辻・本郷ITコンサルティング(476A)のIPO情報と初値予想
- 2025/11/20
- IPO企業一覧
辻・本郷ITコンサルティング(476A)の東証スタンダードへの新規上場が承認されました。ここでは、辻・本郷ITコンサルティングのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『各種業務コンサルティング、ソフトウェア販売導入支援やシステム開発等のDX支援及びSaaSと専門知識を基盤とした経理労務代行、専門人材供給等のオペレーションコンサルティング等』となっています。
| 会社名 | 辻・本郷ITコンサルティング(476A) |
|---|---|
| 所在地 | 東京都渋谷区代々木一丁目36番4号全理連ビル5階 |
| 設立日 | 2012年5月11日 |
| 従業員数 | 125人 |
| 業種 | 情報・通信業 |
【企業サイト】
https://ht-itc.jp/

沿革

代表取締役 黒仁田 健
当社は、2012年5月に東京都渋谷区に創業しました。事業拡大を目的として、2013年12月に辻・本郷税理士法人を中心とした辻・本郷グループに参画することに伴い、「辻・本郷ITコンサルティング株式会社」に商号変更するとともに、辻・本郷税理士法人内でインフラを担当していたIT部門を移管しました。
財務データ
2024年9月期の事業売上は1,291百万円で、構成比はドメイン別に、コンサルテ12.3%、テクノロジー54.4%、オペレーション33.2%となっています。
前期(24.9)はAIが社会に与える影響への関心の世界的な高まりや、DX推進が引き続き社会的に強く意識され、受注環境は全体として好調に推移しており、前期比で売上は97%増、最終は79百万円で着地しました。
今期(25.9)はコンサルティングサービス及び経理労務代行等のアウトソーシングサービスにおいて案件獲得が進んだことにより、売上は65%増、最終は227百万円を見込んでいます。1株利益は99.45円、配当は0円予想としています。
なお、来期(26.9)は売上は37.2%増、最終は318百万円を見込んでいます。1株利益は179.06円、配当は0円予想としています。
▌主要な経営指標等の推移
| 決算期 | 2020/4 | 2021/4 | 2022/9 | 2023/9 | 2024/9 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 190 | 187 | 329 | 655 | 1,291 |
| 経常益 | 36 | 31 | 121 | 101 | 110 |
| 最終益 | 25 | 21 | △204 | 69 | 79 |
| 純資産 | 143 | 105 | 93 | 162 | 848 |
| 総資産 | 169 | 128 | 206 | 360 | 1,519 |
▌ドメイン別の売上内訳(2024.9)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業585社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が8.5%など、平均的な数値となっています。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が254.7%となっており、平均的な状態といえます。
| 貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
|---|---|
| 総資産 1,519 百万円 | 売上高 1,291 百万円 |
| ▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は情報・通信業(585社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は1,874千株で、株式保有割合は、関係会社56.2%、その他31.1%、経営陣8.2%、ベンチャーキャピタル(VC)4.6%となっています。
VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。
| 株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
|---|---|---|
| Hongo holdings㈱ | 56.18% | 180日 |
| 伊藤忠商事㈱ | 24.07% | 180日 |
| ニッセイ・キャピタル9号LPS | 2.16% | 90日/1.5倍 |
| 黒仁田健(社長) | 2.05% | 180日 |
| ニッセイ・キャピタル10号LPS | 1.87% | 90日/1.5倍 |
| 安東容杜 | 1.41% | 180日 |
| 菊池典明 | 1.28% | 180日 |
| 大下宏樹 | 1.20% | 180日 |
| 徳永和喜 | 1.20% | 180日 |
| 従業員 | 1.20% | 180日 |
| 上記以外 | 7.38% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 1,874千株(2025年11月18日現在)
| 8.2 % | 56.2 % | 31.1 % | 4.6 % |
| 152.8 千株 | 1,053.2 千株 | 582.4 千株 | 86 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
IPOの公募比率は45.6%で、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはニュートラルです。売出し分は、主に関係会社(親会社)の株式放出によるものです。
上場する株式の時価総額は35.3億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の26.7%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は11.9億円で、IPOとしては中小型の案件になります。
| 公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 260,000 株 | |
|---|---|---|
| 内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 260,000 株 |
| (自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
| 売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 395,500 株 | |
| 内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 310,000 株 |
| (OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 85,500 株 | |
| 公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 655,500 株 | |
(IPO指標)
| 時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
|---|---|---|---|
| 35.3 億円 | 4.7 億円 | 29.2 % | 45.6 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
| 7.2 % | 34.8 % | 27.3 % | 4.0 % | 26.7 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOではSBI証券が主幹事となっており、割当株数の36%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。
