PRONI[プロニ](479A)のIPO情報と初値予想

 PRONI[プロニ](479A)東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、PRONI[プロニ]のIPOに関する基本情報から投資分析AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!

0目次

  1. 企業の基本情報
    1. 企業概要(事業解説)
    2. 沿革(代表者)
    3. 財務データ(業績、売上内訳、比率分析)
    4. 株主の状況(現在の株式総数と株主構成)
  2. IPOの基本情報
    1. 公開株数(上場後の株式総数と株主構成)
    2. 幹事証券と抽選本数(引受株式、抽選割合)
    3. スケジュール
  3. IPOの評価と初値予想
    1. IPO所感(評価、抽選スタンス)
    2. 初値予想と結果(条件、初値予想、AI予測)
    3. 過去のIPO(類似案件、分類・規模別実績)

1企業の基本情報

企業概要 

 事業内容は、『BtoB受発注プラットフォーム『PRONIアイミツ』の運営』となっています。

会社名PRONI[プロニ](479A)
所在地東京都品川区東五反田三丁目20番14号住友不動産高輪
設立日2012年10月1日
従業員数158人
業種情報・通信業

【企業サイト】
PRONI[プロニ]公式サイト
https://www.proni.co.jp/

事業解説
 『PRONIアイミツ』は、信頼できる依頼先・外注先を最短で見つけられる、日本最大級の企業間ビジネスマッチングプラットフォームで、ホームページ制作、システム開発、動画制作など100以上のカテゴリに対応し、55万社超の企業データと60万件以上の実績をもとに、相場や相談内容に応じてコンシェルジュが比較・検討をサポート。企業の業務効率化と成長を支援します。
PRONI[プロニ]の事業説明
(画像:PRONI[プロニ]HP

沿革 

PRONI[プロニ]のトップメッセージ

代表取締役 CEO 柴田 大介

 私たちの使命は、企業が最適なパートナーと迅速に出会うことで、発注企業の生産性向上やDXの実現を支援し、新たなビジネスチャンスを生み出すことです。これにより、中小企業の生産性を向上させ、日本の産業を活性化させることを目指しています。

(引用:PRONI[プロニ]HP
2012年10月
㈱ユニラボ(現 PRONI㈱)を東京都目黒区にて創業
2014年2月
ビジネス比較・発注サイト「アイミツ」をリリース
2014年9月
「発注コンシェルジュサービス」をリリース
2014年11月
本社を品川区西五反田一丁目32番4号に移転
2016年2月
本社を品川区東五反田一丁目6番3号に移転
2020年7月
本社を東京都品川区東五反田三丁目20番14号に移転
2020年12月
アイミツにSaaSカテゴリーを追加
2021年4月
新サービス「アイミツCLOUD」リリース(現 PRONIアイミツ(現在、サービス・機能はPRONIアイミツへ統合・再編))
2022年12月
第4回日本サービス大賞・優秀賞を受賞(主催:公益財団法人日本生産性本部、後援:経済産業省)
2023年9月
リブランディングの実施。社名を「PRONI」へ、サービス名称を「PRONIアイミツ」へ変更
2024年5月
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)(注1)認証取得

財務データ 

 2024年12月期の事業売上は2,198百万円で、構成比は事業別に、マッチング100%となっています。

 前期(24.12)は発注企業の課題を総合的に解決できるよう役務・SaaSの領域にとらわれない複数カテゴリーの提案やマッチング方法の導入により、前期比で売上は31%増最終は△270百万円で着地しました。

 今期(25.12)は過去のマッチングデータとAI解析を活用したシステムマッチングによりマッチング精度を高める一方で、発注獲得コストを低水準に抑えつつ、高品質なマッチングを維持する構造を確立し、売上は46%増最終は505百万円を見込んでいます。1株利益は122.22円配当は0円予想としています。

 なお、来期(26.12)も売上は35.4%増を見込んでいます(利益は未定)。

▌主要な経営指標等の推移

決算期2020/122021/122022/122023/122024/12
売上高8731,1651,2171,6842,198
経常益△120△473△622△727△383
最終益△125△476△624△730△270
純資産1,228752128923663
総資産1,7741,4641,3392,1331,771
※単位は百万円、単体決算

▌事業別の売上内訳(2024.12)

▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移

※株式分割/併合がある場合は遡及し算定。

▌比率分析

 企業の『収益力』や『安全性』を上場している情報・通信業585社と比較すると、まず、収益力については赤字決算のため、現状では比較することができません。

 また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が296.5%となっており、平均的な状態といえます。

貸借対照表 B/S損益計算書 P/L
総資産 1,771 百万円売上高 2,198 百万円

流動資産
固定資産
流動負債
固定負債
純資産
売上原価
販管費
営業利益
売上高
営業損失
収益性指標
売上高営業利益率 = -17.5(μ:6.5 Me:8.1
総資本営業利益率 = -21.7(μ:6.6 Me:7.5
自己資本利益率 = -40.7(μ:-11.8 Me:10.1
安全性指標
流動比率「流動資産 ÷ 流動負債」で計算され、企業の短期的な財務安全性(支払い能力)を測定する指標。 = 296.5(μ:328.5 Me:258.5
固定比率「固定資産 ÷ 純資産」で計算され、長期間に活用される固定資産がどれだけ純資産で調達されているかを測定する指標。一般的には100%以下が目安とされる。 = 31.7(μ:110.4 Me:42.2
自己資本比率「自己資本 ÷ 総資本」で計算され、企業の中長期的な財務安全性を測定する指標。100%は無借金経営。 = 37.4(μ:59.7 Me:62.5
成長性指標
売上高成長率 = 30.5(μ:13.2 Me:8.9

※カッコ内の数値は情報・通信業(585社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。

株主の状況 

 現在の発行済株式総数は4,699千株で、株式保有割合は、経営陣46.0%ベンチャーキャピタル(VC)38.2%その他15.8%となっています。

 VCが一定割合の株式を保有しているため、初値や上場後の株価形成に際し、ロックアップから外れた段階で売り圧力が強まるリスクがあります。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。

株主名持株比率ロックアップ
㈱エールユー25.54%180日/1.5倍
JICベンチャー・グロース・ファンド1号LPS11.50%180日/1.5倍
栗山 規夫10.37%180日/1.5倍
柴田 大介(社長)8.54%180日/1.5倍
MICイノベーション5号LPS5.11%360日/1.5倍
ニッセイ・キャピタル9号LPS5.00%180日/1.5倍
㈱リブセンス5.00%180日/1.5倍
Spiral Capital Japan Fund 2号LPS4.47%360日/1.5倍
SBI4&5LPS2.55%360日/1.5倍
日本郵政キャピタル㈱2.55%180日/1.5倍
上記以外19.37%
(LPS:投資事業有限責任組合)

▌現在の株式総数と株主構成

株式総数 4,699千株(2025年11月20日現在)

?

46.015.838.2
2,159.8 千株– 千株743.3 千株1,795.4 千株
※新株予約権による潜在株式(566千株)を含む。

2IPOの基本情報

公開株数 

 IPOの公募比率は14.5%と低く、売出される株式は、主にベンチャーキャピタル(VC)の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

 上場する株式の時価総額は75.8億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の34.9%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は34.4億円で、IPOとしては中型の案件になります。

公募株資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。250,000 株
内訳(新規発行) 公募株のうち、上場により新たに発行する株式。250,000 株
(自己株式) 公募株のうち、自社で保有する自社株式。0 株
売出株既存株主が売り出す株式。1,738,600 株
内訳(買取引受) 売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。1,479,300 株
(OA) 売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。259,300 株
公開株新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。1,988,600 株

(IPO指標)

  時価総額 上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。  資金調達 IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 OR オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。  公募比率 公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。
75.8 億円4.3 億円39.514.5
※時価総額と資金調達額は「想定価格」より算出。

▌上場後の株式総数と株主構成

???

36.28.820.134.9
※新株予約権による潜在株式(566千株)を含む。

幹事証券と抽選本数 

 今回のIPOでは大和証券が主幹事となっており、割当株数の14%程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

 また、幹事証券になる楽天も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌幹事証券の引受株式数

証券会社割当率割当株数
大和証券(主幹事)-%-株
SBI証券-%-株
みずほ証券-%-株
楽天証券-%-株
合計100%-株

委託販売による取扱株数(予想)

証券会社委託元取扱株数
CONNECT大和-株
※取扱株数は過去実績を元に推定。

▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)

14%
個人-本
抽選
裁量
45%
個人-本
抽選
裁量
11%
個人-本
抽選
裁量
90%
個人-本
抽選
裁量
100%
個人-本
抽選
裁量
※抽選割合は過去実績を元に推定。1本=1単元。

