フライヤーの初値は公開価格を73%上回る、今後の株価展望は?

  • 2025/2/20
  •  
フライヤー上場

★ 祝 東証グロース市場上場 ★
フライヤー
初値:1,178 円

 きょう東証グロース市場に新規上場したフライヤー<323A>は、公開価格と同じ680円のカイ気配でスタートし、その後気配値を切り上げ、11時5分頃に公開価格を498円(+73.2%)上回る1,178円で初値をつけました。

 初値を付けた直後から換金売りに押され、一時下げ渋る場面も見られるも、引けに掛けて一段と売られ、最終的に終値932円で上場初日の取引を終えました。また、この日の出来高は308万株でした。

フライヤー( 323A )

▌株価情報(2025/02/20 15:00)

現在値(終値)初値比公開価格比
932
-20.9
-246
+37.1
+252
始値高値安値出来高
1,1781,185900308 万株
?

sunny_snowing
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今後の株価展望

 本日初値を付け、無事上場を果たしたフライヤーですが、株価が今後上昇していくのか、それとも下落するのか、簡単に予想していきたい思います。

 一般的にIPO銘柄は上場後に値下がりすることが多いと言われていますが、実は上場後に株価が大きく上昇していく銘柄も多くあります。ここでは特に、過去に上場した同種のIPO銘柄の値動きから、フライヤーの今後の株価について探っていきます。

類似IPOのセカンダリー状況 

▌初値大幅上昇の1年後の株価状況
(初値が公開価格比で50~100%未満の銘柄対象)

 初値の水準(初値騰落率)は上場後の株価に大きな影響を与えます。株価は投資家の将来への『期待』に左右されますが、その『期待』の影響を最も受けた状態で付いた株価が初値とするならば、初値が高いほど投資家の『期待』は既に高い状態のため、高値警戒感から上場後は値下がりする可能性が高くなります。

 フライヤーの初値は公開価格比で+73.2%になりましたが、2012年以降のIPOで初値が公開価格比で50~100%未満だった156銘柄の1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+14.5%、中央値(Me)で-22%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は37.2%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
156
(2012年以降)
37.2
(58件 / 156件)
+14.5
(Me:-22 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
3668 コロプラ2012/12/13+820.2
6544 ジャパンエレベー2017/3/17+396.2
9552 M&A総合研究所2022/6/28+373.4
4485 JTOWER2019/12/18+261.9
6029 アトラ2014/12/16+252.1

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

▌情報・通信業(その他)の1年後の株価状況

 業種や事業内容も上場後の株価に大きな影響を与えます。IPOでは事業の新規性や話題性、規模が初値の決定に大きな影響を与えますが、上場後は事業が地味でも業績が堅調に拡大していたり、大型株でも配当を出すような安定銘柄であれば株価は緩やかに上昇していきます。

 フライヤーと同じ情報・通信業(その他)の銘柄(2012年以降上場の46銘柄)に限定して1年後の騰落率(初値日終値基準)を見ると、平均(μ)は+18.1%、中央値(Me)で-0.6%となっています。また、1年後に初値日終値より上昇していた銘柄の割合(勝率)は50%と、セカンダリーではやや苦戦している状況です。1年後に最も上昇したのは20年12月上場のENECHANGE(4169)+263.2%、最も下落したのは21年9月上場のセーフィー(4375)-83.6%です。

初値日終値からの1年後騰落率 初値日終値からの1年後騰落率

銘柄数勝率平均騰落率
46
(2012年以降)
50
(23件 / 46件)
+18.1
(Me:-0.6 %)

※2012年以降上場した銘柄を集計(上場廃止等の銘柄除く)

★上場1年後に上昇した銘柄TOP5

コード/銘柄上場日1年後騰落率
4169 ENECHANGE2020/12/23+263.2
4485 JTOWER2019/12/18+261.9
3665 エニグモ2012/7/24+244.6
9419 ワイヤレスゲート2012/7/19+182.8
4483 JMDC2019/12/16+166.8

※1年後騰落率は初値日終値を基準とする。

IPO1年後の株価騰落率

今後の株価予想 

 過去のIPOのセカンダリー状況を見る限り、今後はやや厳しいパフォーマンスとなることが予想されます。

 なお、初値(1,178円)は当サイトの予想(800円)を上回り、想定より買い需要が強い結果となりました。また、AIの予測値は1,252円でした。初値寄り付き後から終日売りに押され値を下げたことから、しばらく売りの展開が続く可能性があります。

 今期(25.2)の業績予想は、前期比で売上高は+20.5%の946百万円、最終損益は8百万円となっています。本の要約を軸とした法人向け人材育成サービスは、新規性はあるものの潜在需要がどの程度あるのか読みにくく、売上の伸びは今後も緩やかなものになると予想されます。

▌初値騰落率の目安

初値騰落率+73.2 %

+17.6+84.1+78.0+179.3
(公開価格比)(公開価格比)情報・通信超小型

▌売上高/最終損益の推移

 現在の株価水準は、初値でPER425.3倍と業種平均72.2倍(情報・通信業/グロース)と比べて割高な水準です。

 以上を踏まえると、短期的な値動きはともかく、向こう1年という期間で考えれば、700~1,000円前後で推移していくものと予想します。







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