ギミック(475A)のIPO情報と初値予想

 ギミック(475A)東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、ギミックのIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『患者に最適な医師の選択を実現させるための情報を網羅的に集積した『ドクターズ・ファイル』を中心とした医療特化型プラットフォーム事業』となっています。

会社名ギミック(475A)
所在地東京都渋谷区南平台町2番17号
設立日2003年12月9日
従業員数331人
業種サービス業

【企業サイト】
ギミック公式サイト
https://www.gimic.co.jp/

事業解説
 医療情報サイト「ドクターズ・ファイル」をはじめ、病院版医療情報サイト「ホスピタルズ・ファイル」や、医療情報マガジン『頼れるドクター』など、患者とドクター・医療機関の最適なマッチングの機会提供をめざしたメディア事業展開をしています。ドクターズ・ファイルでは、全国16万件近くのクリニック・病院の情報を掲載し、各医療機関のドクター情報や治療についての流れなどを紹介しています。
ギミックの事業説明
(画像:ギミックHP

沿革 

ギミックのトップメッセージ

代表取締役社長兼社長執行役員 CEO 横嶋 大輔

 「ドクターズ・ファイル」事業は2006年のスタート以来、数多くの開業医を独自取材し、クリニックの情報を求める人々へ提供し続けてきました。。また、クリニック経営に不可欠な人材採用、ホームページ制作、予約システムに至るまで幅広い分野をカバーし、多くのユーザーを獲得してまいりました。

(引用:ギミックHP
2003年12月
神奈川県川崎市麻生区で地域情報メディア事業を目的として㈱リクルーティング・ギミック(現当社)設立
2004年10月
田園都市エリア地域情報サイト「田園都市ドットコム」リリース
2006年10月
田園都市ドットコムの医療情報として「田園都市ドクターズ・ファイル」リリース
2008年7月
医療情報マガジン「田園都市の頼れるドクター」創刊
2009年9月
医療情報サイト「ドクターズ・ファイル」としてリニューアルし、田園都市版、世田谷版をリリース
2011年10月
㈱ギミックへ社名変更
2011年12月
動物病院情報サイト「動物病院ドクターズ・ファイル」リリース
2012年4月
事業拡大を目的として、東京都渋谷区へオフィス移転
2013年11月
医療情報マガジンを「頼れるドクター」に名称変更
2016年2月
「田園都市ドットコム」サービス終了 医療連携プラットフォーム「D-Search」リリース
2016年4月
事業のエリア拡大を目的として、名古屋支社開設
2016年7月
病院版医療情報サイト「ホスピタルズ・ファイル」リリース
2017年4月
事業のエリア拡大を目的として、関西支社開設
2018年6月
医療系求人情報サイト「ドクターズ・ファイル ジョブズ(JOBS)」リリース
2019年1月
クリニック専用 ホームページ制作サービス「ドクターズ・ファイル リンク(LINK)」リリース
2019年1月
クリニック専用 WEB予約管理システム「ドクターズ・ファイル アポ(APPO)」リリース
2019年3月
ドクターズ・ファイル全国展開にともない、全国代理店との連携を開始
2019年12月
医療職向け転職支援サービス「ドクターズ・ファイル エージェント(Agent)」提供開始
2020年5月
事業のエリア拡大を目的として、福岡支社開設
2021年7月
LINE連携型予約管理システム「ドクターズ・ファイル アポ レジタス」リリース
2022年11月
クリニック専用 人事評価/人材マネジメントシステム「ドクターズ・ファイル クリニコ(CLINICO)」提供開始
2023年4月
医療機関専用 情報共有アプリ「ドクターズ・ファイル メディパシー(medipathy)」提供開始
2023年12月
クリニック経営情報メディア「クリニック未来ラボ」提供開始
2023年12月
開業医調査レポート「開業医白書2023」を初公開
2024年11月
医療連携ガイドブック「東京・神奈川の医療連携を大切にしている病院 2024‐2025」提供開始
2024年12月
ドクターズ・ファイル編集部執筆による書籍「クリニック未来予想図2035」(プレジデント社)発行
2025年9月
医療連携イベント「メディカライアンスデー(MedicallianceDAY)2025」初開催

財務データ 

 2025年3月期の事業売上は3,552百万円で、構成比はサービス別に、ドクターズ・ファイル70.6%頼れるドクターズ20.7%その他8.8%となっています。

 前期(25.3)は「ドクターズ・ファイル」及び「頼れるドクター」の売上がいずれも伸長した一方で、外注費を比較的抑えることができた結果、前期比で売上は10%増最終は192百万円で着地しました。

 今期(26.3)は新たに「頼れるドクター」4版を創刊し、全国19都府県36版の発行を予定しているほか、医療連携ガイドブックや地域医療連携イベントなどにより、売上は8%増最終は294百万円を見込んでいます。1株利益は70.08円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2021/32022/32023/32024/32025/3
売上高2,0922,4752,7893,2233,552
経常益△2193△107149273
最終益△1964△8587192
純資産176241323520713
総資産9021,1341,5201,5831,631
※単位は百万円、単体決算

