FUNDINNO[ファンディーノ](462A)のIPO情報と初値予想

 FUNDINNO[ファンディーノ](462A)東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、FUNDINNO[ファンディーノ]のIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『未上場企業エクイティプラットフォーム事業の運営等』となっています。

会社名FUNDINNO[ファンディーノ](462A)
所在地東京都港区芝五丁目29番11号
設立日2015年11月26日
従業員数120人
業種証券・商品先物取引業

【企業サイト】
FUNDINNO[ファンディーノ]公式サイト
https://fundinno.com/

事業解説
 「FUNDINNO」は、国内初・国内シェアNo.1の株式投資型クラウドファンディングサービスで、IPO前のベンチャー投資が1口約10万円から始められます。主にアーリー/ミドルステージのスタートアップを対象とする株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」と、主にレイターステージのスタートアップの大型資金調達を支援する特定投資家向け銘柄制度(J-Ships)を活用した「FUNDINNO?PLUS+」により、投資家が直接スタートアップに投資できるスキームを提供しています。

沿革 

FUNDINNO[ファンディーノ]のトップメッセージ

代表取締役CEO 柴原 祐喜

 “フェアな挑戦”を応援するメンバーがいます。「フェアに挑戦できる、未来を創る」。FUNDINNOには、そのミッションのもとに集まったメンバーがいます。。我々は、誰もが挑戦しやすい土壌を育てます。

(引用:FUNDINNO[ファンディーノ]HP
2015年11月
株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」の運営業務等を目的として、東京都港区に㈱日本クラウドキャピタルを設立(資本金5,000千円)
2016年3月
東京都品川区へ本店移転
2016年10月
金融商品取引法に基づく第一種少額電子募集取扱業者として登録
2016年11月
日本証券業協会に加入
2017年4月
株式投資型クラウドファンディングの第1号案件開示
2018年5月
金融関連5社・金融関連分野に携わる大学有識者・法律家で構成される「金融関連分野におけるブロックチェーン技術実務適用研究会」の発足に参画
2018年10月
「FUNDINNO」がビジネスモデル分野において2018年度グッドデザイン賞を受賞
2019年9月
「FUNDINNO型新株予約権」をリリース株式投資型クラウドファンディングサービスにおいて、日本で初めて普通株式及び新株予約権を同時に取り扱う事業者となる。
2019年10月
株主管理・経営管理を支援するプラットフォーム「FUNDOOR」の提供を開始
2021年10月
金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業として変更登録
2021年12月
株主コミュニティ業務開始ネットで未上場株式の売買ができる株式取引プラットフォーム「FUNDINNO MARKET」を運営開始
2022年2月
商号を㈱FUNDINNOに変更
2022年4月
三菱UFJ信託銀行㈱と「FUNDOOR」に関する資本業務提携を締結
2022年9月
株主コミュニティによる私募を開始
2022年11月
人材採用支援事業を展開する㈱ホライズンワークスジャパン(現 ㈱FUNDINNOGROWTH)を株式交換により完全子会社化特定投資家からの大型資金調達サービスを提供する「FUNDINNO PLUS+」の提供開始 第1号案件実施
2023年4月
三菱UFJ信託銀行㈱との共同開発で「MUFG FUNDOOR」の提供を開始
2023年10月
日本証券業協会より特定投資家向け銘柄制度(J-Ships)における取扱協会員としての指定を取得
2024年1月
東京都港区へ本店移転
2024年10月
特定投資家の登録数が1,000名を突破
2025年9月
大口相対取引等を提供する「FUNDINNO MARKET PLUS+」を開始

財務データ 

 2024年10月期の事業売上は1,185百万円で、構成比はサービス領域別に、プライマリー領域68%グロース領域30.2%セカンダリー領域1.8%となっています。

 前期(24.10)は「FUNDINNO PLUS+」の営業収益が大きく伸長した一方で、ソフトウエア及びのれんに係る減損損失を計上したことで、前期比で売上は98%増最終は△1422百万円で着地しました。

 今期(25.10)はプライマリー領域(FUNDINNO PLUS+)におけるGMV(流通取引額)拡大に伴い、発行体からの資金調達に関する手数料収入が順調に増加し、売上は112%増最終は345百万円を見込んでいます。1株利益は15.14円配当は0円予想としています。

 なお、来期(26.10)の売上は54.8%増最終は1,147百万円を見込んでおり、1株利益は49.69円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/102021/102022/102023/102024/10
売上高2866016676001,185
経常益△464△494△1,055△1430△1076
最終益△467△496△1,058△1434△1422
純資産4161,9642,6864,3584,265
総資産8072,2493,1184,6944,610
※単位は百万円、23.10から連結決算

