山忠(391A)のIPO情報と初値予想
- 2025/6/26
- IPO企業一覧
山忠(391A)の名証メインへの新規上場が承認されました。ここでは、山忠のIPOに関する基本情報から投資分析、AIによる初値予測など、詳細なデータをどこよりも早く公開します!!
0目次
1企業の基本情報
企業概要
事業内容は、『不動産の企画・開発・販売、不動産の賃貸及び管理、ビジネスホテル運営等』となっています。
会社名 | 山忠(391A) |
---|---|
所在地 | 愛知県海部郡大治町大字三本木字柳原112番地の3 |
設立日 | 1991年3月15日 |
従業員数 | 42人 |
業種 | 不動産業 |
【企業サイト】
https://www.yamachuu.co.jp/

沿革

代表取締役 山﨑 恭裕
㈱山忠は、従来の不動産会社の枠を超えた「提案できる不動産会社」の実現を目指し、1991年3月に設立しました。設立以来、「お客様サービスの充実」を最優先に、お客様に信頼され、ご満足いただける商品とサービスづくりを続けています。
財務データ
2024年4月期の事業売上は5,533百万円で、構成比はセグメント別に、開発70.3%、ストック10.4%、ホテル19.3%となっています。
前期(24.4)は都市型分譲マンション(パルティール金山アネックス)の販売が好調に推移し、インベストメント事業の売上が増加したことで、前期比で売上は24%増、最終は478百万円で着地しました。
今期(25.4)は大型案件の販売により、ソリューション事業の売上が増加しており、3Q累計は売上・利益ともに前期を上回るペースで推移しています。
▌主要な経営指標等の推移
決算期 | 2020/4 | 2021/4 | 2022/4 | 2023/4 | 2024/4 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 3,948 | 3,199 | 4,570 | 4,459 | 5,533 |
経常益 | 381 | 158 | 659 | 415 | 716 |
最終益 | 289 | 120 | 261 | 308 | 478 |
純資産 | 2,332 | 2,421 | 2,673 | 3,019 | 3,476 |
総資産 | 11,274 | 11,863 | 11,753 | 11,650 | 14,460 |
▌セグメント別の売上内訳(2024.4)
▌BPS(1株純資産) / EPS(1株利益)の推移
▌比率分析
企業の『収益力』や『安全性』を上場している不動産業140社の中央値と比較すると、収益力は売上高営業利益率が14.7%など、やや高い数値となっています。
また、安全性の観点から資産負債構成を見ると、固定比率が239.8%となっており、やや厳しい状態といえます。
貸借対照表 B/S | 損益計算書 P/L |
---|---|
総資産 14,460 百万円 | 売上高 5,533 百万円 |
▉流動資産 ▉固定資産 | ▉流動負債 ▉固定負債 ▉純資産 | ▉売上原価 ▉販管費一 ▉営業利益 | ▉売上高 ▉営業損失 |
※カッコ内の数値は不動産業(140社)の平均値(μ)及び中央値(Me)です。
株主の状況
現在の発行済株式総数は1,152千株で、株式保有割合は、経営陣84.0%、その他16.0%となっています。
株式保有は安定株主が占めているため、初値や上場後の株価形成に際し、大きな懸念はありません。また、主要株主にロックアップが入っているのは安心材料になります。
株主名 | 持株比率 | ロックアップ |
---|---|---|
山﨑 恭裕(社長) | 80.73% | 180日/90日※ |
山﨑 忠七 | 2.50% | |
山﨑 當子 | 2.50% | |
山﨑 正揮 | 2.50% | |
細江 盛方 | 1.27% | 90日 |
奥田 慶太 | 0.76% | 90日 |
山忠従業員持株会 | 0.73% | 180日 |
伊藤 良徳 | 0.55% | 90日 |
岐阜信用金庫 | 0.52% | |
山﨑 美由紀 | 0.52% | |
上記以外 | 7.42% |
▌現在の株式総数と株主構成
株式総数 1,152千株(2025年6月25日現在)
84.0 % | – % | 16.0 % | – % |
967.4 千株 | – 千株 | 184.9 千株 | – 千株 |
2IPOの基本情報
公開株数
IPOの公募比率は78.9%と高く、公募株式は、主に新規発行になります。初値形成にはややポジティブといえます。売出し分は、主に経営陣の株式放出によるものです。
上場する株式の時価総額は32.1億円で、今回募集する株式は上場時発行済株式の14.6%分に相当します。募集株式に対する投資家の資金供給額は4.9億円で、IPOとしては超小型の案件になります。
公募株 ?資金調達などを目的に企業が新たに投資家を募集する株式。 | 150,000 株 | |
---|---|---|
内訳 | (新規発行) ?公募株のうち、上場により新たに発行する株式。 | 150,000 株 |
(自己株式) ?公募株のうち、自社で保有する自社株式。 | 0 株 | |
売出株 ?既存株主が売り出す株式。 | 40,000 株 | |