スケジュール 

上場承認日11月20日(木)
抽選申込期間12月9日(火)~12月15日(月)
当選発表日12月16日(火)
購入申込期間12月17日(水)~12月22日(月)
上場日12月24日(水)
※証券会社によってスケジュールは異なります。
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
1130121122123124125126
1271281291210121112121213
1214121512161217121812191220
1221122212231224122512261227
1228122912301231111213

( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )

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IPOの評価と初値予想

▌注目度・業績評価

 マッチングプラットフォーム関連のIPOは比較的人気が集まりやすく、注目度は高いです。社会的に人手不足は深刻で、特に中小企業では業務のアウトソースに対する需要は強く、こうした事業環境を背景に、ここ数年で売上は着実に増加しており、今期は黒字転換を達成する見込みであることから、事業の先行きは明るいといえます。

▌需給・価格評価

 IPOとしては中型案件で、株主には一部VCがいるもののロックアップは入っており、需給に不安はありません。ただ、公募比率が低いのはマイナス材料です。今期利益予想によるPERは14.2倍と業種平均58.1倍(情報通信・グロース)と比較して割安です。

▌IPO抽選へのスタンス

 今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

期待度評価点
 7.5 /15点
4以上 積極参加 2~3 参加 1 不参加

《IPOの評価指標》

 供給額 投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 成長率 直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は情報・通信業(全市場)における成長率の中央値。 ROE 直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は情報・通信業(全市場)におけるROEの中央値。 PER 想定価格を基準にした株価収益率。下段は情報・通信業(グロース)の単純PER(25.10末時点)。 PBR 想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は情報・通信業(グロース)の単純PBR(25.10末時点)。
34.4 億円30.5-40.77.0
情報・通信8.910.158.13.6
※実績値で計算、下段は業種別の数値(成長率とROEは中央値)。
aaa

初値予想と結果 

 上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格1,730円から+370円(+21.4%)高い2,100円と予想します。なお、AI予測値は2,321円となっており、これと同程度の予想としています。

初値予想
(想定価格比)
2,100円(11/22予想)
+370円 / +21.4%
想定価格正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。1,730円
仮条件公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。-円 ~ -円
公開価格株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。-円
初値 証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。
(公開価格比)
-円
(-円 / -%)

▌AIの予測値(11/22計算)

AI予測2,321円AI予測の詳細

▌初値騰落率の目安

+21.4+34.2+92.1+33.3
(想定価格比)(想定価格比)マッチング中型

過去のIPO 

 最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では22年10月に上場したリンカーズ(5131)の初値騰落率は+67.7%でした。

 今回のIPOと同じマッチングPF関連に分類されるIPOは2007年以降22件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は90.9%、初値騰落率の平均は+92.1%(中央値+73.4%)となっています。

 また、今回と同じ中型のIPOは2016年以降184件で、勝率は77.2%、初値騰落率の平均は+33.3%(中央値+19.5%)となっています。

▌類似案件のIPO実績

銘柄名騰落率 %供給額成長率 %ROE %
リンカーズ+67.7%8.223.1%12.9%
Mマート+333.9%8.024.4%31.1%

▌マッチングPFのIPO実績
(マッチングプラットフォームの運営事業)

マッチング勝率平均騰落率
22
(2007年以降)
90.9
(20件 / 22件)
+92.1
(Me:+73.4 %)

(2025/11/22 現在)

マッチングPFの直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
418A ウリドキ2025/10/7+7.5
5616 雨風太陽2023/12/18+26.4
5592 くすりの窓口2023/10/4-7.1
5138 Rebase2022/12/16+130.4
5131 リンカーズ2022/10/26+67.7

マッチングのIPO騰落率分布

▌中型のIPO実績
(中型:供給額20~50億円未満のIPO)

中型勝率平均騰落率
184
(2016年以降)
77.2
(142件 / 184件)
+33.3
(Me:+19.5 %)

(2025/11/22 現在)

中型の直近IPO

コード/銘柄上場日初値騰落率
436A サイバーSOL2025/10/23+38.7
428A サイプレスHD2025/10/8-4.9
421A ムービン2025/10/6+20.3
410A GMOコマース2025/9/25+80.6
378A ヒット2025/7/4+44.4

中型のIPO騰落率分布

(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報















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