アクセルスペースホールディングス(402A)のIPO情報と初値予想
- 2025/7/14
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アクセルスペースホールディングス(402A)の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、アクセルスペースホールディングスのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『小型衛星の設計・製造・打上・運用サービス(AxelLiner事業)及び光学衛星画像の販売及び衛星画像を用いたソリューションサービスの提供(AxelGlobe事業)』となっています。
会社名 | アクセルスペースホールディングス(402A) |
---|---|
所在地 | 東京都中央区日本橋本町三丁目3番3号 |
設立日 | 2020年3月2日 |
従業員数 | 182人 |
業種 | 輸送用機器 |
【企業サイト】
https://www.axelspacehd.com/ja/

沿革

代表取締役 中村 友哉
東京大学・東京工業大学発の小型衛星ベンチャーとしてスタートしたアクセルスペースは、2023年夏に創業15周年を迎えることができました。現在、5機の光学地球観測衛星で日々世界の様子を捉え、世界30カ国以上で農業や災害監視、報道、環境など、多様な用途での活用が進んでいます。
財務データ
2025年5月期の事業売上は1,586百万円で、構成比はセグメント別に、AxelLiner83.6%、AxelGlobe16.4%となっています。
前期(25.5)はAxelLiner事業において政府系機関からの委託試験研究が進捗した一方で、27.5に打上げ予定の中分解能衛星「GRUS-3」の研究開発費を計上したことで、前期比で売上は△25%減、最終は△3879百万円で着地しました。
今期(26.5)はAxelGlobe事業で国内外でのサービス利用拡大に加え、安全保障に関する政府案件の獲得を目指し、売上は130%増、最終は△3,879百万円を見込んでいます。1株利益は-69.8円、配当は0円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2021/5 | 2022/5 | 2023/5 | 2024/5 | 2025/5 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 181 | 411 | 1,314 | 2,111 | 1,586 |
経常益 | 2 | △1094 | △1330 | △2510 | △3876 |
最終益 | 1 | △1677 | △1342 | △3174 | △3879 |
純資産 | 5,276 | 2,326 | 1,910 | 4,977 | 3,912 |
総資産 | 5,393 | 3,343 | 2,873 | 7,353 | 5,871 |
▌セグメント別の売上内訳(2025.5)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している輸送用機器87社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が400.5%となっており、かなり良好な状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 5,871 百万円 | 売上高 1,586 百万円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は輸送用機器(87社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は48,786千株で、株式保有割合は、ベンチャーキャピタル(VC)52.6%、その他36.7%、経営陣10.7%となっています。
VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロースⅠ合同会社 | 12.17% | 90日/1.5倍 |
SMBC-GBグロース1号LPS | 10.28% | 継続保有 |
中村 友哉(社長) | 7.07% | 180日 |
永島 隆 | 5.49% | 180日 |
宮下 直己 | 4.63% | 180日 |
㈱SMBC信託銀行(特定運用金外信託口 宇宙フロンティアファンド) | 4.50% | 90日/1.5倍 |
㈱Space Compass | 3.93% | 180日 |
Kepple Liquidity1号LPS | 3.47% | 90日/1.5倍 |
SBI Ventures Three合同会社 | 3.06% | 90日/1.5倍 |
ジャパン・コインベスト3号LPS | 2.81% | 90日/1.5倍 |
上記以外 | 42.59% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 48,786千株(2025年7月10日現在)
10.7 % | – % | 36.7 % | 52.6 % |
5,230 千株 | – 千株 | 17,895.6 千株 | 25,660.4 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
今回のIPOでは募集株式の全てが公募株式で、主に新規発行になります。初値形成にはかなりポジティブといえます。
上場する株式の時価総額は202.2億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の23.8%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は57.5億円で、IPOとしては中大型以上の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 15,211,100 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 15,211,100 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 1,455,600 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 0 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 1,455,600 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 16,666,700 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
202.2 億円 | 52.5 億円 | 26 % | 100 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
8.2 % | – % | 28.0 % | 40.1 % | 23.8 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOではSMBC日興証券が主幹事となっており、割当株数の10%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