内訳 | (買取引受) ?売出株のうち、証券会社が株主から買い取って投資家に販売する分。 | 40,000 株 |
(OA) ?売出株のうち、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売する分。公募・売出し数量の15%が上限。 | 0 株 | |
公開株 ?新たに証券取引所に上場される企業の株式。OA分の株式を含む上場される株式の上限。 | 190,000 株 |
(IPO指標)
時価総額 ?上場時の想定時価総額。上場時の発行済み株式数と想定価格から算出。 | 資金調達 ?IPOにより企業が新たに調達する資金額。公募株数と想定価格から算出。資金調達額が大きいほど事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 | OR ?オファリング・レシオ(OR)。発行済み株式数のどの程度を株式市場に放出するかを示す指標。一般的にORが低いほど株式の「レア度」が高まり、初値が高くなりやすい。20~30%が平均値。 | 公募比率 ?公募・売出し総株数に占める公募株の割合(OR分除く)。公募比率が高いほどIPOが事業拡大にプラスに働くため、IPOの評価は高くなる。 |
---|---|---|---|
32.1 億円 | 3.9 億円 | 15.4 % | 78.9 % |
▌上場後の株式総数と株主構成
71.2 % | – % | 14.2 % | – % | 14.6 % |
幹事証券と抽選本数
今回のIPOではアイザワ証券が主幹事となっています。
また、幹事証券になる楽天、マネックス、松井も割当株数の大半が個人向け抽選に配分されるため、狙い目になります。
▌幹事証券の引受株式数
証券会社 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
アイザワ証券(主幹事) | 75.00% | 142,500株 |
SBI証券 | 4.00% | 7,600株 |
SMBC日興証券 | 4.00% | 7,600株 |
東海東京証券 | 4.00% | 7,600株 |
岡三証券 | 2.00% | 3,800株 |
安藤証券 | 2.00% | 3,800株 |
楽天証券 | 2.00% | 3,800株 |
松井証券 | 1.00% | 1,900株 |
岩井コスモ証券 | 1.00% | 1,900株 |
水戸証券 | 1.00% | 1,900株 |
丸三証券 | 1.00% | 1,900株 |
マネックス証券 | 1.00% | 1,900株 |
極東証券 | 1.00% | 1,900株 |
あかつき証券 | 1.00% | 1,900株 |
合計 | 100% | 190,000株 |
★ 委託販売による取扱株数(予想)
証券会社 | 委託元 | 取扱株数 |
---|---|---|
岡三オンライン | 岡三 | 200株 |
▌IPOの抽選割合と当選本数(予測)
個人 | 66本 |
---|---|
抽選 | 34本 |
裁量 | 32本 |
個人 | 65本 |
---|---|
抽選 | 10本 |
裁量 | 55本 |
個人 | 51本 |
---|---|
抽選 | 50本 |
裁量 | 1本 |
個人 | 34本 |
---|---|
抽選 | 34本 |
裁量 | –本 |
個人 | 34本 |
---|---|
抽選 | 34本 |
裁量 | –本 |
個人 | 17本 |
---|---|
抽選 | 17本 |
裁量 | –本 |
個人 | 17本 |
---|---|
抽選 | 2本 |
裁量 | 15本 |
個人 | 17本 |
---|---|
抽選 | 17本 |
裁量 | –本 |
個人 | 2本 |
---|---|
抽選 | 2本 |
裁量 | –本 |
スケジュール
上場承認日 | 6月25日(水) |
---|---|
抽選申込期間 | 7月11日(金)~7月17日(木) |
当選発表日 | 7月18日(金) |
購入申込期間 | 7月22日(火)~7月25日(金) |
上場日 | 7月29日(火) |
SUN | MON | TUE | WED | THU | FRI | SAT |
---|---|---|---|---|---|---|
629 | 630 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 |
76 | 77 | 78 | 79 | 710 | 711 | 712 |
713 | 714 | 715 | 716 | 717 | 718 | 719 |
720 | 721 | 722 | 723 | 724 | 725 | 726 |
727 | 728 | 729 | 730 | 731 | 81 | 82 |
( 抽選申込 当選発表 購入申込 上場日 )
RatingIPOの評価と初値予想
▌注目度・業績評価
不動産開発事業に特段の新規性はなく、さらに名証メインいうマイナー市場への上場となるため、注目度は低いです。ここ数年は売上・利益ともに緩やかな拡大傾向にあり、事業の安定度は高いですが、今後、事業規模が飛躍的に拡大する可能性は低そうです。
▌需給・価格評価
