エータイ(369A)のIPO情報と初値予想

 エータイ(369A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、エータイのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『永代供養墓の企画・建立・運営・販売代行を行う永代供養墓募集代行業務およびその他関連業務』となっています。

会社名エータイ(369A)
所在地東京都千代田区神田錦町三丁目21番地
設立日2004年10月7日
従業員数59人
業種サービス業

【企業サイト】
エータイ公式サイト
https://a-tie.co.jp/

事業解説
 永代供養墓募集代行業務は、寺院に対して永代供養墓の運営に係る業務をワンストップで提供することで、永代供養墓利用者の成約額から永代供養など宗教活動の対価として寺院に配分する志納料を差し引いた金額を募集代行手数料として収受します。企画提案する永代供養墓の特徴としては、合祀墓、個別墓(マンションタイプ)、個別墓(戸建てタイプ)、樹木葬があります。
エータイの事業説明
(画像:エータイHP

沿革 

エータイのトップメッセージ

代表取締役社長 樺山 玄基

 当社は2004年の設立以来、企業理念として掲げている「人と人のこころのつながりをサポートし、社会のこころを豊かにする」ため、将来の新しいお墓のカタチを見据えた斬新な発想かつ温故知新な事象を提携寺院と練り上げ、時代に適合した永代供養墓とそのあるべき姿の構築を目指しております。

(引用:エータイHP
2004年10月
浄水処理場の汚泥処理プラントの委託・販売、プラント建設工事の機械器具の販売を目的として、㈱日本クレーベストを東京都新宿区に設立
2007年11月
永代供養墓事業に参入し、永代供養墓の建立、募集代行業務を開始
2009年3月
プラント事業から撤退し、永代供養墓募集代行業務に特化
2013年1月
埼玉県(さいたま市岩槻区)での樹木葬の取り扱いを開始
2016年3月
東京都(豊島区)での冥福五輪塔の取り扱いを開始
2017年8月
㈱永代供養墓普及会※1(㈱TERAビズへ社名変更)、㈱永代供養墓友の会※2(㈱ブリスへ社名変更)の株式の譲渡を受け、両社を100%子会社化
2018年10月
本社を東京都千代田区神田錦町に移転 社名を㈱エータイへ変更
2019年8月
㈱TERAビズ(旧社名㈱永代供養墓普及会)、㈱ブリス(旧社名㈱永代供養墓友の会)を吸収合併
2020年9月
関東(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、群馬県、茨城県)を中心とし、開苑寺院数50寺院を達成
2022年11月
佐賀県(唐津市)での永代供養墓募集代行業務を開始
2023年1月
静岡県(静岡市葵区)での永代供養墓募集代行業務を開始
2023年3月
福岡県(行橋市)での永代供養墓募集代行業務を開始
2023年9月
愛知県(名古屋市天白区)での永代供養墓募集代行業務を開始

財務データ 

 2024年8月期の事業売上は2,376百万円で、構成比はセグメント別に、寺院コンサル100%となっています。

 前期(24.8)は新規に9寺院で募集代行を開始し、主として個別墓及び樹木葬の販売代行が好調に推移し、前期比で売上は23%増最終は297百万円で着地しました。

 今期(25.8)は新たに15寺院との契約を獲得できる状況にあるほか、既存開苑寺院でもマーケティング施策による顧客の寺院への訪問件数増を見込んでおり、売上は20%増最終は435百万円を見込んでいます。1株利益は107.79円配当は38.05円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/82021/82022/82023/82024/8
売上高1,5871,8151,7831,9292,376
経常益500528413407508
最終益368365276276297
純資産1,3221,6871,9632,2392,537
総資産1,8452,2572,4652,6573,272
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.8)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が21.3%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が335%となっており、かなり良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 3,272 百万円売上高 2,376 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 21.3(μ:6.7 Me:6.7
総資本営業利益率 = 15.5(μ:7 Me:7.4
自己資本利益率 = 11.7(μ:1.3 Me:9.9
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 335(μ:266.4 Me:204.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 49.9(μ:119.6 Me:61.8
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 77.5(μ:51.6 Me:51.4
成長性指標
売上高成長率 = 23.2(μ:14.3 Me:9.9

※カッコ内の数値はサービス業(548社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は4,112千株で、株式保有割合は、経営陣98.1%その他1.9%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
樺山 伸一58.37%180日
㈱エージーアイ29.19%180日
樺山 玄基(社長)9.73%180日
森 英之0.44%180日
山本 守0.36%180日
田中 佑治0.29%180日
従業員0.15%継続保有
和田 圭史0.12%継続保有
従業員0.12%継続保有
従業員0.10%継続保有
上記以外1.13%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 4,112千株(2025年5月23日現在)

?

