アスア（246A）のIPO情報と初値予想【仮条件決定】

　アスア（246A）の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、アスアのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します！！

　事業内容は、『物流会社を対象とした安全活動などに関するコンサルティング、通信機器の販売、および、CRMの開発など』となっています。

　2023年6月期の事業売上は1,239百万円で、構成比はセグメント別に、コンサルティング53.5％、CRMイノベーション19.7％、通信ネットワーク26.8％となっています。

　前期(23.6)は主力のコンサルティング事業における「TRYESレポート」の販売が拡大したことで、前期比で売上は1％増、最終は69百万円で着地しました。

　今期(24.6)は小規模物流事業者にも対応可能なWEBを活用した「TRYESレポート」の販売が拡大しており、売上は10％増、最終は118百万円を見込んでいます。１株利益は57円、配当は5.7円予想としています。

　来期(25.6)は、売上は5％増、最終益は136百万円を見込み、1株利益は56.62円、配当は1株5.66円の予想としています。

▌比率分析

　企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が14.8％など、平均的な数値となっています。

　また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が129.3％となっており、やや厳しい状態といえます。

　現在の発行済株式総数は2,245千株で、株式保有割合は、経営陣91.1％、その他8.9％となっています。

　株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

　IPOの公募比率は50.9％で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に経営陣の株式放出によるものです。

　上場する株式の時価総額は15.9億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の35.2％分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は6.9億円で、IPOとしては小型の案件になります。

　今回のIPOでは東海東京証券が主幹事となっており、割当株数の6％程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

▌注目度・業績評価

　コンサル関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度はまずまずです。売上は伸び悩み傾向で成長性に不満はありますが、利益は安定的に確保しており、収益性は評価できます。

▌需給・価格評価

　IPOとしては小型案件で、株主の大半が創業者のため売り圧力は弱く、需給に不安はありません。来期予想によるPERは11.1倍と業種平均26.4倍と比較してかなり割安です。また、予想配当利回り0.9％です。

▌IPO抽選へのスタンス

　今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

　上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格630円から+170円(+27.0%)高い800円と予想します。なお、AI予測値は1,277円となっており、これより低い弱気の予想としています。

　最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では23年12月に上場したナイル(5618)の初値騰落率は-8.3％でした。

　今回のIPOと同じコンサルティング関連に分類されるIPOは2007年以降49件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は91.8％、初値騰落率の平均は+81.5％(中央値+54.9％)となっています。

　また、今回と同じ小型のIPOは2016年以降188件で、勝率は95.7％、初値騰落率の平均は+126.4％(中央値+116.7％)となっています。