NE[エヌイー](441A)のIPO情報と初値予想

 NE[エヌイー](441A)東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、NE[エヌイー]のIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

 なお、今回上場するNEの全株式は、現在の親会社であるHameeの株主に現物配当されることになっていますが、上場に併せて新たに株式を公募発行するため、一般的なIPOで実施される証券会社による株式購入の募集、並びに個人投資家向けのIPO抽選があります

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『SaaS型EC支援プラットフォーム『ネクストエンジン』の運営、ECコンサルティング事業、ふるさと納税支援等地方創生事業』となっています。

会社名NE[エヌイー](441A)
所在地神奈川県横浜市港北区新横浜三丁目2番3号
設立日2022年5月2日
従業員数129人
業種情報・通信業

【企業サイト】
NE[エヌイー]公式サイト
https://ne-inc.jp/

事業解説
 『ネクストエンジン』は、複数のネットショップを一元管理できるECプラットフォームで、受注・在庫・商品の業務の自動化・効率化を実現します。同プラットフォームの契約社数は6,570社、利用店舗数は53,602店(25.4現在)。他にも、EC事業者の売上向上を実現するコンサルティングサービスや、地方自治体向けふるさと納税支援サービス(ロカルコ事業)なども展開しています。
NE[エヌイー]の事業説明
(画像:NE[エヌイー]HP

沿革 

NE[エヌイー]のトップメッセージ

代表取締役社長 CEO 比護 則良

 当社は2022年に、Hamee株式会社から分社化する形で設立しました。Eコマース市場の成長やコマースビジネスの複雑さが増している現状を踏まえ、より高度な課題解決に向けたサービス開発が求められていると感じ、より市場に価値提供するために分社化という形を選択しました。

(引用:NE[エヌイー]HP
2022年5月
Hamee㈱の子会社として神奈川県小田原市にNE㈱を設立
2022年8月
Hamee㈱のプラットフォーム事業を会社吸収分割の方法により承継し事業開始
2022年9月
Hamee㈱より承継した関係会社株式により当社の子会社となったHameeコンサルティング㈱を吸収合併
2024年4月
㈱リアルジャパンプロジェクトから、日本の伝統工芸品の国内EC事業(リテール事業)を事業譲受により取得

財務データ 

 2025年4月期の事業売上は3,925百万円で、構成比はセグメント別に、ネクストエンジン75.7%コンサルティング9.5%ロカルコ14.8%その他0%となっています。

 前期(25.4)はネクストエンジンのARPU向上やふるさと納税支援サービスでの寄附額向上のための諸施策(広告運用の提案等)に効果が見られ、前期比で売上は4%増最終は940百万円で着地しました。

 今期(26.4)はふるさと納税支援サービスでは、競争激化により契約自治体の解約の発生で売上は減少傾向も、コンサルティング事業では新たな取り組みである教育商材(AI リスキリング講座)の販売を計画しており、売上は7%増最終は973百万円を見込んでいます。1株利益は59.95円配当は0円予想としています。

▌主要な経営指標等の推移

決算期-/--/-2023/42024/42025/4
売上高2,5373,7683,925
経常益1,0631,5881,525
最終益5381,033940
純資産2,0172,8883,518
総資産2,8963,6914,224
※単位は百万円、単体決算

▌セグメント別の売上内訳(2025.4)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業585社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が38.7%など、かなり高い数値となっています。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が532.1%となっており、かなり良好な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 4,224 百万円売上高 3,925 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = 38.7(μ:6.5 Me:8.1
総資本営業利益率 = 35.9(μ:6.6 Me:7.5
自己資本利益率 = 26.7(μ:-11.8 Me:10.1
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 532.1(μ:328.5 Me:258.5
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 18.9(μ:110.4 Me:42.2
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 83.3(μ:59.7 Me:62.5
成長性指標
売上高成長率 = 4.2(μ:13.2 Me:8.9

※カッコ内の数値は情報・通信業(585社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は16,394千株で、株式保有割合は、関係会社97.6%経営陣1.3%その他1.1%となっています。なお、新株予約権分を除くと、親会社Hameeが100%保有となっています

 上場時の株式保有は現在のHamee株式の保有者となるため、個人投資家の動向が初値や上場後の株価形成に際し、大きな影響を与えることになりそうです。

株主名持株比率ロックアップ
Hamee㈱97.60%
比護 則良(社長)0.91%
鈴木 淳也0.30%
従業員0.12%
北村 京0.09%
従業員0.09%
従業員0.09%
従業員0.09%
従業員0.09%
従業員0.09%
上記以外0.53%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 16,394千株(2025年9月30日現在)

?