98.11.9
4,034.3 千株– 千株77.3 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(111.5千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は14.5%と低く、売出される株式は、主に経営陣の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

 上場する株式の時価総額は62.2億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の32.5%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は23.9億円で、IPOとしては中型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。204,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。204,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。1,410,600 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。1,200,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。210,600 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。1,614,600 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
62.2 億円3 億円33.414.5
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

65.71.832.5
※新株予約権による潜在株式(111.5千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは大和証券が主幹事となっており、割当株数の14%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
大和証券(主幹事)-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
岡三証券-%-株
松井証券-%-株
丸三証券-%-株
あかつき証券-%-株
水戸証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
CONNECT大和-株
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

14%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日5月23日(金)
抽選申込期間6月11日(水)~6月17日(火)
当選発表日6月18日(水)
購入申込期間6月19日(木)~6月24日(火)
上場日6月26日(木)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
61626364656667
6869610611612613614
615616617618619620621
622623624625626627628
6296307172737475

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 核家族化や少子高齢化が進む中、墓守の承継者不足により永代供養の需要は年々高まっており、事業の注目度は比較的高いといえます。売上は着実に増加しており、利益も安定的に確保していることから、成長性及び収益力はかなり評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中型案件で、株主の大半は安定株主が占めており、ロックアップも設定されているため、需給に不安はありません。今期利益予想によるPERは13.7倍と業種平均24.7倍(サービス・グロース)と比較してやや割安な水準で、配当利回りは2.6%となっています。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(グロース)の単純PER(25.4末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(グロース)の単純PBR(25.4末時点)。
23.9 億円23.211.720.92.2
サービス業9.99.924.72.5
※下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,480円から+320円(+21.6%)高い1,800円と予想します。なお、AI予測値は1,808円となっており、これと同程度の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,800円(5/26予想)
+320円 / +21.6%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,480円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(5/26計算)

AI予測1,808円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+21.6+22.2+45.3+33.4
(想定価格比)(想定価格比)サービス業中型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では22年2月に上場したCaSy(9215)の初値騰落率は+48.2%でした。

 今回のIPOと同じサービス業(その他)関連に分類されるIPOは2007年以降167件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は75.4%、初値騰落率の平均は+45.3%(中央値+26.7%)となっています。

 また、今回と同じ中型のIPOは2016年以降174件で、勝率は76.4%、初値騰落率の平均は+33.4%(中央値+17.6%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
CaSy+48.2%3.319.7%-244.9%
エヌリンクス+108.8%7.635.6%35.2%

▌サービス業(その他)のIPO実績
(サービス業のうち他に分類されない企業など)

サービス業勝率平均騰落率
167
(2007年以降)
75.4
(126件 / 167件)
+45.3
(Me:+26.7 %)

(2025/5/26 現在)

サービス業(その他)の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
353A A-エレコミ2025/4/25+29.4
352A Lクリエイト2025/4/24+2.4
343A IACEトラベル2025/4/7-13.6
9388 パパネッツ2025/3/21+18.6
324A ブッキングR2025/2/21+25.0

サービス業のIPO騰落率分布

▌中型のIPO実績
(中型:供給額20~50億円未満のIPO)

中型勝率平均騰落率
174
(2016年以降)
76.4
(133件 / 174件)
+33.4
(Me:+17.6 %)

(2025/5/26 現在)

中型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
352A Lクリエイト2025/4/24+2.4
341A トヨコー2025/3/28+19.3
332A ミーク2025/3/21+5.6
331A メディックス2025/3/19-5.0
319A 技術承継機構2025/2/5+35.0

中型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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