クラシコ(442A)のIPO情報と初値予想

 クラシコ(442A)東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、クラシコのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『医療従事者向け白衣・スクラブ等のメディカルアパレルの企画、開発及び販売』となっています。

会社名クラシコ(442A)
所在地東京都港区赤坂九丁目5番12号
設立日2008年12月24日
従業員数86人
業種繊維製品

【企業サイト】
クラシコ公式サイト
https://classico.co.jp/

事業解説
 クラシコのメディカルウェアは、独自に開発したファッション性と耐久性の両立を実現する生地を使い、イタリア仕立てのテーラースーツの工房でカッター&デザイナー経験をもつ経験豊富なメンバーがデザインとパターン作りを担当することで、機能的にも情緒的にも美しく快適で、働く意欲を高めるメディカルウェアとなっています。
クラシコの事業説明
(画像:クラシコHP

沿革 

クラシコのトップメッセージ

代表取締役社長 大和 新

 代表取締役である大和新が、創業以前に知人の医師から寄せられた、「あの白衣を着ても仕事のモチベーションが上がらない」という切実な声に耳を傾け、「なぜ誰もかっこいい白衣を作らないのか。」そんなシンプルな疑問から、クラシコはスタートしました。

(引用:クラシコHP
2008年12月
当社を設立し、自社で開発した白衣の販売をECサイトにて本格的に開始
2010年3月
アメリカ「IDA」最優秀賞受賞(白衣/クラシコテーラー)
2012年7月
海外展開を台湾/米国から開始
2015年6月
カリフォルニア発のスペシャリティストア「ロンハーマン」とコラボレーションした白衣を発売
2016年2月
クラウドファンディング「INDIEGOGO」で聴診器「U scope」発表
2016年6月
47,576USドルの資金調達に成功し聴診器「U scope」発売
2018年3月
ルームウェアブランド「ジェラート ピケ」とコラボレーションした初のナースウェアを発売
2019年1月
病院向け一括導入(BtoB)の展開を本格的に開始
2019年7月
東京・表参道に期間限定で「Classico OMOTESANDO」をオープン
2020年3月
両社事業の強化・拡大を目的として㈱エランと資本業務提携
2021年5月
東京・六本木に「Classico ROPPONGI」を出店
2022年3月
東京・丸の内に「Classico MARUNOUCHI」を出店
2022年5月
入院患者のための新ブランド「lifte」を発表
2023年3月
大阪・梅田に「Classico OSAKA」を出店
2023年12月
愛知・名古屋に「Classico NAGOYA」を出店
2024年2月
神奈川・横浜に「Classico YOKOHAMA」を出店
2025年1月
調達力強化や両社事業の拡充を目的としてMNインターファッション㈱と資本業務提携

財務データ 

 2024年10月期の事業売上は3,086百万円で、構成比はセグメント別に、メディカルアパレル100%となっています。

 前期(24.10)は主力商品の欠品改善や季節感のある商品の投入といった商品展開の拡大等を推進した一方で、販管費の抑制による経営効率の合理化を進め、前期比で売上は27%増最終は28百万円で着地しました。

 今期(25.10)は㈱エランと共同開発をした患者衣「lifte」の認知度が上がり、導入病院からの評判も高く需要が伸びたことや国内ECにおける販促施策の強化などにより、売上は16%増最終は150百万円を見込んでいます。1株利益は114.24円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/102021/102022/102023/102024/10
売上高9071,3391,7062,4343,086
経常益47△56△360△17555
最終益27△58△336△11928
純資産45239559541569
総資産9711,1089411,7421,918
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2024.10)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している繊維製品49社の中央値と比較すると、収益力は総資本営業利益率が3.4%など、やや高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が133.3%となっており、やや厳しい状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 1,918 百万円売上高 3,086 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 2.1(μ:4.3 Me:3.7
総資本営業利益率 = 3.4(μ:2.5 Me:2.1
自己資本利益率 = 4.9(μ:0.5 Me:4.4
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 133.3(μ:292.4 Me:209.9
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 28.2(μ:137.7 Me:83.5
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 29.7(μ:54.9 Me:60.6
成長性指標
売上高成長率 = 26.8(μ:4.1 Me:4.4

※カッコ内の数値は繊維製品(49社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は1,912千株で、株式保有割合は、その他55.0%経営陣45.0%となっています。

 株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
大和新(社長)36.89%180日
㈱エラン30.48%180日
MNインターファッション㈱8.50%
大豆生田伸夫7.60%180日
狩野高志5.23%90日/3倍
福島信広4.13%180日
㈱an butter1.98%180日
相馬知明1.88%継続保有
従業員0.20%継続保有
従業員0.20%継続保有
上記以外2.91%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 1,912千株(2025年10月1日現在)

?