▌サービス領域別の売上内訳(2024.10)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している全業種3,637社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が1294.8%となっており、かなり良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 4,610 百万円売上高 1,185 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = -89.4(μ:-449.1 Me:5.7
総資本営業利益率 = -23(μ:4.9 Me:5.2
自己資本利益率 = -33.3(μ:-1.1 Me:7.6
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 1294.8(μ:280.7 Me:205.8
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 3.9(μ:100.2 Me:65.5
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 92.5(μ:54.6 Me:54.9
成長性指標
売上高成長率 = 97.5(μ:8.9 Me:6.6

※カッコ内の数値は全業種(3,637社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は27,475千株で、株式保有割合は、その他67.1%経営陣23.9%ベンチャーキャピタル(VC)9.0%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
㈱JCC17.42%180日
平石 智紀6.06%180日
松井 宏記4.14%180日
i-Lab5号LPS3.06%180日/2倍
藤井 優紀2.32%180日
㈱岡三証券グループ2.27%180日
三菱UFJ信託銀行㈱2.27%3年
松岡 司1.80%180日
柴原 祐喜(社長)1.75%継続保有
大浦 学1.75%継続保有
上記以外57.16%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 27,475千株(2025年10月31日現在)

?

23.967.19.0
6,574.3 千株– 千株18,433.8 千株2,467.1 千株
※新株予約権による潜在株式(4,466千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は3.6%と低く、売出される株式は、主にその他(従業員等)、ベンチャーキャピタル(VC)の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

 上場する株式の時価総額は131.7億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の8.8%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は15.8億円で、IPOとしては中小型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。87,700 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。87,700 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。2,692,600 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。2,330,000 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。362,600 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。2,780,300 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
131.7 億円0.5 億円10.53.6
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

23.961.85.68.8
※新株予約権による潜在株式(4,466千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは野村證券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
野村證券(主幹事)-%-株
岡三証券-%-株
SBI証券-%-株
東洋証券-%-株
東海東京証券-%-株
松井証券-%-株
岩井コスモ証券-%-株
フィリップ証券-%-株
今村証券-%-株
三田証券-%-株
楽天証券-%-株
マネックス証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
岡三オンライン岡三-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
89%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
66%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日10月31日(金)
抽選申込期間11月19日(水)~11月25日(火)
当選発表日11月26日(水)
購入申込期間11月27日(木)~12月2日(火)
上場日12月5日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
119111011111112111311141115
1116111711181119112011211122
1123112411251126112711281129
1130121122123124125126
1271281291210121112121213

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 マッチングプラットフォーム関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度は高いです。ここ数年で売上は急激に拡大しており、損益も直近で黒字転換を達成し、来期の利益も拡大予想であることから、成長性及び収益力は評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中小型案件で、株主にVCが入っているもののロックアップは厳しめで、想定価格もかなり低めのため、需給に不安はありません。ただ、公募比率が低いのはマイナス材料です。来期利益予想によるPERは11.5倍と業種平均8.5倍(証券商品先物取引業・グロース)と比較してほぼ同水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は証券・商品先物取引業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は証券・商品先物取引業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は証券・商品先物取引業(グロース)の単純PER(25.8末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は証券・商品先物取引業(グロース)の単純PBR(25.8末時点)。
15.8 億円97.5-33.33.1
証券・商品8.51.9
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格570円から+130円(+22.8%)高い700円と予想します。なお、AI予測値は949円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
700円(11/5予想)
+130円 / +22.8%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。570円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(11/5計算)

AI予測949円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+22.8+66.5+92.1+67.7
(想定価格比)(想定価格比)マッチング中小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では19年12月に上場したマクアケ(4479)の初値騰落率は+74.8%でした。

 今回のIPOと同じマッチングPF関連に分類されるIPOは2007年以降22件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は90.9%、初値騰落率の平均は+92.1%(中央値+73.4%)となっています。

 また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降233件で、勝率は88.4%、初値騰落率の平均は+67.7%(中央値+50.3%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
マクアケ+74.8%45.4100.0%57.5%

▌マッチングPFのIPO実績
(マッチングプラットフォームの運営事業)

マッチング勝率平均騰落率
22
(2007年以降)
90.9
(20件 / 22件)
+92.1
(Me:+73.4 %)

(2025/11/5 現在)

マッチングPFの直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
418A ウリドキ2025/10/7+7.5
5616 雨風太陽2023/12/18+26.4
5592 くすりの窓口2023/10/4-7.1
5138 Rebase2022/12/16+130.4
5131 リンカーズ2022/10/26+67.7

マッチングのIPO騰落率分布

▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)

中小型勝率平均騰落率
233
(2016年以降)
88.4
(206件 / 233件)
+67.7
(Me:+50.3 %)

(2025/11/5 現在)

中小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
423A ライオン事務器2025/10/15+75.6
386A みのや2025/7/18+64.4
343A IACEトラベル2025/4/7-13.6
340A ジグザグ2025/3/31+35.3
330A TalentX2025/3/18+36.8

中小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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