リスキル（291A）のIPO情報と初値予想

　リスキル（291A）の東証グロースへの新規上場が承認されました。ここでは、リスキルのIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します！！

　事業内容は、『人材育成事業』となっています。

　2024年3月期の事業売上は1,484百万円で、構成比はセグメント別に、人材育成100％となっています。

　前期(24.3)は研修コンテンツの新規開発でコンテンツ数を充実させた結果、研修サービスの受注が増加し、前期比で売上は61％増、最終は285百万円で着地しました。

　今期(25.3)は入社シーズンに実施される新入社員研修のニーズが高く推移したことで、2Q累計は売上・利益ともに前期を大きく上回るペースで推移しています。

▌比率分析

　企業の『収益力』や『安全性』を上場しているサービス業548社の中央値と比較すると、収益力は総資本営業利益率が45.3％など、かなり高い数値となっています。

　また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、流動比率が363.2％となっており、かなり良好な状態といえます。

　現在の発行済株式総数は2,000千株で、株式保有割合は、経営陣100.0％となっています。

　株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが厳しめに入っているのは安心材料になります。

　IPOの公募比率は14.1％と低く、売出される株式は、主に経営陣の株式放出によるものです。初値形成にはややネガティブといえます。公募株式は、主に新規発行になります。

　上場する株式の時価総額は74.7億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の27.6％分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は23.7億円で、IPOとしては中型の案件になります。

　今回のIPOではSBI証券が主幹事となっており、割当株数の36％程度が個人向け抽選に配分されると予想されます。

　また、幹事証券になるマネックス、松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。

▌注目度・業績評価

　人材育成関連のIPOは比較的人気が集まりやす、注目度はまずまずです。ここ数年で売上・利益ともに順調に拡大しており、特に利益率は高い水準にあり、収益性はかなり評価できます。

▌需給・価格評価

　IPOとしては中型案件で、株主には安定株主しかおらず、需給面は良好です。想定価格でPER26.2倍(前期ベース)は業種平均25.7倍(サービス・グロース)と比較してほぼ同水準です。なお、想定価格が高めの設定のため、初値寄り付き後に株価が乱高下するリスクがあります。

▌IPO抽選へのスタンス

　今回のIPOは初値が公開価格を上回る可能性が高いため、IPO抽選には当選を狙って『参加』したいところです。

　上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格3,590円から+710円(+19.8%)高い4,300円と予想します。なお、AI予測値は4,270円となっており、これと同程度の予想としています。

　最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では22年10月に上場したFCE Holdings(9564)の初値騰落率は+32.1％でした。

　今回のIPOと同じサービス業（その他）関連に分類されるIPOは2007年以降158件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は75.3％、初値騰落率の平均は+46.9％(中央値+27.0％)となっています。

　また、今回と同じ中型のIPOは2016年以降162件で、勝率は76.5％、初値騰落率の平均は+34.9％(中央値+18.8％)となっています。