SMBC日興証券(主幹事) | -% | -株 |
大和証券 | -% | -株 |
SBI証券 | -% | -株 |
みずほ証券 | -% | -株 |
東海東京証券 | -% | -株 |
極東証券 | -% | -株 |
合計 | 100% | -株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
CONNECT | 大和 | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
個人 | -本 |
---|---|
抽選 | –本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 7月10日(木) |
---|---|
抽選申込期間 | 7月28日(月)~8月1日(金) |
当選発表日 | 8月4日(月) |
購入申込期間 | 8月5日(火)~8月8日(金) |
上場日 | 8月13日(水) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
720 | 721 | 722 | 723 | 724 | 725 | 726 |
727 | 728 | 729 | 730 | 731 | 81 | 82 |
83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 |
810 | 811 | 812 | 813 | 814 | 815 | 816 |
817 | 818 | 819 | 820 | 821 | 822 | 823 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
小型衛星開発事業には新規性があり、注目度はかなり高いです。小型衛星に対する官民からの需要は強く、26年には次世代地球観測衛星を打ち上げ予定で、売上は拡大していくことが予想されます。収益力については、現状、赤字が継続しており、黒字転換が大きな課題といえます。
▌需給・価格評価
IPOとしては中大型案件で、株主にVCが多く入っているもののロックアップは厳しめで、想定価格もかなり低めに設定されていますので、需給に大きな不安はありません。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは一定程度の初値上昇が期待できるため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
期待度 | 評価点 |
---|---|
7.5 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は輸送用機器(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は輸送用機器(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は輸送用機器(グロース)の単純PER(25.5末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は輸送用機器(グロース)の単純PBR(25.5末時点)。 |
---|---|---|---|---|
57.5 億円 | -24.9 % | -99.2 % | – 倍 | 2.1 倍 |
輸送用機器 | 10.6 % | 4.8 % | 17.0 倍 | 2.4 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格345円から+305円(+88.4%)高い650円と予想します。なお、AI予測値は740円となっており、これより低い弱気の予想としています。
初値予想 (想定価格比) | 650円(7/14予想) (+305円 / +88.4%) |
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想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 345円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年12月に上場したSynspective(290A)の初値騰落率は+53.3%でした。
今回のIPOと同じ製造・機械関連関連に分類されるIPOは2007年以降108件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は63.0%、初値騰落率の平均は+32.9%(中央値+7.2%)となっています。
また、今回と同じ中大型以上のIPOは2016年以降162件で、勝率は53.1%、初値騰落率の平均は+14.7%(中央値+1.5%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
Syns | +53.3% | 112.7 | 181.7% | -19.3% |
アストロスケール | +50.7% | 192.4 | 97.0% | -56.9% |
QPS研究所 | +120.5% | 39.0 | 1,857.9% | -21.3% |
▌製造・機械関連のIPO実績
(機械、電気機器、その他製品など)
製造・機械 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2025/7/14 現在)
製造・機械関連の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
368A 北里コーポ | 2025/6/25 | +49.3 % |
7790 バルコス | 2025/2/3 | +0.1 % |
285A キオクシアHD | 2024/12/18 | -1.0 % |
278A テラドローン | 2024/11/29 | -8.0 % |
268A リガク | 2024/10/25 | -4.4 % |
製造・機械のIPO騰落率分布
▌中大型以上のIPO実績
(中大型以上:供給額50億円以上のIPO)
中大型以上 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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(2025/7/14 現在)
中大型以上の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
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368A 北里コーポ | 2025/6/25 | +49.3 % |
367A プリモGHD | 2025/6/24 | -6.4 % |
350A デジタルグリッド | 2025/4/22 | +17.5 % |
339A プログレス | 2025/3/28 | +1.5 % |
336A ダイナミクマップ | 2025/3/27 | +27.5 % |
中大型以上のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)