式投資は簡単ではありませんが、このIPO投資だけは、株式投資の初心者でも少しの「運」さえあれば、誰でも簡単に稼ぐことができます。もちろん、「投資」には違いありませんので、リスクがゼロということはありませんが、一般的な株式投資よりも遥かに簡単で短期間に稼ぐことができます。これを機会に、ぜひIPO投資にチャレンジしてみましょう。

1IPOの基本

IPOってなに? 

 IPOという言葉で連想するのは、ギラギラした青年社長が会社を急成長させ、会社を上場させて巨万の富を得る、いわゆる人生のサクセス・ストーリ的なイメージかもしれません。もちろんそうしたパターンのIPOも多いのですが、そのほかにも、非上場の大企業が新たに上場するパターンや、過去に上場廃止した企業が再び上場するパターンなど、いくつかのパターンがあります。こうした違いは、IPO投資から得られるリターンにも大きな影響を与えます。

 「IPO」は、「Initial(初めの)Public(公開の)Offering(売り出し)」の略で、日本語では「新規公開(上場)株式」のことを指します。企業が自社の株式を新たに取引所に上場させ、株式を広く投資家に保有してもらうことを目的に行われます

 一般的に株式を上場させている企業を「上場企業」、上場させていない企業は「非上場企業」と呼ばれています。

IPOとPOの違い
 IPO(新規公開)と似たような言葉で「PO」というのがあります。IPOが非上場企業による新規の株式募集に対し、PO(公募・売出)は、既に上場している企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的に株式募集を行うものです。端的に言えば、募集する企業が「非上場」か「既上場」かの違いになります。ただし、POの募集は投資という点ではIPOほど旨味があるものではないので、投資にあたっては慎重な判断が必要になります

▌なんで株式を上場させるの?

 そもそも企業はなぜ株式を証券取引所に上場させるのでしょうか?
 一般的に企業が上場するメリットは、「市場からの資金調達が容易になる」「知名度や社会的信用が高まる」「優秀な人材が採用しやすくなる」などと言われています。ですがもちろんデメリットもあります。例えば、上場準備のためのコストが膨大であったり、決算の四半期開示や適時開示などの継続的な管理コストの発生、買収リスクなどです。

 そのため、上場している企業であっても、上場のデメリットがメリットを上回れば、市場からの撤退を選択する企業も出てきます。また、企業買収などによって、結果的に市場から撤退するケースもあります。

2IPO投資の基本

IPO投資の収益 

 IPO投資では公開価格と初値の差が収益となります。「公開価格<初値」となれば投資の収益はプラスとなり、逆に「公開価格>初値」であればマイナスということです。もちろんこれは、初値で売却した際の損益ですので、売却せずに保有し続ければ、その後の株価の推移によって利益が増えたり、逆に損失が拡大していくこともあります。

IPO投資の収益式
IPO投資の利益初値公開価格

▌なんでIPOは簡単に稼げるの?

 IPO投資が簡単に稼げると言われているのは、初値と公開価格に大きな差が生じる可能性が極めて高いからです。収益式にあるように、投資家の収益は公開価格が低いほど、そして初値が高くなるほど儲かります。IPOの公開価格は、企業の資金調達を確実にするために比較的安く設定される傾向にあります。一方で、公開される株式数は少なく、株への需要は供給を大きく上回るため、初値は大きく上昇します。こうした要因で、結果的に初値と公開価格に大きな差が生まれ、投資家はこの差をもって簡単に稼げるというわけです。

▌過去の事例

 ここで実際に過去の事例を元に、IPO投資の収益を確認してみましょう。

バルミューダ(2020/12/16上場)
3,150円 初値1,930円 公開価格×100=+122,000

 ⇒ 初値売却で122,000円の利益

ローランド(2020/12/16上場)
2,954円 初値3,100円 公開価格×100=-14,600

 ⇒ 初値売却で14,600円の損失

公開価格と初値 

 IPO投資では公開価格と初値が収益の根幹となります。ここで、この「公開価格」と「初値」がどのように決まるのか簡単に確認しておきましょう。

▌公開価格はブックビルディング方式

 公開価格は、ブックビルディング(以下、BB)方式で決まるのが主流です。BB方式とは、証券会社が①株価算定能力が高いと思われる機関投資家等の意見をもとに仮条件を決定した後、②その条件を投資家に提示し、投資家の需要を調査・把握した上で(BB期間)、公開価格を決定するものです。

▌初値はオークション方式

 初値は一般的にオークション方式で、価格優先、時間優先、成行優先で決まります。初値の場合、公開価格からスタートして、需要量(買い注文)と供給量(売り注文)をマッチングさせていき、需給のバランスが取れるまで、一定時間ごとに価格を切り上げ、最終的に需要と供給がバランスした時の価格が初値となります。

初値決定前の気配更新
 初値が決まるまでの気配更新について、上限は最初の気配値段(発行価格または売出価格等)の2.3倍を目途とし、公開価格の5%(更新時間10分)、または各市場における通常の気配の更新値幅(更新時間3分、福証・札証は5分)をもって行われます。下限は最初の気配値段の0.75倍を目途とし、板中心値段に基づく気配の更新値幅(更新時間10分)、または各市場における通常の気配の更新値幅(更新時間3分、福証・札証は5分)をもって行われます。

 公開価格と初値は上記のような仕組みで決まります。なお、初値については、需要と供給の差があまりに大きい場合には上場初日に値が付かないこともあり、その場合、初値の決定(売買成立)は翌日以降に持ち越しになりますので、初値で売却する際には注意が必要です。

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