▌サービス別の売上内訳(2025.3)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業543社の中央値と比較すると、収益力は自己資本利益率 が26.9%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が56%となっており、平均的な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 1,631 百万円売上高 3,552 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 7.7(μ:6.6 Me:6.3
総資本営業利益率 = 16.7(μ:6.1 Me:6.4
自己資本利益率 = 26.9(μ:2.9 Me:9.6
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 160.5(μ:269.6 Me:201
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 56(μ:104.6 Me:62.6
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 43.7(μ:52.4 Me:51.7
成長性指標
売上高成長率 = 10.2(μ:11.2 Me:8

※カッコ内の数値はサービス業(543社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は4,191千株で、株式保有割合は、経営陣84.0%その他15.3%ベンチャーキャピタル(VC)0.7%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
㈱Y-Blood42.95%180日
横嶋 大輔(社長)38.66%180日
横嶋 洋子4.49%180日
増山 太郎1.79%180日
Malcolm F. MacLean IV1.79%180日
ギミック従業員持株会1.19%180日
㈱エイチ・アイ・エス1.19%180日
牧 綾子1.19%180日
松永 恵倫1.19%180日
松永 寛暁1.00%180日
上記以外4.56%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 4,191千株(2025年11月17日現在)

?

84.015.30.7
3,520 千株– 千株640.7 千株30 千株
※新株予約権による潜在株式(280.7千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は46.1%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に経営陣の株式放出によるものです。

 上場する株式の時価総額は56.5億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の41.8%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は28.7億円で、IPOとしては中型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。1,000,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。1,000,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。1,493,400 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。1,168,200 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。325,200 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。2,493,400 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
56.5 億円11.5 億円44.246.1
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

48.88.90.641.8
※新株予約権による潜在株式(280.7千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは野村證券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天マネックス松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
野村證券(主幹事)-%-株
みずほ証券-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
マネックス証券-%-株
松井証券-%-株
合計100%-株

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日11月17日(月)
抽選申込期間12月4日(木)~12月9日(火)
当選発表日12月10日(水)
購入申込期間12月11日(木)~12月16日(火)
上場日12月19日(金)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
1123112411251126112711281129
1130121122123124125126
1271281291210121112121213
1214121512161217121812191220
1221122212231224122512261227

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 情報サイト関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度はやや高めです。ここ数年で売上・利益ともに緩やかならがらも着実に伸びており、事業内容から今後飛躍的に事業規模が拡大することは難しいものの、事業としての安定度はかなり高いです。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中型案件で、株主は安定株主(経営陣等)で占められおり、ロックアップもかなり厳しめのため、需給面に不安はありません。今期利益予想によるPERは16.4倍と業種平均15.4倍(サービス・スタンダード)と比較してほぼ同水準です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 8.0 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段はサービス業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段はサービス業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段はサービス業(スタンダード)の単純PER(25.10末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段はサービス業(スタンダード)の単純PBR(25.10末時点)。
28.7 億円10.226.929.33.2
サービス業8.09.615.41.3
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,150円から+450円(+39.1%)高い1,600円と予想します。なお、AI予測値は1,804円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,600円(11/19予想)
+450円 / +39.1%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,150円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(11/19計算)

AI予測1,804円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+39.1+56.9+96.6+33.3
(想定価格比)(想定価格比)情報サイト中型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では22年12月に上場したGENOVA(9341)の初値騰落率は-2.2%でした。

 今回のIPOと同じ情報サイト関連に分類されるIPOは2007年以降45件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は88.9%、初値騰落率の平均は+96.6%(中央値+77.3%)となっています。

 また、今回と同じ中型のIPOは2016年以降184件で、勝率は77.2%、初値騰落率の平均は+33.3%(中央値+19.5%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
GENOVA-2.2%61.727.4%46.0%
ベビーカレンダー+123.8%7.422.9%24.9%

▌情報サイトのIPO実績
(各種情報を提供するメディアサイトの運営事業)

情報サイト勝率平均騰落率
45
(2007年以降)
88.9
(40件 / 45件)
+96.6
(Me:+77.3 %)

(2025/11/19 現在)

情報サイトの直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
299A dely2024/12/19-16.6
5571 エキサイト2023/4/19+26.9
9341 GENOVA2022/12/23-2.2
4262 ニフティライフスタイル2021/12/24-10.0
9241 FLネット2021/8/20+74.7

情報サイトのIPO騰落率分布

▌中型のIPO実績
(中型:供給額20~50億円未満のIPO)

中型勝率平均騰落率
184
(2016年以降)
77.2
(142件 / 184件)
+33.3
(Me:+19.5 %)

(2025/11/19 現在)

中型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
436A サイバーSOL2025/10/23+38.7
428A サイプレスHD2025/10/8-4.9
421A ムービン2025/10/6+20.3
410A GMOコマース2025/9/25+80.6
378A ヒット2025/7/4+44.4

中型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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