また、幹事証券になる松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。
▌幹事証券の引受株式数
| 証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
|---|---|---|
| SBI証券(主幹事) | -% | -株 |
| 大和証券 | -% | -株 |
| あかつき証券 | -% | -株 |
| 岩井コスモ証券 | -% | -株 |
| 岡三証券 | -% | -株 |
| JTG証券 | -% | -株 |
| 東海東京証券 | -% | -株 |
| 松井証券 | -% | -株 |
| 水戸証券 | -% | -株 |
| 合計 | 100% | -株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
| 証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
|---|---|---|
| SBIネオトレード証券 | SBI | -株 |
| CONNECT | 大和 | -株 |
| 岡三オンライン | 岡三 | -株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
| 個人 | -本 |
|---|---|
| 抽選 | –本 |
| 裁量 | –本 |
スケジュール
| 上場承認日 | 11月18日(火) |
|---|---|
| 抽選申込期間 | 12月4日(木)~12月10日(水) |
| 当選発表日 | 12月11日(木) |
| 購入申込期間 | 12月12日(金)~12月17日(水) |
| 上場日 | 12月19日(金) |
| SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1123 | 1124 | 1125 | 1126 | 1127 | 1128 | 1129 |
| 1130 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 |
| 127 | 128 | 129 | 1210 | 1211 | 1212 | 1213 |
| 1214 | 1215 | 1216 | 1217 | 1218 | 1219 | 1220 |
| 1221 | 1222 | 1223 | 1224 | 1225 | 1226 | 1227 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
コンサルティング関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度は高いです。ここ数年は辻・本郷税理士法人をはじめとした会計事務所や金融機関、伊藤忠商事グループといった強固なパートナーチャネルとの連携を強化したことで、売上・利益ともに飛躍的に拡大しており、しばらくは事業規模の拡大が続きそうな勢いです。
▌需給・価格評価
IPOとしては中小型案件で、株主には一部VCがいるもののロックアップは入っており、需給に不安はありません。来期利益予想によるPERは10.1倍と業種平均18.3倍(情報通信・スタンダード)と比較して割安です。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。
| 期待度 | 評価点 |
|---|---|
| 9.0 /15点 |
《IPOの評価指標》
| 供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(スタンダード)の単純PER(25.10末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(スタンダード)の単純PBR(25.10末時点)。 |
|---|---|---|---|---|
| 11.9 億円 | 97.1 % | 9.3 % | 45.0 倍 | 2.8 倍 |
| 情報・通信 | 8.9 % | 10.1 % | 18.3 倍 | 1.8 倍 |
|---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,810円から+790円(+43.6%)高い2,600円と予想します。なお、AI予測値は3,000円となっており、これより低い弱気の予想としています。
| 初値予想 (想定価格比) | 2,600円(11/19予想) (+790円 / +43.6%) |
|---|---|
| 想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 1,810円 |
| 仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
| 公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
| 初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では24年11月に上場したグロービング(277A)の初値騰落率は+23.6%でした。
今回のIPOと同じコンサルティング関連に分類されるIPOは2007年以降53件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は92.5%、初値騰落率の平均は+77.9%(中央値+51.0%)となっています。
また、今回と同じ中小型のIPOは2016年以降233件で、勝率は88.4%、初値騰落率の平均は+67.7%(中央値+50.3%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
| 銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
|---|---|---|---|---|
| グロービング | +23.6% | 42.1 | 60.1% | 16.8% |
| ライズCG | 0.0% | 123.9 | 38.7% | 25.9% |
▌コンサルティングのIPO実績
(経営支援・組織開発、M&Aアドバイザリー)
| コンサル | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2025/11/19 現在)
コンサルティングの直近IPO
| コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
|---|---|---|
| 296A 令和AH | 2024/12/23 | +44.7 % |
| 277A グロービング | 2024/11/29 | +23.6 % |
| 246A アスア | 2024/9/26 | +47.6 % |
| 244A グロースエクスパ | 2024/9/26 | +20.3 % |
| 192A インテグループ | 2024/6/18 | +50.0 % |
コンサルのIPO騰落率分布
▌中小型のIPO実績
(中小型:供給額10~20億円未満のIPO)
| 中小型 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2025/11/19 現在)
中小型の直近IPO
| コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
|---|---|---|
| 423A ライオン事務器 | 2025/10/15 | +75.6 % |
| 386A みのや | 2025/7/18 | +64.4 % |
| 343A IACEトラベル | 2025/4/7 | -13.6 % |
| 340A ジグザグ | 2025/3/31 | +35.3 % |
| 330A TalentX | 2025/3/18 | +36.8 % |
中小型のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)