1.397.61.1
215 千株16,001 千株178 千株– 千株
※新株予約権による潜在株式(393千株)を含む。

▌Hamee株式の所有者割合
(2025年4月末時点)

?

株主株数 千株持株比率ロックアップ
AOI㈱5,31233.30180日間
樋口敦士2,53315.88180日間
北村和順4732.97180日間
その他5,51732.23

2IPOの基本情報

公開株数 

 今回のIPOでは募集株式の全てが公募株式で、主に新規発行になります。初値形成にはかなりポジティブといえます。

 上場する株式の時価総額は120.5億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の3.0%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は4.2億円で、IPOとしては超小型の案件になります。

 なお、Hamee株主への現物配当において、株式の交付比率を、Hamee株式1株につきNE株式1株とするために、NE発行済株式総数をHamee発行済株式総数に合わせるようNE株式の分割を実施する予定となっています。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。500,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。500,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。75,000 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。0 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。75,000 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。575,000 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
120.5 億円3.7 億円3100
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

97.03.0
※新株予約権による潜在株式(393千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOではみずほ証券が主幹事となっており、割当株数の8%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
みずほ証券(主幹事)-%-株
SBI証券-%-株
楽天証券-%-株
合計100%-株

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

8%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日9月30日(火)
抽選申込期間10月17日(金)~10月23日(木)
当選発表日10月24日(金)
購入申込期間10月27日(月)~10月30日(木)
上場日11月4日(火)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
10510610710810910101011
1012101310141015101610171018
1019102010211022102310241025
102610271028102910301031111
112113114115116117118

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

star_half
Rating
IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 システムプラットフォーム関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度は高いです。ここ数年は売上は順調に拡大しており、利益は横ばい傾向も黒字を維持しており、成長性及び収益力は評価できます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては超小型案件で、想定価格も低めに設定されていることから、初値上昇の可能性が高そうです。今期利益予想によるPERは12.2倍と業種平均67.9倍(情報通信・グロース)と比較して割安です。なお、上場時の株主はNE株を現物配当される現在のHamee株主となるため、特にすぐに現金化したい個人投資家などが多い場合には、売りが殺到する可能性もあります。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは一定程度の初値上昇が期待できるため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 9.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(25.8末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(25.8末時点)。
4.2 億円4.226.712.83.1
情報・通信8.910.167.94.1
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
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初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格730円から+670円(+91.8%)高い1,400円と予想します。なお、AI予測値は2,079円となっており、これより低い弱気の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
1,400円(10/1予想)
+670円 / +91.8%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。730円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(10/1計算)

AI予測2,079円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+91.8+184.8+145.8+174.7
(想定価格比)(想定価格比)シスPF超小型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では25年3月に上場したTalentX(330A)の初値騰落率は+36.8%でした。

 今回のIPOと同じシステムPF関連に分類されるIPOは2007年以降52件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は90.4%、初値騰落率の平均は+145.8%(中央値+124.9%)となっています。

 また、今回と同じ超小型のIPOは2016年以降101件で、勝率は90.1%、初値騰落率の平均は+174.7%(中央値+135.5%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
TalentX+36.8%14.746.2%44.3%
POPER+1.4%3.869.1%-243.4%
ビートレンド+257.5%5.117.5%14.2%
インターファクトリー+429.2%9.312.3%32.7%

▌システムPFのIPO実績
(EC・決済などを行うプラットフォーム運営)

シスPF勝率平均騰落率
52
(2007年以降)
90.4
(47件 / 52件)
+145.8
(Me:+124.9 %)

(2025/10/1 現在)

システムPFの直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
410A GMOコマース2025/9/25+80.6
332A ミーク2025/3/21+5.6
330A TalentX2025/3/18+36.8
198A ポストプライム2024/6/20±0.0
149A シンカ2024/3/27+26.6

シスPFのIPO騰落率分布

▌超小型のIPO実績
(超小型:供給額5億円未満のIPO)

超小型勝率平均騰落率
101
(2016年以降)
90.1
(91件 / 101件)
+174.7
(Me:+135.5 %)

(2025/10/1 現在)

超小型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
391A 山忠2025/7/29±0.0
387A フラー2025/7/24+344.4
353A A-エレコミ2025/4/25+29.4
338A Zenmu2025/3/27+216.5
9388 パパネッツ2025/3/21+18.6

超小型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報
















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