オルツの初値は公開価格を6%上回る、今後の株価展望は?
- 2024/10/11
★ 祝 東証グロース市場上場 ★
オルツ
初値:570 円
きょう東証グロース市場に新規上場したオルツ<260A>は、公開価格と同じ540円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、9時5分頃に公開価格を30円(+5.6%)上回る570円で初値をつけました。
初値を付けた直後から換金売りに押され、一時519円まで売られるも、その後は持ち直し、最終的に終値585円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は1,233万株でした。
オルツ( 260A )
▌株価情報(2024/10/11 15:00)
現在値(終値) | 初値比 | 公開価格比 | |||
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始値 | 高値 | 安値 | 出来高 |
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570 | 590 | 519 | 1,233 万株 |
View今後の株価展望
類似IPOのセカンダリー状況
▌初値小幅上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で0~10%未満の銘柄対象)
初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高騰した場合は投資家の『期待』は過熱気味のため、上場後は熱が冷めるように換金売りが殺到し、急落することが多くあります。
オルツの初値は公開価格比で+5.6%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で0~10%未満だった96銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+22.5%、中央値(Me)で+9%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は53.1%と、セカンダリーでは比較的良好なパフォーマンスといえます。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
---|---|---|
4894 クオリプス | 2023/6/27 | +497.5 % |
7164 全国保証 | 2012/12/19 | +280.2 % |
6526 ソシオネクスト | 2022/10/12 | +259.3 % |
3465 ケイアイスター不 | 2015/12/24 | +167.8 % |
6539 MS-Japan | 2016/12/15 | +142.5 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
▌AI(人工知能)関連の1年後の株価状況
業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。
オルツと同じAI(人工知能)関連の銘柄(2012年以降上場の33銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は-24%、中央値(Me)で-49.1%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は18.2%と、セカンダリーではかなり厳しい現実となっています。1年後に最も上昇したのは19年12月上場のAI inside(4488)で+351.0%、最も下落したのは21年12月上場のセキュア(4264)で-76.6%です。
初値日終値からの1年後騰落率
銘柄数 | 勝率 | 平均騰落率 | |||
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※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)
★上場1年後に上昇した銘柄TOP5
コード/銘柄 | 上場日 | 1年後騰落率 |
---|---|---|
4488 AI inside | 2019/12/25 | +351.0 % |
3993 PKSHATec | 2017/9/22 | +104.8 % |
3687 フィックスターズ | 2014/4/23 | +68.7 % |
4268 エッジテクノロジ | 2022/2/17 | +56.4 % |
4493 サイバーセキュリ | 2020/3/26 | +24.9 % |
※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。
IPO1年後の株価騰落率
1年後の株価予想
過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、比較的良好なパフォーマンスが期待できます。また、低調な新興市場の影響を受け、初値が予想より低かったことで、値下がりリスクは限定的といえます。
本日発表された今期(24.12)予想は、売上は34.9%増の65億円、最終損失は△28億円(前期△15)となっています。売上は順調に拡大しているものの、広告宣伝費や研究開発費が重しとなっており、赤字脱却の道筋は見えず、収益性には課題があります。
以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、初値から5割程度上昇の800円前後で推移していくものと予想します。
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