IPOとしては超小型案件で、株主には安定株主しかいないものの、マイナー市場への上場になるため、需給面から初値の大幅な上昇は期待しづらいです。想定価格でPER6.7倍(前期ベース)は業種平均18.3倍(不動産・スタンダード)と比較して割安な水準です。
▌IPO抽選へのスタンス
今回のIPOは初値が公開価格割れの可能性もあるため、リスクを回避したい人はIPO抽選に『不参加』とすることも選択肢になります。
期待度 | 評価点 |
---|---|
6.0 /15点 |
《IPOの評価指標》
供給額 ?投資家がIPOで吸収する金額。公開株数(公募+売出)と想定価格から算出。小さいほど初値は上昇しやすい。 | 成長率 ?直近の売上高成長率(売上高の前年比)。下段は不動産業(全市場)における成長率の中央値。 | ROE ?直近の自己資本利益率(=最終益/純資産)。下段は不動産業(全市場)におけるROEの中央値。 | PER ?想定価格を基準にした株価収益率。下段は不動産業(スタンダード)の単純PER(25.5末時点)。 | PBR ?想定価格を基準にした株価純資産倍率。純資産はIPOによる増資分を含む。下段は不動産業(スタンダード)の単純PBR(25.5末時点)。 |
---|---|---|---|---|
4.9 億円 | 24.1 % | 13.8 % | 6.7 倍 | 0.8 倍 |
不動産業 | 8.2 % | 10.2 % | 18.3 倍 | 2.7 倍 |
---|
初値予想と結果
上記のIPO評価を踏まえた上で、初値は想定価格2,600円から+200円(+7.7%)高い2,800円と予想します。なお、AI予測値は3,330円となっており、これより低い弱気の予想としています。
初値予想 (想定価格比) | 2,800円(6/26予想) (+200円 / +7.7%) |
---|---|
想定価格 ?正式には想定発行価格。企業の成長戦略や業績、類似企業の株価などを参考に、発行企業と主幹事証券によって設定される。公開価格を決定していくプロセスの目安となる。 | 2,600円 |
仮条件 ?公開価格がブックビルディング方式で決められる際、引受証券会社があらかじめ提示する価格帯。機関投資家や他の幹事証券会社等のヒアリング結果を勘案し、主幹事証券と発行企業によって決定される。 | -円 ~ -円 |
公開価格 ?株式を新規に公開した際の公募・売り出し価格。 | -円 |
初値 ?証券取引所に上場後、最初に取引が成立した値段。 (公開価格比) | -円 (-円 / -%) |
過去のIPO
最後に過去の類似IPOの状況ですが、直近では23年6月に上場したエリッツホールディングス(5533)の初値騰落率は+26.6%でした。
今回のIPOと同じ不動産業関連に分類されるIPOは2007年以降75件で、初値が公開価格を上回った割合(勝率)は73.3%、初値騰落率の平均は+55.6%(中央値+27.3%)となっています。
また、今回と同じ超小型のIPOは2016年以降99件で、勝率は90.9%、初値騰落率の平均は+174.7%(中央値+135.5%)となっています。
▌類似案件のIPO実績
銘柄名 | 騰落率 % | 供給額 億 | 成長率 % | ROE % |
---|---|---|---|---|
エリッツHD | +26.6% | 5.0 | 6.5% | 12.6% |
ホームポジション | +3.3% | 11.5 | 34.5% | 13.4% |
アールプランナー | +126.2% | 9.6 | 15.3% | 22.3% |
日本グランデ | +0.3% | 1.3 | -29.0% | 8.5% |
▌不動産業のIPO実績
(不動産の販売・仲介・賃貸管理事業など)
不動産 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2025/6/26 現在)
不動産業の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
276A ククレブ | 2024/11/28 | +31.6 % |
146A コロンビアW | 2024/3/27 | +13.5 % |
5533 エリッツHD | 2023/6/27 | +26.6 % |
5532 リアルゲイト | 2023/6/22 | +112.8 % |
5530 日本システムバンク | 2023/4/14 | -9.6 % |
不動産のIPO騰落率分布
▌超小型のIPO実績
(超小型:供給額5億円未満のIPO)
超小型 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
|
|
|
(2025/6/26 現在)
超小型の直近IPO
コード/銘柄 | 上場日 | 初値騰落率 |
---|---|---|
353A A-エレコミ | 2025/4/25 | +29.4 % |
338A Zenmu | 2025/3/27 | +216.5 % |
9388 パパネッツ | 2025/3/21 | +18.6 % |
7790 バルコス | 2025/2/3 | +0.1 % |
5241 日本オーエー | 2024/12/23 | +9.1 % |
超小型のIPO騰落率分布
(データ引用:日本証券取引所 新規上場会社情報)