45.055.0
859.6 千株– 千株1,052.3 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(163.5千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 今回のIPOでは募集株式の全てが公募株式で、主に新規発行になります。初値形成にはかなりポジティブといえます。

 上場する株式の時価総額は20.9億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の12.8%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は3.3億円で、IPOとしては超小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。280,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。280,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。42,000 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。0 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。42,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。322,000 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
20.9 億円2.9 億円13.8100
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

39.248.012.8
※新株予約権による潜在株式(163.5千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは大和証券が主幹事となっており、割当株数の14%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
大和証券(主幹事)-%-株
野村證券-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
松井証券-%-株
マネックス証券-%-株
あかつき証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
岡三証券-%-株
丸三証券-%-株
東海東京証券-%-株
水戸証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
CONNECT大和-株
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

14%
個人-本
抽選
裁量
9%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日10月1日(水)
抽選申込期間10月20日(月)~10月24日(金)
当選発表日10月27日(月)
購入申込期間10月28日(火)~10月31日(金)
上場日11月5日(水)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
1012101310141015101610171018
1019102010211022102310241025
102610271028102910301031111
112113114115116117118
119111011111112111311141115

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 医療ウェアに特化したアパレル事業はニッチ性があり、注目度はまずまず高いといえます。事業内容から飛躍的に事業規模を拡大することは難しそうですが、売上は着実に伸びており、直近では黒字転換も達成していることから、事業として将来性にかなり期待が持てます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては超小型案件で、株主には安定株主しかおらず、募集株式もかなり少ないことから、需給面から初値上昇が期待できます。今期利益予想によるPERは9倍と業種平均36.6倍(繊維製品・グロース)と比較して割安な水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは一定程度の初値上昇が期待できるため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 9.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は繊維製品(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は繊維製品(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は繊維製品(グロース)の単純PER(25.8末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は繊維製品(グロース)の単純PBR(25.8末時点)。
3.3 億円26.84.973.62.4
繊維製品4.44.436.616.9
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,030円から+770円(+74.8%)高い1,800円と予想します。なお、AI予測値は1,818円となっており、これと同程度の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,800円(10/2予想)
+770円 / +74.8%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,030円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(10/2計算)

AI予測1,818円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+74.8+76.5+25.7+174.7
(想定価格比)(想定価格比)素材・資材超小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では25年6月に上場した伊澤タオル(365A)の初値騰落率は+2.0%でした。

 今回のIPOと同じ素材・資材関連関連に分類されるIPOは2007年以降96件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は67.7%、初値騰落率の平均は+25.7%(中央値+8.7%)となっています。

 また、今回と同じ超小型のIPOは2016年以降101件で、勝率は90.1%、初値騰落率の平均は+174.7%(中央値+135.5%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
伊澤タオル+2.0%30.2-1.1%14.9%
TENTIAL+30.0%59.2165.9%41.7%

▌素材・資材関連のIPO実績
(化学・鉄鋼・金属、建設業など)

素材・資材勝率平均騰落率
96
(2007年以降)
67.7
(65件 / 96件)
+25.7
(Me:+8.7 %)

(2025/10/2 現在)

素材・資材関連の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
407A UNICONHD2025/9/26+30.7
373A リップス2025/6/30+2.2
365A 伊澤タオル2025/6/20+2.0
341A トヨコー2025/3/28+19.3
5016 JX金属2025/3/19+2.8

素材・資材のIPO騰落率分布

▌超小型のIPO実績
(超小型:供給額5億円未満のIPO)

超小型勝率平均騰落率
101
(2016年以降)
90.1
(91件 / 101件)
+174.7
(Me:+135.5 %)

(2025/10/2 現在)

超小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
391A 山忠2025/7/29±0.0
387A フラー2025/7/24+344.4
353A A-エレコミ2025/4/25+29.4
338A Zenmu2025/3/27+216.5
9388 パパネッツ2025/3/21+18.6

超小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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